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個別Q&A7-(6)事業場外労働のみなし労働時間制

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年3月29日更新
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事業場外労働のみなし労働時間制

質問

 私は会社で営業を担当しています。業務は外回りが多いのですが、携帯電話を持たされて、訪問先到着や帰社時間などの定期的な報告を義務づけられ、必要に応じて会社からの指示があります。
 会社から、「みなし労働時間制」を適用したいとの話がありましたが、適用されるのでしょうか。

答え

 会社の具体的な指揮監督が及ぶ場合は、みなし労働時間制は適用されません。

解説

1.事業場外労働のみなし労働時間制とは

 労働基準法では、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたいときは、所定労働時間労働したものとみなすとされています(同法第38条の2第1項)。
 事業場外労働のみなし労働時間制とは、外回りの営業職など事業場外で業務に従事している者で、厳密な労働時間の把握が困難な場合には、実際に働いた時間に関わらず、就業規則等で定められた就業時間(所定労働時間)を労働したものとみなす扱いのことです。

2.事業場外労働のみなし労働時間制の要件

 みなし労働時間制が適用されるためには、
 (1)労働時間の全部又は一部を事業場外で労働していること。
 (2)使用者の指揮監督が及ばす、労働時間を算定することが困難であること。
の要件が必要です。
 したがって、質問のように事業場外で労働した場合であっても、使用者の具体的な指揮監督が及ぶ場合には、労働時間の算定が可能であり、みなし労働時間制の適用にはなりません。

3.事業場外労働のみなし労働時間制の適用外

 次のような場合には適用がないとされています。
 (1)何人かのグループで事業場外の業務に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
 (2)事業場外で労働する場合、無線や携帯電話等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
 (3)事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに労働し、その後事業場に戻る場合

4.所定労働時間を超えて労働することが通常必要となる場合

 業務を遂行するために所定労働時間を超えて労働せざるを得ない業務の場合は、当該業務の遂行に通常必要な時間労働したものとみなします(労働基準法第38条の2第1項ただし書)。
 通常必要な時間とは、平均的、客観的にみて必要とされる時間を言います。この場合、所定労働時間を超えた時間に対しては残業代が払われます。
 また、所定労働時間を超えて労働することが通常必要となる場合において、超過時間のうち法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える部分については、割増賃金の支払いが生じ、法定時間外労働を行わせるには時間外労働・休日労働に関する協定の締結・届出が必要です。

判例

○ 光和商事事件(大阪地裁平成14.7.19 労判833号)

 

 

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