ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 労働委員会事務局 > 個別Q&A7-(4)割増賃金の定額支給

個別Q&A7-(4)割増賃金の定額支給

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年5月1日更新
Q&Aのトップに戻る


割増賃金の定額支給

質問

 私が勤務している会社では、実際の時間外労働の有無にかかわらず、固定残業代として毎月20時間分の割増賃金が支給されています。
 固定残業代が支払われている場合、実際の時間外労働が20時間を超えても、会社はその分の割増賃金を支払わなくてもよいのでしょうか。

答え

 会社は固定残業代(20時間分)を超えた分の割増賃金を支払わなければなりません。

解説

1.時間外労働と割増賃金

 法定労働時間(原則として1日8時間又は週40時間)を超える労働のことを時間外労働と言います。(労働基準法第32条)
 使用者は、時間外労働に対して割増賃金を支払う義務があります(労働基準法第37条)。

 時間外労働・休日労働等の割増率は次のとおりです。

時間外労働・休日労働等の割増率
種類 支払い条件 割増率
時間外労働

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時

25%以上
時間外労働が1ヶ月60時間を超えた時
(注)時間外労働の算定には、法定休日労働は含まれません。
50%以上
休日労働

法定休日(週1日)に勤務させた時

35%以上
深夜労働 夜10時から翌朝5時までの間に勤務させた時 25%以上

【例示】月60時間を超える時間外労働を深夜(22:00~5:00)の時間帯に行わせる場合、
    深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%となります。

※中小企業においても、令和5年4月1日から、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が25%から50%へ引き上げられました。

※代替休暇とは
 月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の健康を確保するため、引き上げ分の割増賃金の支払いの代わりに有給の休暇(代替休暇)を付与することができます。

 

2.割増賃金の定額支給とその要件

 割増賃金は必ずしも労働基準法で定められた方法で算定する必要はなく、法定の割増賃金額を下回らない限り、定額の手当として支払うこともできます。定額で支払われる割増賃金は、一般に「固定残業代」、「定額時間外手当」などと呼ばれています。
 適法に割増賃金の定額支給を行うためには、就業規則や労働契約に明確に定める必要があります。
 また、割増賃金を定額で支給する場合は、次の2つの要件を満たす必要があります。
(1)支給額が労働基準法で定める計算方法による割増賃金額を下回らないこと
(2)通常の労働時間の賃金部分と割増賃金部分が明確に区分されていること

3.定額支給分を超える時間外労働の割増賃金

 割増賃金の定額支給は、一定の割増賃金を支払えばそれ以上の割増賃金を支払う必要がなくなるものではなく、労働者が定額支給の時間分を超えて時間外労働をした場合、使用者はその超えた時間分の割増賃金を支払わなければなりません。
 たとえば、固定残業代として20時間分の割増賃金が支給されている場合、30時間の時間外労働をした月については、使用者は20時間分との差(10時間分)の割増賃金を支払わなければなりません。

4.割増賃金を定額支給する場合の明示

 使用者は、募集要項や求人票に次の3つの事項を明示しなければなりません。(「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者の供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」第三-(三)-ハ)
(1)定額支給する割増賃金を除いた基本給の額
(2)定額支給する割増賃金に関する労働時間数と金額等の計算方法
(3)定額支給する割増賃金分の労働時間を超える時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して割増賃金を追加で支払うこと

(参考)   

労働時間の管理

 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者は、労働時間を適正に把握する責務があることから、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録する必要があるとされています。 

判例

○小里機材事件(最一小判昭和63.7.14 労判523号)
○関西ソニー販売事件(大阪地裁判決昭和63.10.26 労判530号)
 

 

 

 
 

ページの上部に戻る