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知事記者会見 平成29年4月24日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年4月26日更新

知事定例記者会見

■日時 平成29年4月24日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【質問事項】
1 選挙区の区割りについて
2 浪江町議選について
3 原発事故被災地の地方自治について
4 避難者の住まいの確保状況について
5 定住・二地域居住について
6 インバウンドについて

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【質問事項】

1 選挙区の区割りについて

【記者】
 先週、政府の審議会で衆議院選挙区の区割りについて、福島県は3区にある西郷村を4区に編入することで総理大臣に勧告しました。おそらく福島県からも意見を出していたと思いますが、十分に受け入れられたと考えていらっしゃるでしょうか。実際、西郷村の佐藤村長は、戸惑いを隠せないという感じですが、その受け止めや、今後、県としてどのように対応していくのか、考えを伺います。

【知事】
 審議会に対しては、昨年の11月に、福島県の地勢や生活圏、経済圏などの地域特性等を十分考慮した上で、慎重に審議していただきたいという意見を提出したところです。審議会においては、福島県を含めた関係する都道府県から出された意見を踏まえ、区割り改定案の策定方針に基づいて、総合的に勘案して決定されたと受け止めております。西郷村など関係の市町村では、様々な不安の声があります。県としては、特に、西郷村が抱えておられる不安や懸念を受け止めて、西郷村を始めとする県内市町村の振興や活性化に支障が生じることのないよう、国に対して福島県の実情や地方の声を伝えていきたいと考えております。

【記者】
 知事にとりましては、西郷村を4区に編入するというこの結果は、想定の範囲でしょうか。

【知事】
 事前に様々な報道がありました。いずれにしても、私どもの思いは、昨年11月に申し上げた意見のとおりです。今回、この編入に対して、西郷村が様々な不安を持っておられます。そういったことも含め、今後、国に対して、福島県の中でこういう思いがある、意見があるということを伝えていきたいと考えています。

【記者】
 「国に対して伝えていきたい」ということですが、具体的には知事が総務省に行って、文書か何かを渡されるとか、そういうイメージでしょうか。

【知事】
 現在は西郷村等の状況を注視しているところであり、具体的には固まっておりません。今後の検討となります。

【記者】
 区割りと人口減少に絡めてですが、今回0増6減ということで、他県では定数が減っているところもあります。今回対象になっていないところでも、福島も含めて、地方では人口の減少が続いていますので、今後定数が減ることも想定されますが、そうなると都市部からの国会議員しかいなくなってしまうように思いますが、この点はどのようにお考えですか。

【知事】
 衆議院、参議院、日本の国会を支える皆さんがどのような選挙制度で選ばれるかは、日本国の民主主義の根幹です。そういう中で、都市部ももちろん大切ですが、地方部における声をきちんと国会に届け、そして様々な制度設計や予算面での対応をしていくのが極めて重要だと考えます。福島県では数年前、参議院の定数が2名から1名に減りました。それは正に人口減少の結果行われた改正であり、今回の西郷村の区割りの改定もそうですが、人口減少の中で、そのような福島県の声を届ける発言の機会が減ることは、本県の振興や活性化にとって全体としてマイナスだと考えております。知事会において議論しておりますが、参議院、衆議院も含めて、今の選挙制度の在り方や一票の格差の問題は、憲法と関わる問題ですので、この憲法の在り方も含めて、全国知事会として、昨年の夏もかなり議論して一定の提言をしたところです。議論を更に深めて、国に対して、こういった選挙制度があるべきという提言を続けていきたいと思います。そういう中で、一極集中だけではなく、多極分散、地方も都市も共生できる、そのような日本国の形成ができると考えております。

2 浪江町議選について

【記者】
 浪江町議選についてお伺いします。今回、投票率がまた下がりましたが、この状況をどのように見ていますでしょうか。

【知事】
 投票率の向上については、浪江町選挙管理委員会も含め、様々な努力をされていることと思います。一方で、避難生活が6年を超えて続いている現状や、町民の皆さんが各地に分散している状況の中で、中々投票率を上げることが難しいという現状の両方があると思います。様々な選挙で、これは福島県のみならず、全国的に見ても、全体として投票率が下がる傾向にありますが、市町村や県、国も含めて、このような政治への関与については、18歳以上の方へ選挙権が付与されたことも相まって、多くの方に参加していただくことが重要だと思います。今後とも投票率を向上させていくという基本スタンスで、各市町村とも連携しながら、様々な施策を考えていきたいと思います。

