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知事記者会見 令和4年7月19日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年7月25日更新

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  新型コロナウイルス感染症の話です。オミクロン株の派生型である、BA.5、こちらが猛威を振るって県内でも感染拡大が続いている状況です。このBA.5の県内の拡大状況と、第7波の感染状況について、どういった形で紐付けて考えられているか、考えを伺います。
 
【知事】
  新型コロナウイルス感染症の現在の県内の状況でありますが、(モニター画面資料を指し)これが約1か月間の県内の新規陽性者数の日ごとの推移を表しています。
  まず6月の状況であります。例えば、6月24日から6月30日までの一週間、これは全て(1日当たりの新規陽性者数は)2桁でありました。最近で言いますと、この時期が、最も感染が落ちついていた時期であります。
  ただその後、7月1日以降、劇的に状況が変わります。今、7月1日から18日まで、18日間連続で、前の週の同じ曜日を超え、感染が増加しているという状況であり、正に感染が拡大・継続している状態であります。特に7月上旬以降は、前週の同じ曜日と比べ、新規感染者数が倍増に近いという状況が継続しています。この一週間で見ましても、7月12日の507人から始まりますが、7月16日は600人ということでありますので、500人、600人という状況が継続しており、正に感染が急拡大している状況にあります。
  この状況でありますが、先ほどBA.5についてお尋ねがありました。現在、県内において、先週1週間のゲノム解析で確認をされたオミクロン株のうち、BA.4と、BA.5の系統を合わせた割合は25%であります。置き換わりが進んでいるという状況でありますので、今後、一層注意が必要であります。
  しかし、25%ということは、逆に言うと、BA.2が75%程度あるということであります。他県の状況を見ますと、特に西日本から首都圏にかけて、福島県以上に厳しい状況になっておりますが、そこはBA.5の置き換わり率がより高まっています。したがって、本県は今でも十分厳しい状況でありますが、今後、より一層悪化していく可能性があるということであり、注意が必要だと思います。
  こういった感染状況を踏まえて、各種の指標が全体的に悪化をしています。「入院率」、「10万人当たりの療養者数」、「PCRの陽性率」、「10万人当たりの新規陽性者数」がレベル3、また「確保病床の使用率」と、「感染経路不明割合」がレベル2、ということでありますので、日に日に指標も悪くなっているという状況であります。
  こうしたことを踏まえると、現在、福島県内は第7波の中にあるという状況にあります。
  こういう状況の中で、県民の皆さんに大きく二つお願いしたいことがあります。
  一つは、感染症対策をしっかり行っていただくこと。そしてもう一つが、猛暑でありますので、熱中症予防に気をつけていただくこと、この二つがポイントであります。
  そこでそれぞれ五つのポイントをお示ししています。
  まず、感染症対策であります。基本的な感染対策、場面に応じた正しいマスクの着用などをしっかり行っていただくこと。二点目は、少しでも症状がある場合には外出を控えて、医療機関等を受診していただくこと。三点目は、感染不安のある方、あるいは帰省等で御高齢の方と接する機会がある方は、是非、無料検査を受けていただきたいということ。四点目は、仮に陽性になった場合に備えて、家庭の中での動線をどう分けるか、あるいは食料や医薬品等のストックを数日分程度整えていただくこと。そして五点目は、仮に陽性になってしまった場合、職場学校だけでなく、その直前の段階で接触をされた方に積極的に連絡をとって注意喚起を促していただくこと。こういった五点が重要だと思います。
  あわせて、熱中症予防でありますが、本当に暑いときには外出を控えていただく、喉が乾いていなくてもこまめに水分を補給していただく。あるいは、エアコンを換気しながら積極的に活用していただくなど、こういった熱中症予防対策を先ほどの感染対策とあわせて行っていただくこと。これが今の福島県にとって極めて重要だと考えております。
  県としても、引き続き、こういったことを、様々な広報あるいは新聞、テレビ等を通して呼びかけていきますので、是非(報道の)皆さんのお力添えもいただければと思います。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症について、先ほど知事から「感染症対策、熱中症予防の呼びかけ」がありましたが、現段階ではその「呼びかけ」という対策に留める段階なのかということと、また、今後このような状況が続くのかもしれませんが、どのような段階になっていけば新たな対策を講じなければならないと考えているか、伺います。
 
