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H28年度福島県・農都交流セミナー(企業向け)を東京都内で開催しました。

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月14日更新

概要

  福島県では首都圏にある企業と本県農山村地域が抱える課題が、お互いの強みを活かすことで解決出来ることに着目し、昨年度から企業訪問や農山村地域でモニターツアーを主催して参りました。
 このたび、農山村地域を活用した企業活動のあり方をテーマに、基調講演と今年度の活動内容の発表会及び意見交換会を開催しました。

日時、場所

 平成29年2月8日水曜日 13時から16時30分
 東京交通会館(東京都千代田区有楽町)

参加者

 都内企業を中心とした約40名

セミナーの結果

基調講演

 住民を主体にした地域づくりの手法「地元学」を提唱し、800以上もの農村に自ら入って、地域づくりの手伝いを行っている結城登美雄氏に講演していただきました。 
結城氏

【講演の概要】

・地域とは「家族(ファミリー)」の集まりであり、たくさん御家族が集まって暮らしている場が地域である。実はファーマー(農業者)とファミリーは語源が同じであり、一緒に耕す、一緒に食べる人が家族というわけで、それが地域を形成していた。
・日本は戦後、急速に企業社会が発達し、従来の農耕社会と置き変わった。人々は農村から都市に向かい、かつてはいつか戻ってきたのが、今は帰ってこなくなった。今その関係を見直す時期にきている。
・農村文化は、経済優先の社会システムによって壊れてしまった。なんでもお金に置き換える考え方で、農村は壊れてしまった。もう一度地域の力を取り戻さなければならない。そこに企業の力が重要になっている。
・農都交流は農山村の心の思いや願い、営みを知ることであり、同時に農山村は企業の悩みや問題、期待といったものを理解することによって始まる。それは少しずつ、少しずつ、花開いていくようになった気がする。

パネルディスカッション

 モニターツアーに参加した企業社員2名と3地区ある受入先の代表2名によるパネルディスカッションを行いました。

松下氏

〇NECネッツエスアイ株式会社
  CSRコミュニケーション部 松下 直子 氏   

・三春町で聞いた話では、農家の暮らしは「チーム」が基本とのことだった。これは企業の仕事に通じるものだ。
・NECでは「現地」「現物」「現場」という3原則を、社員教育で教えている。こうした方向性は、実際に農村に足を運んで体験することと同義だと思う。農山村との連携の可能性は大いにあると思う。
・企業が交流する農村を検討する際には、やはり工場があるとか、市場である、ソリューションに結び付く、といったことが優先されると思う。ただこのセミナーやモニターツアーを通じて、福島県の熱意は本物だと思った。こうした熱意が重要だと思う。
・企業の研修などでは、職種によっていろいろ目的が違う。いろいろな分野で研修プログラムをたくさん作っていただくことで、福島県や三春町がモデルになっていくことを期待している。

猿谷氏

〇株式会社フォレストハーモニー 猿谷 清吾 氏

・日本IBM時代からずっと人材育成の仕事をしている。今回は霊山のモニターツア―に参加した。印象に残っているのはリンゴ園での収穫体験である。非常に興味深かった。また霊山太鼓も演奏者によって音が違うのが面白かった。
・農村ではちょっとしたことが都会とは違う。その違いが面白い。その力というか影響力を人材教育や人間の成長に生かせないかと考えている。その延長上で、リーダー研修として「里山のリトリート」というプログラムを考えている。
・農村と都市では価値観が違う。その価値観の違いに気づくことは興味深いことだ。
またそれを価値あることと思えば、相互の交流は進むと思う。ただしその時に福島が選ばれるかどうかは別な話だ。なんでもいいので結果らしきものを出すことが重要だ。
・都会で考えていることと各農村で考えていることは違う。この違いというのはものすごい魅力だ。違いの背景が分かると、いろいろなことが持ち帰れると思う。

茂木氏

〇中小企業診断士  茂木君之氏(逢瀬いなか体験交流協議会事務局)

・今回のモニターツアーでは、飲食店組合の方々に来てもらったので、味噌づくりをプログラムに加えた。できた味噌をそれぞれの店で使用して、売り物にできると喜ばれた。
・今回のツアーが縁で、ふじみ野市のイベントに招待された。野菜の直売会もできるとのこと。飲食店への野菜販売をはじめ、交流の幅が広がりそうだ。
・モニターツアーでもそうだが、当初は都会の人たちを受け入れることにしり込みをしていたが、実際に受け入れて交流してみると地元の人たちは喜んでいる。地域が元気になったようだ。
・もちろん負担も感じている部分もあり、しっかり経済効果を生み出していくことが必要だと思う。
・何事もそうだが、やはり行くことで分かることは多い。だからぜひ一度は福島県に来てほしい。特に逢瀬町が一番のおすすめだ。

高野氏

〇NPO法人りょうぜん里山がっこう 代表理事 高野 金助氏

・モニタツアーでは霊山の「食」を中心に、暮らし方や農業体験を交えたプログラムを行った。地域の「食イベント(大石食べもの博)」に参加してもらう形で、農産物と食文化を発信し、好評だった。
・中山間地域の農村の暮らし方、それから文化、あとは食の新鮮さなどのありのままの姿をおいでいただいた方に伝えることを心がけた。相互理解ということだ。
・交流の中で荒れていた農地が再生され、農場が開設され、おいでいただいて作られたものが、皆さんの日々の暮らしに何かしらの形になっていくとよいと思う。届いた野菜などを社員の皆さんが食べることで、あそこでこんな楽しい思いをしたよね、というようなことを話す関係ができるとよい。
・人的なネットワークをしっかりと作っていくのかが、大きな鍵を握っているのだろうと思っている。
・霊山町は春夏秋冬がはっきりしている地域だ。夜は限りなく漆黒の闇で、満天の星が頭上にある。そういう地域が農山地域だ。非日常の感動をぜひ味わっていただけば、そこから、ウィンウィンの関係が生まれてくる。ぜひ一度おいでいただきたい。

石川氏

〇福島県農都交流アドバイザー  石川 智康 氏

・都会から農村への人の流れを作るのが「農都交流」だ。
・農村の持っている力は大きい。企業の人材育成に活用できる。
・農都交流とは観光ではなく、お互いの顔が見える交流だ。そして重要なのは、人と人の結びつきであり、相互理解だ。
・農村と企業が相互理解の、きっかけを作るのはなかなか難しい。まずはモニターツアーのようなもので接点をひろげていくことが必要だろう。
・地域の側にはコーディネートする人材が必要だ。そう簡単に見つかるものではないが、必要で育てるしかない。

〇結城氏のコメント

・とても刺激を受けた。「農山漁村をより良くするためには」と現場で考えてきた。
 今まで企業という存在は自分が考える地域づくりと関係なく、遠くのほうにあったが、今日のお話から、企業の人たちの力やこだわりや、いろいろなものが出てくると、もう一つ大きな可能性があるのではないかと感じた。ただ交流を進める上で主体は農村側にないといけない。その意味で人材が重要だ。

ポスターセッションと地域のおもてなし

  
交流会の様子 今年度のモデル地区から活動の様子や特産物の紹介などのポスターセッションと意見交換会が行われました。
 意見交換会は、地域の特産物の情報などについて、終了時間ぎりぎりまで熱心に行われ、大いに盛り上がりました。最後にくじ引きを行い、当選された方は各地域の特産物が詰め合わされた豪華景品を、そして来場者全員には地域の産品をお持ち帰りいただきました。

○企業の皆さん、福島県の農村をフィールドとして、各種研修、CSR活動、福利厚生プログラムなどを実施しませんか!

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