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知事記者会見 令和元年12月23日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月25日更新

知事定例記者会見

■日時 令和元年12月23日(月)10時00分~10時25分
■会場 応接室

【発表事項】
1 県オリジナル水稲品種の名称について
2 県民の皆さんへ

【質問事項】
1 今年の漢字について
2 東京五輪 聖火リレールートについて
3 郡山中央工業団地の企業移転について
4 遠東航空の運航停止について

知事定例記者会見   動画を再生する

【発表事項】

1 県オリジナル水稲品種の名称について

 新しい県オリジナル水稲品種の名称について、発表いたします。本年5月に県の奨励品種に採用した酒造好適米「福島酒50号」の品種名称を「福乃香」と決定いたしました。
 県内外の皆さんから御応募いただいた1,243点の候補の中から、福島県酒造組合の御意見も伺いながら、福島オリジナルの香り高いお酒となるお米の特性を表し、お酒を召し上がる方、お酒やお米をつくる全ての方々に「福」が訪れるようにとの思いが込められた名称を選定いたしました。
 今後、「福乃香」を使用した「ふくしまの酒」を、「ふくしまプライド。」の思いとともに国内外にお届けできるよう、関係する皆さんと連携して取組を進めてまいります。

2 県民の皆さんへ

 令和元年の年の瀬を迎えました。
 今年は、平成から令和へと新たな時代が幕を開け、福島の復興と地方創生を更に前へと進めるため、積極的に県内各地を回り、県民の皆さんから様々な思いを伺いながら、一つ一つの課題に真摯に向き合い、挑戦を続けてまいりました。
 そのような中、避難地域においては、大熊町の一部地域で避難指示が解除されたほか、本県復興のシンボルであるJヴィレッジが全面再開を果たすとともに、農産物の輸出拡大や、日本酒など県産品の国内外での高い評価、若い世代を中心とした移住世帯の増加など、これまでの取組の成果が形となって現れた一年でありました。
 一方で、東日本などを襲った台風第19号等は、県内にも甚大な被害をもたらし、本県は、二重、三重の困難を抱えることとなりました。今も避難をされている方々を始め、被害に遭われた県民の皆さんお一人お一人の思いを受け止めながら、台風被害からの早期復旧と未曽有の複合災害からの復興・再生に向け、生活環境の整備や事業・生業の再生などの取組を着実に進めてまいります。
 さらに、急速に進行する人口減少と少子高齢化の現状に向き合い、本県が持つ可能性、魅力、強みをいかした「福島ならでは」の地方創生に積極的に取り組み、県民一人一人が豊かさや幸せを実感し、笑顔になっていただけるよう、力を尽くしてまいります。日々、寒さが厳しくなってまいりました。皆さんには、お体を大切にされ、健やかに新年を迎えられることをお祈り申し上げ、年末の挨拶といたします。

【質問事項】

1 今年の漢字について

【記者】
 年末の記者会見ということで、知事から1年の振り返りがありましたが、台風被害も含めて、良いことも悪いこともあった1年だと思います。県内の現状について、この1年間を振り返って漢字一文字で表すと、どういったものがふさわしいと思いますか。

【知事】
 今年の漢字は「再(さい)」、「再び」であります。今年は本県復興のシンボルであるJヴィレッジの再始動を始め、避難指示の一部が解除された大熊町では、役場が地元に戻り、業務を再スタートし、さらには、南相馬市と新地町の海水浴場が9年ぶりに再開し、富岡漁港には漁船が戻り、被災した県内の漁港全てが再開するなど、避難地域の復興・再生が前進した1年でありました。また、県産日本酒の金賞受賞数7年連続日本一の快挙や、福島の技術者が参加する、小惑星探査機「はやぶさ2」のミッション成功、EU等における県産農産物の輸入規制緩和など、福島の誇りを再び取り戻す出来事が数多くありました。
 一方で、台風19号等の大雨災害により、県内の広い範囲で甚大な被害に見舞われ、本県は更なる困難を抱えることとなりました。被災された方々が再び前を向いて歩み出せるよう、被災者の生活再建、生業の再生にきめ細かく取り組み、未曽有の複合災害からの復興・再生と台風被害からの早期復旧に向け、全力で挑戦を続けてまいります。

