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【ろうどうコラム】会長就任にあたって

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月15日更新

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H24.7.13  会長就任にあたって

労働委員会 会長 新開 文雄     

 私は、平成16年6月に公益委員に任命され、この度の改選により会長に選任されました。労働法はもともと興味を持っていた分野で、司法試験においても選択科目として選択しており、弁護士登録後も県の特別労働相談員として労働相談を常時担当していたことから、公益委員に任命されたときには不安感というより興味のあることを第三者の立場で本格的に勉強することが出来るという気持ちが強くありました。そして、この8年間の公益委員としての活動(事件処理)を通じて感じたことを述べて会長就任にあたっての挨拶とします。

 労働委員会の扱う事件は、審査事件、調整事件、個別労使関係事件の3つに大別されますが、私が最初に担当した事件は委員になって約1年経過後の調整事件(あっせん)でした。この事件は、午後3時からあっせんを開始しましたが、当事者の主張が全く噛み合わず、ただ時間が経過するだけでこのままあっせんを続けても合意するのは不可能だろうと思っていたところ、午後10時過ぎの使用者側のちょっとした一言で事件が急展開し、12時をちょっと回ったところであっせんが成立しました。このときの関係者(労使の参与委員、事務局)の満足感・高揚感・安堵感が今でも忘れられません。また、私自身も満足感等とともに、事件処理を通じて継続的な労使関係の安定のためには「100かゼロか」の解決より和解により争いを終了させるのがいかに大事かを学びました。

 審査事件については審査委員長としていままでに4件担当しています。このなかでは、1番はじめに担当したタクシー会社の事件が強く印象に残っています。この事件は、会社側には弁護士が代理人としてつきましたが、組合・組合員側には弁護士が代理人としてつかず、争点整理に大変苦労しました。また、審問段階でも、予定していた証人が欠席したにもかかわらず組合・組合員側が当日の手続続行を求めたことにより会場が混乱しかけて、審問指揮の難しさを実感しました。この事件では、調査、審問の各段階で和解の打診をしましたが、今までの労使紛争の経緯から労使間に信頼関係が全く醸成されず、いずれも労使双方から拒否され命令交付に至り、和解の難しさを感じました。なお、この事件は使用者側から中央労働委員会に対して再審査の申立がありましたが、基本的に当委員会の結論が維持され、確定しました。

 個別労使関係事件については、平成23年度の別調整事件の申立は4件、相談事項数は165件です。個別調整事件の申立数及び相談事項数については、ニーズが高いことから知事部局(商工労働部雇用労政課)との連携、さらには福島労働局との連携を通じて事件処理件数等を増加することは可能だと思います。また、連携を通じて、相談のたらい回しを解消し、迅速な問題解決を図ることも可能となります。さらに、労働委員会は集団的労使関係(上記の審査事件、調整事件)だけを処理する委員会と思っている県民が多いことからこの点に関する周知ももっとする必要があると感じています。相談事項については、職場の人間関係(セクハラ・パワハラ・いじめ等)についての相談が年々増加していることから(現在でも約1割ある)、研修会等を開催してこれらの相談に対する対応能力を強化する必要があります。

 春季と秋季に開催されるブロック会議の方式が、去年の秋季から分科会方式となり、各委員の積極的参加と質の向上を図るようになりました。これは、労働委員会の対内的な活性化のひとつのやり方だと思われます。既に述べた対外的な活性化策と合わせて労働委員会を活性化させ、労使を含めた県民のための労働委員会にすべく努力したいと考えていますので宜しくお願いいたします。

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