知事臨時記者会見
■日時 令和7年12月15日(月曜日)16時00分~16時11分
■会場 応接室
【発表事項】
1 令和7年度6号補正予算の概要について
【質問事項】
1 補正予算を決定した理由について
2 ツキノワグマ被害防止対策について
3 観光需要について
【発表事項】
令和7年度第6号補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、国の総合経済対策を受けて、物価高に対応する県独自の取組を始め、医療分野等における処遇改善やツキノワグマ被害防止対策、自然災害に備えた防災力強化など、緊急に措置すべき経費について計上しました。
その主な内容といたしましては、物価高への対応として、省エネ家電を購入された方へのポイント還元、LPガスを使用する方や特別高圧電力を使用する中小企業等への支援、エネルギー価格高騰に対応するための設備を導入する中小企業等への支援、光熱費などが増加している医療機関や社会福祉施設等への支援、地域公共交通機関や運送事業者等への事業継続支援、光熱費や燃料費高騰の影響を受ける農林水産事業者への支援、原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への追加支援、大ゴッホ展を核とした地域経済の活性化、観光需要の喚起を通じた旅館・ホテル等への支援、医療分野等における処遇改善として、医療や介護、障がい福祉分野の賃上げに向けた支援、ツキノワグマ被害防止対策として、国の「クマ被害対策パッケージ」を活用した緊急対応、自然災害への備えとして、河川や道路、農業水利施設等の防災力強化など、これらに要する経費を計上しました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、628億9千万円、本年度予算の累計額は、1兆3,700億2千3百万円となります。
【質問事項】
【記者】
今回の補正予算に関しては、国がパッケージとして推奨メニューなどを用意しておりますが、その中で知事としてこういった形の補正予算を決めた理由について、教えてください。
【知事】
現在、国会で審議中である国の補正予算については、物価高により厳しい状況にある地域経済の現状等を踏まえた重点支援地方交付金の追加など、様々な支援策が盛り込まれています。
今回の県の補正予算は、国の総合経済対策を受け、物価高に対応する県独自の取組を始め、国の補正予算を活用した医療分野等における処遇改善や、ツキノワグマ被害防止対策、自然災害に備えた防災力強化など、緊急に措置すべき経費を計上しました。
国が示した重点支援地方交付金の推奨事業メニューや、関係団体からの要望を伺いながら、長引く物価高の影響が緩和されるよう、幅広い分野への支援について事業化したものであります。
今回の補正予算を12月定例会に提案し、物価高への対応として、生活者から事業者まで幅広く支援するとともに、県民の皆さんが安全・安心に生活できる環境整備に、県としてしっかりと取り組んでまいります。
【記者】
クマ対策として、これまでも何度か補正で対策を実施してきた中で、改めて冬眠しないクマの対策や、これから懸念される部分についての予算を拡充したと思います。市町村の声などを伺った結果、こういった内容が必要ということで、措置されたのでしょうか。
【知事】
そのとおりであります。
本年度は冬期間においても冬眠しないクマや、早期に冬眠明けするクマが急増するおそれがあります。クマの出没や人身被害のリスクが高いことから、冬期間の対策を強化するものであります。
「一旦冬眠に入って落ち着いても、決して安心できない。むしろその間に、その後の対応を考えなければいけない」という市町村からの強い御意見を踏まえて、具体的な内容を整理しております。
まず、市町村が実施する出没防止対策等への補助を行うほか、県事業としては、学校等への爆竹やクマスプレーの配布、目撃地点等におけるパトロールの強化、新聞広告による県民の皆さんへの注意喚起、観光地での注意喚起看板の設置、農業生産現場における農作物の被害防止や捕獲の強化等を行います。
これまでは、クマが冬眠する12月までの期間において、出没や人身被害の危険性が高まることから、集落への専門家派遣や、緊急パトロールなどにより、出没や被害防止に取り組んできました。
今回の補正予算では、冬眠しないクマや、早期に冬眠明けするクマへの対策として、監視や調査を行うとともに、県民の皆さんへの注意喚起を実施するものであります。
次に、本県を訪れる観光客の皆さんに安心して観光を楽しんでいただけるよう、安達太良山登山口等において、多言語でクマに対する注意喚起の看板を設置するとともに、クマ鈴の配布を行います。
さらに、農業生産現場においては、クマによる農作物の被害防止や、人身事故防止に向けた対策が強く求められています。
このため、生息状況の調査や、管理されていない果樹の伐採、追い払い活動を支援するとともに、農地周辺における捕獲を強化してまいります。
このような総合的な対策は、実際にクマの出没現場等から頂いた御意見、正に自治体の強い思いを踏まえて、予算化しているところです。
【記者】
観光需要の喚起を通じた(旅館・ホテル等への)支援について、来年度の春夏秋冬にそれぞれ1回、1泊3,000円の割引を行うことで、観光シーズンの需要喚起に大きな意味があると思いますが、この狙いについて教えてください。
【知事】
物価が高止まりしている中、県内の観光事業者等への影響を緩和するため、宿泊割引事業『「また来て。」割』の実施により、観光宿泊施設への誘客を促進することで、観光需要を喚起するとともに、地域経済の活性化につなげるものであります。
震災以降、本県の宿泊者数は全国の伸び率に比べて低い状況が続いており、令和6年の宿泊者数は、東北地方で本県のみが前年から減少するなど、厳しい状況にあります。
また、物価の高止まりに加えて、十分な価格転嫁ができていないことによる経営環境への影響を緩和するため、宿泊を契機とした観光需要の喚起とともに、地域経済への波及効果も勘案し、支援を行う必要があると判断しております。
特に、デスティネーションキャンペーンは、来年いよいよ本番となる4月、5月、6月の3か月を迎えます。
多くの観光客の皆さんに来ていただけるよう準備しておりますが、春だけでなく、この冬、その後の夏、秋も含めて、一年を通じて、福島の地に「来て」「見て」「感じて」「笑顔になって」、福島の「しあわせの風」を感じていただきたいと思います。
今回の『「また来て。」割』をいかしながら、一年を通じた観光需要の喚起を是非、進めていきたいと考えています。
(終了)
【発表事項】
1 令和7年度6号補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
【質問事項】
1 補正予算を決定した理由について
→総務部財政課 電話024-521-7027
2 ツキノワグマ被害防止対策について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740
→農林水産部環境保全農業課 電話024-521-7320
3 観光需要について
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7298