【記者】
 今の質問というのは、事前に質問を準備していたのですか。今、ぱっと出てきましたけど、質問は事前に決まっていたのでしょうか。

【知事】
 これは毎年、年末の最後の定例会見で、今年の漢字一文字を聞かれておりますので、こういった形で準備をしております。

【記者】
 事前に打ち合わせてはいないのですね。

【知事】
 おりません。

2 東京五輪 聖火リレールートについて

【記者】
 聖火ランナーのルートについて質問させていただきます。まず聖火ランナーのルートの設定についてですが、8年前の原発事故で避難指示が出された12市町村のルートを実際に歩いてきましたが、率直な感想を申し上げますと、僕らが日頃見ている浜通りの風景とは大分違う。聖火ランナーが通るルートからは、原発も見えないし、除染廃棄物を詰め込んでいるフレコンバッグの山も見えません。朽ち果てた家も空き地になった市街地も見えない。知事は日頃、「福島の光も影も見てもらう」というような発言をしていますが、このルートが福島の今を伝える手段として最適だと思いますか。知事の言う「影」とは今回、どこにあるのでしょうか。

【知事】
 今回の聖火ルートは、聖火ルートを選定する実行委員会において、丁寧に協議を重ねてきました。市町村、組織委員会とも意見を交換しながら、ルート決定を行ったところであります。聖火リレーのグランドスタートまでちょうど100日前となった先週17日に、組織委員会からこういった形で発表がなされたところであります。
 東日本大震災からの復興のシンボルであるJヴィレッジをスタートし、復興に向けて挑戦を続ける福島の姿や魅力を広く発信することができるルートだと考えております。沿道での応援はもとより、リレーが通過する市町村と近隣市町村が連携して地域の魅力を発信するなど、福島の未来を担う子どもたちに夢と希望を与え、多くの地域、多くの住民の皆さんが関わることが出来る聖火リレーとなるよう、しっかりと取り組んでまいります。

【記者】
 今の福島を伝えるのに最適だと思いますか、あるいは知事のおっしゃっている「影」とはどこにあるのですかという質問だったのですが。

【知事】
 今回、避難地域12市町村、双葉町はまだ固まっているわけではありませんが、選ばせていただいております。それぞれの地域では、避難指示が解除される一方で、解除されたとしてもそれで全てが解決するわけではありません。我々自身、常に避難指示解除の際に、「避難指示の解除はゴールではなく、新たなスタートだ」という思いで臨んでおります。今回の聖火リレールートの受け止め、様々な御意見もあろうかと思いますが、市町村の思いも大切にしながら、決定させていただいております。
 私自身は知事として、就任して以降、これまで常に福島県が抱えている「光と影」の両方を正確に発信することに意を砕いてきました。今回の聖火リレーのグランドスタート、あるいは、今後、野球・ソフトボールの一部競技開催もございますが、そういった様々な機会にも、知事として、その両面を発信していきたいと考えております。

【記者】
 私は避難指示解除の浪江町で半年間、新聞配達をしていたことがありますが、市街地を歩くと帰還出来ない人が点在したり、商店が閉まっていたりして、どれだけ復興しているか、復興していないかというのが一目瞭然です。でも浪江町の今回のルートは、市街地を一切通らず、水素研究センターやロボットテストフィールドなどの町民とあまり関係がない国の研究施設の中を走るだけです。これが知事の言っている「光と影」という適切なルートだと言えると思っておられるのでしょうか。

【知事】
 先ほど申し上げたとおり、市町村あるいは組織委員会とも相談しながら、実行委員会として決定したところです。その上で、私自身は知事として、常に浪江町、富岡町、楢葉町、全ての避難指示市町村、あるいは中通りや会津地方も、福島県は今なお、明るい前に向いている部分と、まだまだ厳しい課題を抱えている部分もありますので、その両方を常に発信していく。この務めを果たしていきたいと考えております。

【記者】
 そもそもこのオリンピックについて、安倍首相は2013年9月に「原発はアンダーコントロールされている」という言葉を使ってオリンピックを誘致しました。福島県知事として今、原発はアンダーコントロールされていると思いますか。

