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個別Q&A2-(3)労使慣行に基づく退職金の支給

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年2月18日更新
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労使慣行に基づく退職金の支給

質問

 私は今月末で定年退職となる予定です。就業規則に規定はありませんが、労使慣行によりこれまで退職した全ての職員に退職金が支給されていました。ところが、社長から「今後、退職金は支給しない」と言われましたが、退職金は支払われないのでしょうか。

答え

  支払われる可能性があります。

解説

 就業規則や労働協約に定めが無い場合でも、労使慣行として退職金が支払われてきた場合は支払われる可能性があります。

●労使慣行とは
 労使慣行とは、労働協約や就業規則に基づかない労働条件や職場規律等に関する労使間の事実上のルールです。
 労働契約の内容を補充する効果や労働協約や就業規則の不明確な規定を解釈するための基準や、具体的な運用基準としての効果などを持つとされています。

●労使慣行の成立要件
 労使慣行として、労使間における事実上のルールが運用基準としての効果を持つためには、
 (1) 同種の行為または事実が長期間反復継続されていること
 (2) 当事者双方が異議なくこれを受け入れていること
 (3) 当該労働条件に関し、決定権限を有する者が規範意識を有していること
の3つの要件を充たす必要があるとされており、さらにこの要件を満たしているか否かは「諸般の事情を総合的に考慮して決定すべきもの」とされています。

 

 

 

 

 

参考判例

○商大八戸ノ里ドライビングスクール事件(最一小判平成7.3.9 労判679号)
○ソニー・ソニーマグネプロダクツ事件(東京地判昭和58.2.24 労判405号)

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