中通り18(白河市):野バラの教会(ハマナカアイヅ)
「龍馬がゆく」などの歴史小説の作家で有名な司馬遼太郎さんが訪れた白河ハリストス正正教会はご存知ですか?
白河ハリストス正教会は1915年に建設され、県の重要文化財として認定されています。
同教会は、かの有名な「街道をゆく」シリーズの「白河・会津の道」の巻で、「野バラの教会」として紹介され、今でも文豪の足あとを辿り、野バラを探しに来る人が後を絶ちません。
実は、この教会の初代司祭を務めたのが沢辺琢磨という方でした。沢辺さんは坂本龍馬のいとこで、同志社大学の創立者で福島県とゆかりのある新島襄がアメリカに密航する際に手助けをした逸話も残されています。
教会の中に入ると、大きなシャンデリアやイコンなどが飾ってあります。
台座に書かれた十字架は見たことのない形をしていました。
説明を聞いていると、正教会で使われている十字架は「八端十字架」というもので、下部に斜めになっている線は足台を表しています。斜めになっている理由はキリストと一緒に磔刑に処された2人の盗賊の運命を表現しています。聖書の記述によると、左側に磔刑された盗賊はキリストを罵り、地獄に堕ち、右側の盗賊はキリストを救世主として認め、天国行きを約束されたそうです。
イコン画とはキリスト教の崇敬の対象とされる、神や天使、聖人の絵のことを指しています。
白河ハリスト正教会には48点のイコン画があり、そのうちにイコン画家で有名な山下りんさんの作品は5点飾ってあります。教会は宗教的にも、芸術的にも崇高な位置にあるのに間違いありません。
今思えば、白河ハリスト正教会は私が昨年来日してから初めて入った教会です。飾ってあったイコンを見ると、なんとなくほっとするような懐かしい感じがしました。
皆さんも機会があればぜひ、歴史溢れる白河ハリストス正教会を訪れてください!
(投稿者:ウィリアム)