ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 労働委員会事務局 > 集団Q&A4-(1)労働協約

集団Q&A4-(1)労働協約

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月28日更新
Q&Aのトップに戻る

 

労働協約

質問

 当社に新たに労働組合が結成され、団体交渉の結果、定期昇給について労働組合と妥結しました。
 労働組合から合意内容について、労働協約の締結を求められましたが、従業員とはこれまで大きなトラブルもなく、協約の締結までは必要ないと考えておりますが、締結しなければならないのでしょうか。

答え

 当事者間の合意内容を明確にし、後々の紛争を回避するために、労働協約の締結は必要です。
 使用者が、団体交渉で合意が成立しているにもかかわらず、労働協約の締結を拒否することに合理的な理由はなく、不当労働行為にあたる可能性があります。

解説

 合意事項についての労働協約の締結を拒否したことは、「正当な理由なくして組合と団体交渉を拒否し、その結果として、会社内での組合の結成・存在を認めず、組合の運営に支配介入したもので、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為である」とした労働委員会命令があります。

1 労働協約

 労働協約とは、労働組合と使用者の間で、労働条件や労働者の待遇、労使間のルール(団体交渉の手続きなど)などについて合意した内容をまとめ、書面で作成したものをいい、両当事者が署名するか記名押印することにより効力が生じます(労働組合法第14条)。
 判例では、「労働協約は複雑な交渉過程を経て団体交渉が最終的に妥結した事項につき締結されるものであることから、口頭による合意又は必要な様式を備えない書面による合意のままでは後日合意の有無及びその内容につき紛争が生じやすいので、その履行をめぐる不必要な紛争を防止するために、団体交渉が最終的に妥結し労働協約として結実したものであることをその存在形式自体において明示する必要がある」とし、「書面に作成され、かつ、両当事者がこれに署名し又は記名押印しない限り、仮に、労働組合と使用者との間に労働条件その他に関する合意が成立したとしても、これに労働協約としての規範的効力を付与することはできない。」と判示しています。
 なお、必ずしも「労働協約」という名称がついている必要はなく、「協定書」、「確認書」、「覚書」などの名称でも、労働協約になります。

2 労働協約の有効期間

 労働協約の有効期間について、期間の定めをする場合には、3年以内の期間としなければならず、3年を超える有効期間の定めをした労働協約は、3年の有効期間の定めをしたものとみなされます(労働組合法第15条第1項及び第2項)。
 この場合、有効期間の満了とともに労働協約は終了します。なお、期間満了にあたっての合意に基づく更新や延長、あるいは協約上の定めに基づく自動更新も可能です。

判例

〇 鴻池運輸事件(中労委平成14.10.23 別冊中央労働時報1006号)
〇 青森放送事件(青森地判平成5.3.16 労判630号)
〇 都南自動車教習所事件(最三小判平成13.3.13 労判805号)

 

 

 

 

 

 

ページの上部に戻る

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。