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浜通り01(相馬市):相馬を行く!~その1~(ハマナカアイヅ)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月26日更新

 北米・中南米移住者子弟の県内視察に同行するため、福島県の海沿い地区「浜通り」の北に位置する相馬市にやってきた。

 市営狐穴団地「相馬井戸端長屋」は被災した高齢者(独身もしくは夫婦)のために建てられた「復興公営住宅」である。「今後数年間、仮設住宅からの移住」のモデル事業として注目を集めている一方、高齢者の「助け合い」を特化した「共同生活」の理念から、全国の自治体からも見学・取材が殺到している。

 この施設では、12部屋の個室と共同生活スペースが設けられている。広い共同生活スペースによる建設コストの増加を非難する声もあったが、そこには相馬市長の入居者への配慮があった――医者出身の相馬市長は医学の角度から復興公営住宅の設計に深く関わったのだ。

 実際に個室を拝見してみると、最大2人が生活するには十分な空間があり、バリアフリーの玄関やトイレ・お風呂なども完備されており、入居者のための買い物バスも定期的に走っている。ちなみに、この公営住宅の一室に当たる家賃は月1万4000円で、しかも入居する最初の5年間は国の補助で自己負担は四分の一となり、年金生活の被災者にとっては負担を最小限にしたとも言えよう。
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共同生活スペースの一角(1)
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共同生活スペースの一角(2)
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語り部による被災状況の説明
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部屋を見学するメンバーたち

 しかし、こんな優れた施設でも、2つの問題に直面している。

 一つは、施設の建設に必要な資材及び人手の不足だ。 もう一つは、3年近くの仮設住宅の生活でようやくできた「生活コミュニティ」の崩壊の恐れだ――震災を経験した者同士は長い時間をかけて結んだ絆を大切にするからこそ、公営住宅への移住に抵抗を生じる恐れがある。

 この話を聞いて、気持ちはしばらく複雑だった。 「復興」とは、これまで考えていたものより遥かに崇高なものだ。
 インフラ設備の復旧や新設はもちろん、人々の心のケアも復興の一環だ。 

 ――私にできることは、果たしていったい?

<その2>  <その3>  <その4(終わり)>

(投稿者:徐)

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