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【ろうどうコラム】最近読んだ本について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月15日更新

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H28.1.19  最近読んだ本について

労働委員会 労働者委員 田母神 正広     
 

 2016年(申年)が明けました。関係各位の皆様に旧年中のご厚情とご指導に感謝申し上げるとともに、今年もよろしくお願い申し上げます。
 2015年もいろんなことがあった1年でしたが、2016年も年明け早々から、世界的に大変重要な出来事が発生しています。イスラム教国のサウジアラビア(スンニ派)とイラン(シーア派)の宗派対立による出来事(事件)からの国交断絶、北朝鮮の核実験(北朝鮮は水爆と発表しているが疑問?)、各地で起きているテロ事件(自爆テロ)と、何とも物騒な年明けとなりました。また、アラブのいざこざといろいろな思惑から原油価格が大幅に下落し、結果として株価を下げていることや、隣国中国の経済発展減速との観測からの通貨(元)の下落など、経済的な流れもこれまでと大きく違った動きをしていると思われてなりません。
 世界中がインターネットで瞬時に繋がる現代においては、昔はかなり過ぎてからしか得られなかった情報がリアルタイムに更新されていきます。世界中のあらゆる出来事にそれぞれの国の政治・経済・産業・国民が反応していく様は、正にグローバル化した世界を映しだしています。第二次世界大戦から70年、人類は過去の反省から、戦争をなくす取り組みをしてきたはずですが、政治・経済に息づまると必ず争い事をはじめようとします。何とも、70年前の悲惨な戦争のことなど忘れてしまったかのようで残念でなりません。
 さて、前置きはこのぐらいにして、今回のコラムに何を寄せるか考えましたが、あまり良い考えが浮かばなかったので、最近、私が読んだ本(単行本を含む)を紹介したいと思います。少年時代から読書感想文が苦手な私でしたので、内容構成の拙さは贔屓目で見ていただければ幸いです。
 まず最初にご紹介するのは、最近読んだ著書「里海資本論(著者:井上恭介)」です。前に(1年以上前)、「里山資本主義(著者:藻谷浩介)」を読んで、日本の荒廃した里山を再生させることで、木材の活用と地域産物の循環を通じた取り組みにより地域が活性化して循環型経済社会を構築できるとした本を読みました。今回はその続編的な本で、舞台は瀬戸内海を中心とした里海を復活させる取り組み事例などを取材して、学んだ話を中心に構成しています。瀬戸内海は、日本の高度経済成長に伴い、重工業を中心とした企業が多数立地するとともに、多くの人が沿岸部で生活するようになり、その工業排水・生活排水が瀬戸内海の環境を悪くし、富栄養化した瀬戸内海では赤潮が頻繁に発生するようになりました。そして瀬戸内海で獲れる魚貝が激減しました。
 そのことに危機感を持った瀬戸内の小さな漁村:日生(ひなせ)の漁師が立ち上がり、里海を再生させるためアマモという海藻を海底に植え付け環境を良くする取り組みを始めたことや、海を浄化するため牡蠣の養殖に取り組んだ結果、現在は、赤潮の発生がほとんど見られなくなるとともに、獲れる魚貝の量と質が格段に向上したことなどが紹介されています。
 また、私は知りませんでしたが、「SATOUMI」という言葉が世界的にも認知されるようになり、世界中で沿岸部の汚染や富栄養化による影響が大きくなっており、その対策を勉強するために世界のあちこちから視察や研修に来るということだそうです。島国日本は、海に囲まれ、海とともに生き、海の恵みを生活に活かし代々生活してきたはずですが、いつの頃からか経済的合理性を優先し、循環型の環境(子孫に引き継ぐべき環境)を維持していくことを置き去りにしてしまったので、再び取り組むことにより環境は改善していくというような内容になっております。
 次にご紹介するのは、「追いかけるな、大人の流儀5(著者:伊集院静)」です。これまでも、第1弾「大人の流儀」、第2弾「続・大人の流儀」、第3弾「別れる力、大人の流儀3」、第4弾「許す力、大人の流儀4」と発刊されており、その第5弾ということになっています。まだまだ未熟者である私は、「大人というのは物事をどのように考え、どのように行動することを求められるのか?」という素朴な疑問から著作を手に取りました。
 この書籍は今後もシリーズとして続くかもしれませんが、現代社会において、親族・友人・知人・隣人・同僚などに対し、どのように接していくべきなのかということを指導するのではなく、「伊集院静」という人間はこのように想い、このように考えるというような内容でした。これを読んだから一足飛びに大人になるということではありませんが、物事の判断・考え方・接し方について、少し自分なりに解釈し、俗世間から、あの人は「大人だなぁ・大人の対応をするなぁ」などと言われるようになってみたいものです。
 特に、第3弾「別れる力」、第4弾「許す力」、第5弾「追いかけるな」は私の人生観に少なからず影響しているのではと思えます。
 近年、読書離れといわれていますが、何かと忙しい中に自分の時間を見つけ、読書(活字にふれる)することは、物事を立ち止まって考え、あらゆる角度から考えを総合的に判断していくためにも重要なのではと思っています。そして、出来得るならば本当に心の豊かな人生を送りたいものです。

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