【記者】
 知事もおっしゃるように、今回、候補者の皆さんは、有権者がつかまらなくて苦労していたようです。双葉町、大熊町も同じですが、今のように住民が分散している中で行われた、浪江町議選のようなやり方は、今後も地方自治の在り方として機能し続けるものなのでしょうか。

【知事】
 非常に難しいお尋ねだと思います。現在の公職選挙法は、このような原発事故によって避難している状況が長く継続していることを前提にしておりません。したがって、現行制度や現行の対応には一定の限界があると思います。現在の制度の中で、どのような対応が最も良いのか、あるいは浪江町は今、避難指示解除がある程度進み、ふるさとに帰還しようという動きもあり、一方で、まだ避難先にとどまっている、悩んでおられるなど、様々な意見の方がおられますので、どうしたら、そういった方々の声をできる限りくみ取れるのかということを、自治体としてこれからも悩んでいきたいと考えています。

3 原発事故被災地の地方自治について

【記者】
 先ほど浪江町議選について、質問が出ておりましたが、有権者が散らばっていて選挙が難しいということがあり、まだ帰還していない担い手の方もいますし、原発事故の被災地以外の自治体における首長、町議会という伝統的なスタイルは難しいという印象を持っていますが、知事として、どのようにあるべきだと思っていらっしゃるのか、お聞かせください。

【知事】
 とても重要で難しい質問だと思いながら伺っておりました。住民の皆さんがおられて、一定の自治体としての土地があり、その中に選挙で選ばれた首長さんと議会があって成り立つのが地方自治制度の根幹です。私自身は双葉郡、あるいは避難区域12市町村も含めて、この6年間、皆さんと連携して、もう一度、ふるさとに帰還できる施策を展開していこうと、そして帰られるタイミングはそれぞれの世帯によって異なると思いますが、安心して帰られる生活環境をつくって、自治体を再度復興させていきたいという思いで取り組んでおります。ただ、そのプロセスで、選挙制度もそうですし、あるいは皆さんの思いをどう届けるかが従前に比べて難しいという現状があります。現在、避難自治体では、例えばタブレットを各世帯にお配りして、そこでSNSを活用するなどの情報発信をして、通常の自治体ではあり得ないようなきめ細やかさ、丁寧さで情報収集ができているところもありますが、ただ、それも町民全員が関われるかといえば、そうではないと考えております。様々なIT施策等を駆使して、経過措置としての対応をしながらも、依然として歪みが残っているのが、原発事故による避難の結果だと受け止めております。私は、県全体がすぐに避難前の状態に戻るというわけにはいきませんが、できれば自治体を再興して、ある程度の活力を取り戻していくことが理想だと思っております。先般、富岡町の避難指示解除の式典があり、その際は、全体として年配の方がどうしても多い傾向にあるなと感じましたが、昨日、新しい研究棟の開所式に行った際には、町の運動場のグラウンドで野球を楽しんでいる皆さんを見て、4月に避難指示が解除されて生活が戻ってきていることを実感できました。そういうものを取り戻しながら、もう一度自治体を元に戻す、その経過措置として、IT施策も含めて様々な施策を打っていく、今の時点ではこれしかないというのが率直な思いです。

4 避難者の住まいの確保状況について

【記者】
 先ほどの会議で、自主避難者に対する応急仮設住宅の無償提供終了後における住居の確保状況が、3月末時点で示されましたが、県外の避難者の約8割が避難先での生活を希望するという結果になりました。県としては、県内の生活環境がある程度整ったため、無償提供を終了するということでしたが、その8割が避難先での生活を継続するという結果について、どのように受け止めていらっしゃるのかお伺いします。

【知事】
 長い避難生活の中で、避難先で仕事に就かれたり、お子さんが就学し、生徒や児童として学校生活を続けておられるなど、避難先での生活が定着したことによって、避難継続を選択した方が多かったと受け止めております。県としては、今の福島県内の状況を、様々な機会にできるだけお伝えし、また一方で、個々の世帯の御判断も尊重しながら、丁寧に対応を進めていきたいと考えております。