【知事】
  まず当面は、政府も含めてですが、基本的な感染対策の徹底について、県民あるいは国民の皆さんに丁寧に呼びかけ、その中で、感染対策と熱中症予防、地域経済・地域社会の維持・再生、これらを両立していくことが重要な局面かと思います。
  ただ一方で、大切なことは「病床の使用率」だと思います。
  オミクロン株、御承知のとおり、重症化する方が比較的少ないという傾向にあります。(重症者数は)これまでゼロが多く、今日現在の段階でも1名であり、「重症者用病床の使用率」という意味では、相当程度、余裕があります。ただ、現在、「病床使用率」自体がレベル2の状態にあり、日に日に悪くなっていますので、この「病床使用率」というものをしっかり見極めていかなければいけないと考えております。
  この病床の関係でありますが、このように、感染が急激に悪化している状況の中で、確保病床数を749床とするとともに、即応病床数についても、現在増加させており、本日時点で692床が即応病床として使える状態になっております。また、入院が必要な方、こういった方の一時的な待機施設として、入院待機ステーションの運用再開に向けて準備を進めています。また宿泊療養施設でありますが、1,547室を今日時点において稼働させている状況であります。更なる感染拡大が生じても、こういった医療提供体制をしっかりと維持していくことができるよう、今後とも強化を図っていく、これが県としての大事な仕事だと考えています。
  ただ、一日一日の新規陽性者数が増え続けるということでありますと、おのずと医療体制のひっ迫が続くということになりますので、先ほど申し上げたような、県民の皆さん、事業者の皆さんが、基本的な感染対策をしっかり行っていただく中で、抑制傾向に転じていけるよう、訴えかけを丁寧に続けていきたいと考えています。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症についてですが、これから夏休みに入りますが、夏休みにかけて何か注意を呼びかけたいことがあるか伺います。

【知事】
  これまでは、学校現場、あるいは幼稚園、保育所等におられたお子さんたちが(夏休みになり)御家庭にいる時間が増えるということがございます。そこで是非、御家庭における基本的な感染対策をしっかり行っていただくことが重要だと思います。
  また学校現場においては、御承知のとおり、最近のクラスターは部活動によって発生しているものも見られるという現状がありますので、現在、教育委員会を通じて、学校現場、特にこの夏休み中の部活動、あるいはそれ以外の課外活動等について、この感染対策をしっかり呼びかけをお願いしているところであります。
  また、前半の家庭での感染対策は、先ほどお願いした五点が極めて重要であります。特に、今後、帰省等もあり、普段一緒にいない方との接触が増えてくるかと思います。そういった際には、是非、無料の検査というものを御活用していただくことも重要かと思います。
  現在、この無料検査でありますが、県内では208か所の薬局や医療機関で無料検査を実施できる体制を整えています。感染不安を感じる福島県民の方に対する無料検査は7月末まで、また、県民割や旅行、イベント等に参加される経済活動に必要となる検査は8月末まで実施することとしています。こういった無料検査を、心配である、あるいは帰省等で様々な方にお会いするという場合には、積極的に活用していただくことをお願いしたいと思います。

 

2 フィギュアスケート 羽生結弦選手の動向について

【記者】
  フィギュアスケートの羽生結弦選手が、本日、一線を退くというような会見をするという報道があります。福島県にとっても、被災された方々を、演技を通して勇気づけられたりですとか、いろいろ貢献はあったと思いますが、それに関しての知事の受け止めを伺います。
 
