事業紹介

技術支援

 ハイテクプラザでは企業・事業主の皆様の研究開発に、さまざまな形でお力になります。新規商品の開発をしたい、公的予算を獲得して大規模に研究を行いたいなど、新しいチャレンジをお考えの際はぜひハイテクプラザをご活用ください。

産業廃棄物減量化・再資源化技術支援事業

 本事業は、産廃税を財源とし、県内企業様等とハイテクプラザが共同で、産業廃棄物を減量化、あるいは再資源化するための技術開発を行うものです。

実施事例:酸化セリウム系ガラス研磨材のリサイクル

 酸化セリウム系ガラス研磨材は、レンズやプリズムなどの光学ガラス、液晶ガラス、ガラス製ハードディスクなどの仕上げ研磨に広く使用されていますが、研磨後の廃棄物が水を多く含み、廃棄コストが嵩むことが問題となっています。またこの研磨材はレアアース製品の一つで、世界的な供給不足により2、3年前と比べて5~6倍にまで値上がりしています。

 ハイテクプラザでは、「研磨廃棄物からの再生研磨材の回収・再利用」と「研磨廃棄物からのランタン、セリウムなどのレアアース元素の抽出」を目的に福島大学様、株式会社オプトネクサス様、株式会社アサカ理研様、他1社様と共同で平成19~21年の3年間「酸化セリウム系ガラス研磨材のリサイクル」の研究を行いました。

 ハイテクプラザ、オプトネクサス様および福島大学様では、「再生研磨材の回収・再利用」に取り組み、「自然沈降法による再生研磨材の回収」を提案いたしました。現在は本事業で開発した「研磨材沈降装置」をオプトネクサス様に設置して実証試験を行っており、研磨材使用量削減効果が認められています。またその他にも数社の企業様に本プロセスの導入をご検討いただいているところです。詳細は、以下の報告書をご覧ください。

「酸化セリウム系ガラス研磨材のリサイクルに関する研究」

公募型新事業創出プロジェクト研究事業

 ハイテクプラザを中核に大学および企業と共同で新たな事業創出のための研究を行う事業です。その成果を企業へ普及させ、技術移転をはかり地域経済の活性化を図ります。

実施事例:窒素固溶によるステンレス鋼の高機能化に関する研究開発

 近年、ニッケルアレルギー問題や省資源化、ニッケル価格の高騰によるニッケルを含むステンレス鋼(オーステナイト系ステンレス鋼)の価格上昇などから、ニッケルを含まない高強度、高耐食性ステンレス鋼製品の開発が求められています。ニッケルを含まないステンレス鋼としてはフェライト系ステンレス鋼がありますが、強度や耐食性が十分ではありません。

 そこで、ハイテクプラザでは、ニッケルの代わりに窒素を添加した高窒素ステンレス鋼製品を開発するため、宮城工業高等専門学校様(現・仙台高等専門学校様)、トミー株式会社様、林精器製造株式会社様、他1社様と共同で研究開発を行いました。

 ハイテクプラザと宮城工業高等専門学校様では、加圧窒素雰囲気中で熱処理を行う加圧窒素吸収処理法により、フェライト系ステンレス鋼製の圧延材や焼結部品について、材料の成分系や熱処理条件の最適化および窒素吸収処理後の組織変化などの基礎研究を行いました。参画企業は腕時計ケース(林精器製造株式会社様)、歯列矯正器具(トミー株式会社様)などの製品への応用研究を行い、各社で高耐食性を有する高窒素ステンレス鋼製の試作品を開発することができました。

地域連携軸形成事業(福島、山形、新潟三県公設試験研究機関共同研究事業)

 福島、山形、新潟の三県の公設試験研究機関が連携し、研究開発等の情報交換や、共通の技術課題に関する共同研究を通じ、三県の産業技術の高度化を図る事業です。平成18年度からは、三県の工業系と農林系の試験研究機関が連携し、各県の特産物を利用したふるさとブランド機能性食品の開発に関する横断的な共同研究に取り組み、地域経済の活性化、県産品振興、地産地消推進を図りました。

「地域特産資源を活用したふるさとブランド機能性食品の開発」

 近年、食育の普及推進やメタボ対策のための特定健康診断の開始など、「健康」への意識がより高まってきております。そしてこれらのニーズに応えるため、各企業においては健康増進を目的とした食品開発が盛んに行われるようになりました。これらの状況を踏まえ、福島県、山形県、新潟県の3県では「地域特産物」と「機能性食品」に着目し、共通テーマ「地域特産資源を活用したふるさとブランド機能性食品の開発」を掲げ、研究開発に取り組みました。