【記者】
 県としては、県外に避難された方に、できれば帰ってきてもらいたいという考えで、今後も施策を続けていくのでしょうか。

【知事】
 二つお答えしたいと思います。一点目は、原発事故によって、避難を余儀なくさせられているという状況ですので、避難世帯や避難者の皆さん、それぞれの意思を尊重することがまず基本です。
 一方、県という広域自治体としては、将来、また帰っていただけるような生活環境、安心して暮らせるような環境をつくっていくことが大事な仕事ですので、安心して帰っていただけるような環境づくりをこれからも進めていく考えです。

5 定住・二地域居住について

【記者】
 定住・二地域居住の推進に向けた動きの中で、今日の午後に、移住コーディネーターを県の7方部に設けるということがプレスリリースされていました。地方創生という意味で、大事な事業だと思いますが、知事の抱負や移住コーディネーターの方々に期待したいことなどをお伺いできればと思います。

【知事】
 現在、定住・二地域居住の施策を推進していく、そこには二つの思いがあります。
 一つは、「危機意識」です。福島県の人口は、他の自治体と比べても極めて急激に減っています。その中で、人口が減ることは県全体の活力が衰えることにつながりますので、できるだけ人口を増やす施策の一つとして、定住・二地域居住の施策を進めていきたいというのが一点です。
 もう一つは、「希望」です。震災と原発事故から6年が経っておりますが、そのような状況下にある福島に、福島で生まれて県外で暮らしておられた方が、今、戻ってくるというムーブメントがあります。そしてもう一つは、福島県出身ではなく、他県出身者の方が、あえて今の福島に来られ、生活して、復興の役に立ちたいという動きも間違いなくあります。外から入ってくる、あるいは福島で生まれ育った方が帰ってくる、こういった方々の力を合わせて一緒に復興・創生に向けて進んでいくことは、一つの希望につながると考えております。「危機意識」、「希望」の二つを仲介する方々に是非共有していただき、新しい施策を進めていければと考えております。

6 インバウンドについて

【記者】
 インバウンドの関係で、中国からの観光客が、5月8日から外務省の措置として、今までの岩手、宮城、福島に加えて、青森や秋田、山形にも入ってくるということで、インバウンドの見込みはゴールデンウィーク明けになると思いますが、そのような施策に対して福島県として期待するところや、今後、どのように活用していくのかについて、考えていらっしゃることがあればお伺いします。個人的な印象としては、花見山しか見ていませんが、タイやオランダから結構来ているなと思いました。そこも含めて、今後、どのようにインバウンドを考えていらっしゃるのか、ビザの政策も含めてお伺いします。

【知事】
 今回、中国政府が、ビザの対象地域を被災3県から東北6県に拡大するという報道を拝見しました。これは全体としては非常に良い動きだと評価しております。一昨年くらい前から、東北の知事会議の際に、東北6県、場合によっては北海道や新潟の知事さんも入りますが、皆で、「インバウンドを一緒に盛り上げよう」という話を常にしております。御承知のとおり、インバウンドは、日本全体では非常に大きく伸びていますが、東北一人負けという状態にあります。我が県も同じです。そこで、一つの県でインバウンドをどうこうするのではなく、一緒にやっていこうという動きを現在進めている最中ですので、今回のビザの規制緩和はその追い風になるというのが私の印象です。その中で、中国や韓国、東南アジアの方も含めて、今、福島県にインバウンドが戻ってきているという実感があります。各地域や国民性によって、これが良いと思っていただける対象が異なりますので、今、観光交流局では、「心に刺さる情報発信を」ということで、地域ごとに評価される具体的なものを訴えるようにしております。先ほどの会議の風評・風化対策で、正にその話をしておりましたが、そのような具体的な施策を展開する中で、福島県のインバウンド、あるいは東北全体としてのインバウンドを増やしていきたいと思います。

(終了)

【問合せ先】
1 選挙区の区割りについて
⇒ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304

2 浪江町議選について
⇒ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304
  避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439

3 原発事故被災地の地方自治について
⇒ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304
  避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439

4 避難者の住まいの確保状況について
⇒ 避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8304

5 定住・二地域居住について
⇒ 企画調整部地域振興課 電話024-521-8023

6 インバウンドについて
⇒ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7218