【知事】
 まず、福島第一原発の廃炉対策が福島の復興にとって極めて重要です。私自身が毎年のように原発へ伺い、一年一年で進展した部分も見ておりますし、一方で、御承知のとおり、燃料デブリの対応や汚染水対策など、まだまだ解決していない、あるいは今後の展望が明確でない部分が残っていると思います。したがって、国、東京電力においては、福島第一原発、また、福島第二原発の廃炉も今後控えておりますが、福島の復興・創生の実現のためにも、安全かつ着実に作業を進めていただくよう、県として強く訴えてまいります。

【記者】
 「アンダーコントロール」と思うかどうかについて聞いたのですが。

【知事】
 ただ今申し上げたとおりであります。

【記者】
 聖火リレーのルートについて伺います。先ほど、知事は、「光と影両方を正確に発信する」とおっしゃいましたが、ルートを見ると、「光」だけで「影」はどこにもないのではと思います。両方を正確に発信するというのは、ルートを通じてではなく、オリンピック全体を通じてという意味でしょうか。

【知事】
 私自身は福島県知事として、県庁を代表するリーダーとして、常に「光と影」を発信することが重要だと考えてきました。これまでも行ってきましたし、来年の東京オリンピック、例えば聖火リレーのグランドスタートや野球・ソフトボールの試合を始め、様々な場面で発言する機会を頂けるかと思います。そういった場面において、福島の「光と影」、そしてその「影」を薄める努力、あるいは「影」を「光」に変えていくチャレンジについて、国内外の方に出来る限り発信していきたいと常々考えております。

【記者】
 「光と影」とか、どうしても抽象的な言葉がいつも多くなっていると思いますが、「光」は何で、「影」は何で、このルートを通じて何を発信しているのか、あるいはここに盛り込まれない「影」は具体的なものが何で、それを別の場所でどのように発信していくのか。「光があります」、「影があります」だけでは抽象的ではないかと思いますが。

【知事】
 私自身、様々な場面でプレゼンテーションをさせていただく機会が数多くございます。30分から1時間程度、東京でも福島県内でも話をしておりますが、その際は、「光」として、例えば、避難指示区域が2011年に比べて非常に大きく減少していること、あるいは、福島県産農産物の安全確保対策をしっかり行って、モニタリングの結果が着実に出て、皆さんが安心して食べていただける状況になっていること、あるいは、福島県に来られるインバウンド、外国人観光客が震災後の水準を超えて非常に大きく伸びていること、あるいは、福島の日本酒が7年連続金賞日本一であること、こういった明るい要素をまず紹介しております。
 併せて、私がお話をしているのは、避難指示が縮小したからといって解決したわけではなく、今でも福島県の2.5%に当たるエリアが帰還困難区域等で、住民の皆さんが帰りたくても帰ることが出来ない。さらに、避難指示が解除されて住民の方がある程度戻れるようになったエリアでも、例えば、浪江町、富岡町は(居住率が)1割程度あるいは1割を切っている状況で、8年、9年前の当時の浪江や富岡とは全く異なる様相になっている。戻られた方もやはり寂しいという思いを持っている。あるいは住民が8割、9割戻っている川内村、広野町においても、また新たな課題を抱えている。こういったお話をしています。さらに先ほど、農産物の安全性のお話をしましたが、実際そういう状況にあっても国内外で風評が残っていて、まだ福島産のものを手に取ることに躊躇される方がいるというお話、あるいは、福島県産品に輸入規制を掛けていて、国・地域で福島県産はだめだと言っておられるところがある。さらに、福島第一原発の廃炉対策は非常に長期にわたり、そういう中で併せて人口減少が急激に進んでいる。また、残念ながら台風19号等の大型の災害があった。こういったことを「影」の事例としてお話ししています。今日のような限られた時間では抽象的な言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、そういった機会を頂ければ、それぞれお話をして、その上で「影」を「光」に変えていくために、どういう努力を続けているかというチャレンジの具体例をお話しするということを続けております。

【記者】
 2.5%が帰還困難区域であることとか、あるいは浪江町を例に挙げられましたけれども、浪江が当時と全く様相が異なっていること、これを正に「影」として、聖火リレーのルートに組み込んで発信するべきではないのでしょうか。

【知事】
 冒頭でお話ししましたが、今回のルートについては実行委員会という場において、市町村の御意見を尊重し、組織委員会とも相談しながら、総合的に決定させていただきました。また、福島県が抱える明るい前向きの部分と、一方で難しい課題については、私自身が、あるいは県庁として、様々な場面で両面を正確に発信する努力を続けてまいります。