 ハイテクプラザでは、農業総合センターと共同して「県産果実類(ベリー類)を利活用した機能性食品の開発」に取り組みました。県内で採取されたベリー類果実42種のアントシアニンの含量と組成を明らかにし、最も含量の高かったナツハゼ果実を用いて、機能性成分や味覚の面で高品質な果汁・ピューレ・粉体・乾燥・ポリフェノールの各素材を開発しました。また、それらの素材を用いてハーブティーやキャンディーなど12種類の食品を試作し、ナツハゼティー、ナツハゼキャンディーなど、その一部が商品化されました。6月には研究発表会も行い、食品加工業を中心にたくさんの方にご来場いただきました。


「ナツハゼティー」

「ナツハゼキャンディー」

地域活性化共同研究開発事業

 県内中小企業が共通に直面している技術課題に対して、ハイテクプラザを中核に企業と共同で研究開発を行う事業です。広くその研究成果を県内企業に移転し、新技術や新製品の開発を促進いたします。

実施事例:組込み応用製品の高機能化・高信頼性化に関する研究

 工業製品を作る産業機械には、必ずと言っていいほど小さなコンピュータが組込まれています。このように小さなコンピュータを備えた機器を組込み製品といいますが、組込み製品製造の分野では、慢性的に組込み技術者が不足しており、容易に製品の高機能化・高信頼性化の要求に応えることができないのが現状です。また、効率的な開発ができない、あるいは製品の構成部品が製造中止になり、保守ができないといった問題を抱える企業も多数あります。そこで、これらの問題を解決するために、プラットフォームといわれる組込み製品開発専用の電子基板、基本ソフト、開発環境を導入・構築しました。

 このプラットフォームを、産業機械の例として業務用プリンタ(株式会社アイ・イーエス様)および自動巻線機(田中精機株式会社様)へ適用した結果、高機能化、高信頼性化および保守性を向上させることが可能となりました。詳細は こちら ( pdf形式・6.6 MB )。


「業務用プリンタ」

「自動巻き線機」

実施事例:精密機器のための微細溶接技術による応用製品の開発

 最近、半導体製造、医療関連をはじめとした精密機器製品に板厚0.5mm以下の極薄金属板が多く用いられるようになり、溶接に対する要望も高まっていました。しかし、極薄金属板の溶接は欠陥や変形が出やすいため、主な高品位溶接技術であるTIG法でも接合できないことが多く、難易度の高い技術でした。そこで、ハイテクプラザが基礎的な溶接技術について検討し、企業がその技術を応用した製品開発を行いました。

 ハイテクプラザは、ランニングコストに優れるマイクロプラズマアーク溶接法や、設計・製作した専用の治工具を用いて実験しました。企業はCAEによる溶接部形成の予測(有限会社遠藤電子様)、溶接ベローズ(大野ベロー工業株式会社様)や半導体製造関連機器の開発(株式会社ピュアロンジャパン様)を行いました。これらの取り組みによって、真空バルブの高い機密性が要求される部位に用いるベローズバルブの重要な部品である「溶接ベローズ」とパッキンのように使用して構造を簡略にできる「高純度ガス用フィルター」(商品名:"ハイブリッドフィルター"として株式会社ピュアロンジャパン様から販売)が開発できました。


「溶接ベローズ」

「ハイブリッドフィルター」

公募型ものづくり短期研究開発事業

 企業様が抱えておられる問題・課題、開発途上もしくは生産活動においてネックとなっている問題・課題に対し、ハイテクプラザが総力を挙げて研究開発を行い、短期間で成果をお出しいたします。得られた成果(解決策)は、直ちに技術支援等により企業様へ移転し、速やかな企業活動のブレークスルーをお約束する事業です。勿論、費用はかかりません。また、随時募集をしております。これまで約100件の研究開発を行い、お申込みいただいた企業様からは大変喜ばれ、製品化に至った案件も少なくありません。社内で問題等をお抱えの際は、お気軽にご相談下さい。

実施事例:蜂蜜酒「ミード」における製造管理技術の確立

 蜂蜜を発酵させた蜂蜜酒「ミード」はワインやビールと同様に古代からヨーロッパを中心に愛飲されています。ミードは、蜂蜜を水で希釈し、酵母を接種して発酵させる方法がとられていますが、蜂蜜のみを原料として発酵させることは難しく、酵母が栄養不足に陥り、アルコール分が3%程度で発酵が停止してしまいます。そのため通常、麦芽や穀類、果汁等を添加して発酵させる方法がとられますが、蜂蜜本来の香味が消失されてしまう問題があり、蜂蜜のみを原料とする詳しい製造管理技術は確立されていません。そこでこの研究では会津ブランドの自然食品としてミードの特産商品化を目指し、国産蜂蜜である奥会津特産「栃の木蜂蜜」のみを原料とした場合でも、健全な発酵経過により市販酒と同等の11%程度までアルコールを生成させ、さらに蜂蜜本来の香味を有したミード製造技術について検討を行いました。その結果、より高品質なミード製造が可能となり、新商品の開発に成功しました。

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  • ふくしま医療機器開発支援センター

福島県ハイテクプラザの機器整備事業には、(公財)JKAの補助金が使われています。

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