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個別Q&A1-(2)試用期間

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月31日更新
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試用期間

質問

 A社への採用が決まりましたが、会社から「入社してから6か月間は試用期間です。」と言われました。
 試用期間中の社員と正社員の労働条件に違いはありますか。

答え

 試用期間中であっても正社員との労働条件の違いは原則としてありません。

解説

●試用期間とは
 
試用期間とは、労働者を採用する場合に、通常1か月から6か月の間、基礎的な教育訓練を行うとともに労働者の職務遂行能力や適格性を判断するために設けられる期間をいいます。


●解約権留保付労働契約
 
試用期間中は、その期間に使用者が労働者の適性を評価・判断して、労働契約を解約する権利を留保した状態で雇用している「解約権留保付労働契約」が成立していると解されています。ただし、会社との間に労働契約が成立しているという点では、本採用後の労働者と変わりはありません。


●試用期間中の労働条件
 労働条件に関しては、労働契約や就業規則等に定めがある場合を除いて、試用期間中の者の賃金を本採用後の労働者よりも低額にすることはできず、その他の労働条件についても、本採用後の労働者と同等に扱われます。


●試用期間中の解雇
 
試用期間中の解雇に関しては、通常の解雇と同様、解雇理由に客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と是認することができるものに限られます。
 また、試用期間中の労働者であっても、雇用した日から14日を超えて引き続き勤務していれば、使用者は労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前に予告をしなければなりません。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。


●試用期間満了時の解雇(本採用の拒否)
 
試用期間満了時に留保されていた解約権を行使し労働者を辞めさせる場合(本採用の拒否)も解雇にあたるとされます。
 判例では通常の解雇とは全く同一とは見なされず、解雇の事由は広く認められていますが、解約権を留保した趣旨・目的に照らして客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として是認されうる場合でなければ許されないとされています。つまり、客観的に合理的な理由が無く、社会通念上の相当性がないのに、試用期間満了後に本採用を拒否された場合は、解雇権の濫用として、それが無効となる可能性があります。

 

 

 

 

 

参考

○ 三菱樹脂事件(最高裁大法廷判決昭和48.12.12 民集27巻11号)

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