【記者】
 聖火リレーについて、関係機関も入っている中で、苦しい立場というのは重々分かりますが、聖火リレーは世界に発信されるということは知事も御存知かと思います。映像で発信され、そこに説明までは付け添えることが難しい中で、「影」という部分について知事は伝わるとお考えですか。

【知事】
 様々な御意見があろうかと思います。それは受け止めさせていただいた上で、やはり今回、避難指示(の出されていた)地域を聖火ルートで回ります。そうしますと、復興が進んでいる部分もありますし、間違いなくここの地域は避難指示エリアで、そこから住民の皆さんがやむを得ず避難生活をされていた、そこに一定程度の人が戻って、また新たな町並みがつくられ始めている。一方で、それは全てではなくて、以前の状況とはまだまだ異なる。そういったものを我々自身の説明も含めて、トータルで伝えていくしかないと考えております。全てがそれで代替できるということは中々難しいかと思います。

3 郡山中央工業団地の企業移転について

【記者】
 週末に郡山中央工業団地の日立が移転するという話になりました。今後もこのようなことが想定できるのですが、県としてのお考えをお聞かせください。

【知事】
 現在、大企業等へ支援できないかということを国に対して要望している中で、このような状況になり、残念です。当面、地元の郡山市と連携し、詳しい状況の把握に努めていきたいと考えております。また、今回の台風被害では中小企業だけでなく、地域経済の中核を担っていただいている大企業においても甚大な被害が生じています。これまで大企業の支援について要望しているところですが、今後とも、何らかの手立てを講ずることが出来ないか、引き続き協議し、丁寧に相談していきたいと考えております。(可能性については、)現時点ではまだ見えておりません。

4 遠東航空の運航停止について

【記者】
 遠東航空のチャーター便停止の件で、ようやく漕ぎつけた定期チャーター便だと思いますが、改めて知事の受け止めを教えてください。

【知事】
 台湾のチャーター便は、これまで福島県へのインバウンドの大きな推進力となり、台湾との重要な架け橋を担っていただきました。このたびの運航停止は突然のことであり、各旅行会社からの情報では、来春までの予約状況が好調と聞いていたので、当惑しております。現在、当面の代替措置を含めて、旅行会社と協議をしているところであります。
 インバウンド、アウトバウンドとともに、台湾定期チャーター便の認知度が上がっており、特にインバウンドは、高い搭乗率を保っていたことなどを現地のエアライン等にPRし、台湾路線を誘致していきたいと考えております。

【記者】
 他県では台湾の航空会社の獲得が既に進んでいて、今後の新規開拓が難しいという意見もありますし、秋田県の副知事が新規開拓を目指すために今日から台湾を訪問されていますが、今後の新規開拓の部分や、台湾に行って各社を訪問する予定についてはどうでしょうか。

【知事】
 お話しのとおり、東北エリア、近県の状況を見ますと、台湾の各エアラインが既に就航されているという状況にありますので、そういう意味で厳しい状況であると受け止めております。
 一方で、福島県に来ていただいていたエアラインの搭乗率が非常に良いという現状もありますし、台湾の方に喜んで福島県に観光に来ていただいております。特に、福島の場合は、実際に来て、見て、食べていただくことが非常に重要であり、せっかくのこの機会を何とかもう1度、取り戻したいという思いを持っております。これまでも、ベトナムや台湾で、知事、副知事、観光交流局長も含めてトップセールスを行って、一定の実績を積み重ねてきました。来年に向けて、様々なチャンネルを通じて、再度台湾との関係を作り上げることができないか、努力を重ねていきたいと思います。

【記者】
 現時点で特に決まっているわけではないということでしょうか。

【知事】
 現時点でまだ決まっておりません。水面下でいろいろ議論しているという最中であります。

(終了)                                                        

【問合せ先】    

○発表事項
 1 県オリジナル水稲品種の名称について
 → 農林水産部農業振興課 電話024-521-7336

 2 県民の皆さんへ

○質問事項
 1 今年の漢字について

 2 東京五輪 聖火リレールートについて
 → 文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
 (福島第一原発の廃炉に関すること)
 → 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

 3 郡山中央工業団地の企業移転について
 → 商工労働部企業立地課 電話024-521-7916

 4 遠東航空の運航停止について
 → 観光交流局空港交流課 電話024-521-7127