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個別Q&A4-(3)賃金からの控除

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月18日更新
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賃金からの控除

質問

 ある会社に採用が決まり、自宅から通勤できないため、社宅を借りることになりました。
 社宅費用については、賃金から控除すると言われたのですが、会社は労働者の同意なく一方的に賃金から社宅費用を控除できるのでしょうか。

答え

 原則として、会社は一方的に社宅費用を賃金から控除することはできません。

解説

●全額払いの原則

 使用者は労働に対して約束した賃金の全額を支払わなければならず、賃金からの控除は原則として許されません(労働基準法第24条第1項本文)。

●全額払いの原則の例外

 以下の場合には、賃金の一部を控除することが認められています(労働基準法第24条第1項但書)。 
 1 法令により別段の定めがある場合
 (1)所得税(所得税法)
 (2)社会保険料(厚生年金保険法、健康保険法等)
 (3)労働保険料(労働保険徴収法)       など
  
 2 裁判所からの仮差押え、差押え等の法的手続きがなされた場合
   
 3 労使協定を結んだ場合(労働者の過半数が加入している労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で賃金控除協定を締結した場合) 
 (1)物品等の購入代金
 (2)社宅・寮その他の福利厚生施設の利用代金
 (3)住宅等融資返済金
 (4)財形貯蓄金(勤労者財産形成促進法に基づき、事業主が労働者に代わって金融機関等へ払込むことができる)
 (5)組合費            など
  なお、労使協定を結んだ場合でも、実際に賃金から控除するためには、労使協定に加えて対象となる労働者からの同意を得る、または就業規則等に根拠規定を設ける必要があります。 

 

 

 

 

 

●控除額の上限

 民法や民事執行法の規定により、賃金の4分の3(その額が33万円を超える場合は33万円)に相当する部分については、使用者側からは控除することはできません(民法第510条、民事執行法第152条)。つまり、控除額の上限は4分の1までとされています。

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