中通り29(福島市松川町):小さき幸福、大きな感動(ハマナカアイヅ)
四季がはっきりしている国ならではの、季節の情景を彩る風物詩があります。
福島市松川町の土合舘公園では、毎年恒例の「あじさい小路」が6月27日と28日に開催されました。
降り止まぬ小雨のなか、見学を決行しましたが、思いのほか天候と景色がマッチしていました。
福島駅から数えて3つ目の駅、「松川駅」に降ると、古き良き町並みの景色に出くわしました。
あまり目立ちませんが、「あじさい小路」までの案内看板を備えていました。これは嬉しいです!
途中で見かけた可憐な花々を思わず激写しました。
これは、「あじさい小路」への期待が膨らむばかりですね!
土合舘公園は、駅から徒歩20分のところに位置しています。雨天にもかかわらず、多くの観光客で賑っていました。あじさいは雨の中に咲くイメージを持っていますので、雨が降り出すとむしろ好都合だと思います。
画像をご覧ください。アップダウンのある斜面も、ウッドチップで舗装した階段道も、どれもあじさいたちが咲き誇っています。
あじさいには、様々な花言葉がありますが、実は日本にも伝わる花言葉があるのです。それは、「家族団らん」や「友情」などと言った花言葉です。
なぜなのかというと、あじさいの花は色鮮やかな部分ではなく、集まっている小さな粒なのです。たくさんの粒が集まっていることから、「家族のような感じ」や「友情」を表しているので、このような花言葉がついたそうですよ!
雨と土とあじさいの匂いが混じり合い、自然の芳香となって私の心を癒してくれました。
私だけでなく、たくさんの生命は、この自然と共存しています。
小一時間の散策でしたが、私にとって至福の時間でもありました。
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公園からの帰路では、意外な出会いがありました。
なんと、大型観光イベント「ふくしまディスティネーションキャンペーン」の最終日にあわせて、SL(蒸気機関車)の「D51」が福島駅⇔郡山駅の区間を運行することになってたのです!
沿線の自治体は、「SLに手を振ろう」という活動を行い、松川町もひとつの会場になっていました。私は、偶然にも当日、現場に居合わせたわけです。
SLの通過まで1時間以上があるにもかかわらず、町の住民たちが続々と踏切付近に集まってきました。地元の有志たちが列車の通過に合わせて、のぼりや横幕を揚げるなど、着々と準備を進めました。
子供たちも負けじと、手作りの看板で一生懸命リハーサルしていました。
私も住民たちと一緒に土手に立って、歓迎の列を作ることにしました。
やがて汽笛の音が聞こえました。ほどなくして、黒煙をあげてパワフルに線路を駆け抜けるSLが見えてきました。
直前まで自分がその場にいることについて、どこか恥ずかしく感じた自分ですが、汽笛の音が聞こえると、思わず両手を挙げて大きく振りかざしていました。
頭の中は何も考えていません。ええ、本当に、本能ともいうべきでしょうか。ただただ、SLが通り過ぎる時間を精一杯に、見守りたいだけです。
遠目ではありますが、SLの乗客たちが車窓越しに手を振ってくれるのが見えました。なんだか目頭が熱くなりました。純粋な感動ゆえに、この場に居合わせたすべての人たちの思いはひとつになりました。
「ふくしまに来てくれて、ありがとう。」
「ふくしまでおもてなしをしてくれて、ありがとう。」と。
この瞬間、私は2つの「ありがとう」を実感しました。
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とある初夏の午後に、私は小さな幸せと大きな感動に包まれました。
どうか、この文章をご覧になった皆さんにも、幸せと感動の連続が訪れますように。
(投稿者:徐)