【知事】
  まだ御本人の会見はこれからかと思いますが、今の報道を前提にお話をさせていただきます。
  羽生結弦選手は、宮城県、東北でしっかりと練習を積み重ねられて、すばらしいスケーターとして、オリンピック等で大活躍をされました。金メダルを獲得される際の氷上の舞、本当にすばらしいものがありましたし、また、曲や自分自身の演技のテーマに合わせて成り切って、その気持ちが演技にそのまま乗り移ったようなすばらしいアイススケートを行っていただいたことに、非常に敬意を表したいと思います。
  羽生選手御自身も、2011年3月の東日本大震災によって、被災者となり、甚大な被害と影響がありました。彼自身、毎日毎日欠かすことなく練習する必要があるわけですが、(練習のための)リンクが使えなくなりました。また、そもそもあのような未曽有の大災害の中で、「自分は練習を続けていいのだろうか」という、非常に精神的な悩みもあったと伺っております。そうした中において、悩みながらも、「自分自身はアイススケートという競技を通じて、そのフィギュアの表現の中で、被災地を元気づけたい」と、再度練習に戻られ、その後の大会ですばらしい活躍を継続されました。
  また、そういった選手としての活動と併せて、実際に被災地、福島県内もそうですし、東北の被災地を回られて、被災された皆さんを直接元気づけられました。御年配の方もおられますし、あるいは子どもたちも含めてですが、様々な方にお声掛けをし、支援をする中で、被災地を元気づけていただいたことに、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
  特に、オリンピック、世界選手権等での羽生結弦選手の活躍というものが、県民に、そして国民に、たくさんの元気と希望を与えていただいたと確信しています。
  私自身も彼のスケートリンクでの氷上の舞を見ながら、「すごいな、頑張ろう」という思いを頂いたこと、今でもまざまざと思い出すことができます。
  今後、また新たなプロスケーターとして人生を歩み出されるということになろうかと思いますが、是非これまでの経験を糧に、第二の人生においても活躍して、多くの方に元気と感動を与えていただくことを楽しみにしております。

 

3 令和4年7月14日からの大雨・洪水警報による被害状況について

【記者】
  週末にかけて大雨の被害がありましたが、県内の被害状況ですとか、また隣の宮城県で大変大きい被害が出ていると思いますが、応援要請の状況や検討状況を伺います。

【知事】
  この三連休においても、宮城県を始め、全国の各地で、線状降水帯の影響で非常に大きな被害が見られています。
  この週末三日間も、県内でも一時期相当な降雨があったところがありますので、危機管理部や土木部等が連携し情報を共有しておりましたが、被害を予防するために道路を一旦通行止めにするなど、一定程度の影響はありましたが、全体として、県内では大雨による被害というものは、この数日間において見られていないと現時点では考えています。
  ただ、今も、九州、西日本を始め、線状降水帯が停滞することによって、非常に大きな被害が出ておりますし、また宮城県においても、非常に御苦労されているという報道を拝見しております。この猛暑の中で、台風も含めて、こういった大雨、豪雨災害というものが、私たちの身近にあるということを、県民の皆さんには御理解いただいて、是非、テレビや新聞等を通じて気象台の情報などを確認いただき、現状をしっかり把握していただくことをお願いしたいと思います。
  また仮に、こういった大雨災害が起きた場合に、自分の住んでいるところ、あるいは職場、学校、こういったところがどういったリスクがあるのかということを事前に見ていただいて、マイ避難の在り方というものを、御家族あるいは個人でもですね、しっかり検討していただくこと、これが重要だと思います。
  また、今後、宮城県を始め、各県から全国知事会等を通じて様々な応援要請があった場合には、2011年以降、福島県自身様々な形で応援を頂いておりますので、福島県として対応を検討してまいります。

4 東京オリンピック・パラリンピックから1年について

【記者】
  東京オリンピックの開催から間もなく1年になります。
  新型コロナの影響で無観客となったり、また風評払拭のための取組が中止になった点を含めて、改めて大会の総括を伺います。
  また、昨年9月の2020年東京オリンピック・パラリンピック関連事業推進本部で、知事が大会の総括として「悔しさがあって、その悔しさを喜びに変えていくために何をやったらいいのか考えていく」という発言がありました。大会から1年が経過して、大会後に出来たことと、また今後取り組む予定のことを改めて伺います。

【知事】
  まず、今、総括についてと、この一年間どういった取組をしてきたのかというお話を頂きました。
  まず、前半の総括であります。昨年の東京オリンピック・パラリンピックでは、野球ソフトボール競技の計7試合が県営あづま球場で行われました。新型コロナウイルス感染症の影響や猛暑など、様々な困難がある中での開催でありましたが、無事に実施することができました。
  また、聖火リレーが、本県復興のシンボルであるJヴィレッジからグランドスタートし、被災3県の花を使用したビクトリーブーケが表彰式のメダリストの皆さんに彩りを添えることができました。それらの様子がメディアを通じて国内外に発信をされたことは、意義深いものがあったと受け止めています。
  さらに、野球、ソフトボール日本代表の監督や選手の皆さんから、県民の皆さんに温かい励ましの言葉を頂いたほか、海外チームの代表監督や選手の皆さんから、福島県産の農産物やおもてなし等に対する高い評価を頂きました。
  こうした、福島県の復興が着実に進んでいる姿を発信できたことや、大会を通じて本県の魅力に直接触れていただいたことは、東京五輪を福島県で開催したからこそ実現できたものであり、復興五輪として一定の成果は得られたものと考えています。
  一方で、新型感染症の影響によって、無観客での開催を余儀なくされるなど、私たちが思い描いていた復興五輪、東京五輪とは異なるものであったこと、これも事実であります。
  そのため、今後は、実際に福島に来て、見て、食べて、実感していただくという取組を、関係機関と連携しながら実現して、復興を加速化させていきたいという思いを、その際、表明をさせていただきました。
  そういった思いで、この一年間、東京大会の開催を通じて得た様々なつながり、きずなをいかして、大規模な大会の誘致に取り組んでまいりました。その結果、昨年11月の日本女子ソフトボールリーグ一部決勝トーナメントを始め、今年の5月には、JDリーグ第5節の福島開催、また来月8月には日米対抗ソフトボール2022、そして9月には、東都大学野球連盟秋季リーグ開幕戦が開催されることとなりました。こうした多くの来県者が見込める大会に併せて、本来、東京五輪で行うはずであった、子どもたちの観戦招待や都市ボランティアの皆さんの活動、また、福島県の復興と魅力のPRにつながる取組を進めています。
  今後もこうした取組を継続していくとともに、子どもたちとアスリートが交流できる機会を創出していくなど、東京大会のレガシーをいかした取組を、是非、これからも積極的に進めていきたいと考えています。
  また、こういった大会で、シティキャストとしてオリンピックで着るはずだったユニフォームに袖を通したボランティアの皆さんと、私自身、毎回会話をしておりますが、やはり皆さん「本番で自分たちが活躍できなかったことは残念だった」、けれど、その後の先ほど言ったような様々な大会でしたり、あるいは東京から各国の大使が福島にこられた際も、ボランティアでお手伝いをしていただいておりますが、皆さん笑顔でいきいきと活動されていて、「あの悔しさが、今、こういった形で、貢献できることが本当にうれしい」とお話していただいている様子も拝見しているところであります。
  昨年のオリンピック・パラリンピック大会で五輪を終わるのではなく、今後も五輪をレガシーとして、取組を継続していくことが何よりも重要だと考えています。

【記者】
  関連してもう一点、無観客での開催になりましたが、大会期間中と大会後の感染状況を踏まえて、当時の無観客で開催するという判断について、今どのようにお考えか伺います。

【知事】
  あづま球場での野球・ソフトボール競技については、無観客で行うよう、福島県として大会組織委員会に要請することとなりました。それには二つ大きな理由があります。
  一つ目の理由は、新型コロナウイルス感染症の状況がその時点で悪化していたこと。また当時、首都圏での感染状況が一層悪くなっており、本県での新型感染症の更なる拡大についても、予断を許さない状況でありました。
  また二つ目の理由は、関係自治体における対応の変化であります。組織委員会から、当初、首都圏の1都3県以外の競技会場については「観客有り」との案が示されていました。しかしその後、一部の競技会場が急きょ無観客となるなど、1都3県以外の競技会場について「観客有り」とする前提が大きく変わりました。
  この二つが理由であります。競技の観戦を楽しみにされていた多くの方々にとって、また福島県にとっても、結果として残念な部分が残っております。
  当時は、感染状況等を総合的に勘案し、県民の皆さんの健康を守り、より安全・安心な大会を実現させることを最優先に考えますと、無観客での開催という判断は、必要な判断であったと考えております。

 

(終了)

 

【問合せ先】

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

3 令和4年7月14日からの大雨・洪水警報による被害状況について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7194(他県災害への応援(職員派遣(短期))含む)
(応援職員派遣(中長期))
→総務部行政経営課 電話024-521-7093

4 東京オリンピック・パラリンピックから1年について
→文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7312