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知事記者会見 令和3年2月2日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月4日更新

知事定例記者会見

■日時 令和3年2月2日(火曜日)13時00分~13時45分
■会場 応接室

【発表事項】
1 令和3年度当初予算について

【質問事項】
1 令和3年度当初予算について
2 新型コロナウイルス感染症について
3 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について

令和3年2月2日 福島県 知事   動画を再生する

【発表事項】

1  令和3年度当初予算について

 令和3年度当初予算につきまして発表いたします。一般会計当初予算の総額は、1兆2,585億円であります。対前年度1,833億円の減、このうち、復興・創生分は2,585億円となります。
 歳入については、県税や地方交付税の確保を始め、「原子力災害等復興基金」などの各種基金を有効に活用し、必要な財源の確保に努めました。歳出については、事業効果をしっかりと検証しながら、徹底した事務事業の見直しに努め、予算編成を行いました。
 新型コロナウイルス感染症が県民生活や地域経済に大きな影響を及ぼしている中、第2期復興・創生期間の初年度となる令和3年度は、本県の復興と地方創生を更に力強く前進させていくための重要な一年であります。
 このため、当初予算につきましては、喫緊の課題である新型感染症対策に県の総力を挙げて取り組むとともに、次期総合計画を見据えて定めた重点施策体系を踏まえ、デジタル化などの社会変容や新たな課題にも適切に対応しながら、複合災害からの復興と福島ならではの地方創生を着実に進めるための予算として編成いたしました。
 それでは、新年度予算の主な事業について御説明いたします。
 はじめに、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、診療・検査体制の強化や病床等の確保はもとより、医療従事者等に対する手当金や医療機関において院内感染が発生した場合の経営支援、医療機関等が行う感染防止対策への支援、電話相談窓口の設置や、ワクチン接種に向けた体制整備など、医療提供体制の整備と感染拡大防止に全力を尽くしてまいります。
 また、新型感染症の影響を受けた中小企業等の資金繰り支援やサプライチェーンの強化を始め、県産品事業者のECサイト立ち上げや県産酒の流通販売促進、福島空港の路線維持や県内観光の回復に向けた支援など、感染拡大を防止しながら、社会・経済活動の維持、回復の両立にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、避難地域の復興の加速についてであります。復興の新たなステージとなる新年度は、これまでの復興拠点整備や生活再建支援はもとより、避難地域への移住・定住を促進するための取組を進めるとともに、ICTを活用した地域包括ケアシステム構築の支援や、廃炉関連産業集積の促進、営農再開を加速するための生産と加工等が一体となった産地への展開支援、浜通りの観光コンテンツを活用した交流人口の拡大、被災市町村に対する継続的な人的支援などにより、避難地域の復興を一層加速させてまいります。
 次に、健康長寿の実現、結婚・出産・子育て支援についてであります。県内の医師確保に向けて、地域医療支援センターの機能を強化するほか、会津地方における介護人材の確保に向けた支援や、サイクリングルートの設定などによる自転車を活用した健康づくりに取り組んでまいります。また、市町村や企業と連携した結婚から子育てまでの切れ目のない支援や、待機児童ゼロの達成に向けた取組、「子どもの心の支援センター」の設置など、安心して結婚・出産・子育てが出来る環境づくりをしっかりと進めてまいります。
 次に、教育環境の充実、人材育成についてであります。新しい時代の学びに必要なICT環境の整備による教育の充実、教員の指導力強化やデジタルコンテンツ等の活用による児童生徒の英語力向上に取り組むほか、令和6年度中の再開に向け、「双葉地区特別支援学校」の整備を進めてまいります。また、JFAと連携し、サッカーを通じた人材育成や地域活性化に取り組むほか、農業人材の育成に向けて、農業短期大学校の教育・研修体制の強化を図ってまいります。
 次に、安心して住み、暮らすための環境づくりについてであります。除染により生じた除去土壌につきましては、国・市町村と連携しながら着実に搬出を進めてまいります。
 また、令和元年東日本台風等災害からの早期復旧と河川改修など、防災力の強化にしっかり取り組むとともに、災害から命を守るための避難行動を促すための「マイ避難」の更なる普及・啓発に努めてまいります。また、鳥獣被害対策につきましては、関係機関と連携しながら、捕獲や新技術を活用した生息調査など、効果的な対策を講じてまいります。さらに、在留外国人の安全・安心を確保するため、交通安全や防犯に係る啓発事業などに取り組んでまいります。
 次に、豊かで持続可能なまちづくりについてであります。県政重要課題や複雑化・個別化する地域課題に対応するため、各地方振興局がそれぞれの地域の特色を最大限にいかし、戦略的な取組を展開してまいります。また、環境省との連携協定に基づき、自家消費型の再生可能エネルギーの導入を支援するほか、水素エネルギーの普及拡大や県産水素の利活用促進、ナッジを活用した省エネ・省資源モデルの構築やごみ減量モデル事業の実施、農業用使用済プラスチック排出量の抑制に向けた取組などを進めてまいります。
 次に、中小企業等の振興、新産業の創出・集積についてであります。今般の新型感染症を踏まえ、小規模事業者が業態転換をする際に必要な支援を行うなど、県内中小企業等の事業承継支援に関係機関と一体となって取り組んでまいります。また、福島イノベーション・コースト構想を更に推進するとともに、航空宇宙産業集積に向けた認証の取得・更新やマッチング支援、ふくしま医療機器開発支援センターを活用した県内企業の医療機器開発参入を促進するなど、新産業の創出・集積を進めてまいります。
 なお、新産業の集積を一体的に推進するため、商工労働部内に「次世代産業課」を新設いたします。
 次に、農林水産業の振興についてであります。県オリジナル米の産地力強化と需要拡大を図るとともに、園芸産地におけるICT技術の導入に向けた実証を進めてまいります。また、AI技術を活用した「福島牛」の品質確保やブランド力の強化に取り組むとともに、県産水産物に対する風評を払拭し、販路を回復するため、流通量拡大の実証や新商品開発を進めるほか、地域産業の6次化を推進してまいります。
 次に、魅力発信・交流促進についてであります。近年、関心が高まっているワーケーションやテレワークを促進し、関係人口の拡大や本県への移住につなげるため、福島ならではの体験プログラムや受入環境の整備などに積極的に取り組んでまいります。また、浜通り地域等の交流人口拡大に向けて、地域資源をいかした誘客コンテンツの開発支援や消費喚起の取組を進めてまいります。さらに、自然公園の豊かな資源をいかし、その魅力を発信するなど、「ふくしまグリーン復興構想」を推進していくほか、JR只見線の全線復旧と利活用促進に取り組んでまいります。
 次に、風評・風化対策についてであります。引き続き、国内外に対する戦略的な情報発信を展開するとともに、オリンピックや国際的な会議など様々な交流の機会を捉え、震災から10年を迎え、復興が進む本県の状況をしっかりと伝えてまいります。また、風評に打ち勝つため、競争力の高い園芸産地の育成に取り組むほか、本県復興のシンボルであるJヴィレッジの魅力を広く発信してまいります。
 以上の主要な事業を含め、令和3年度当初予算における重点施策体系における8つの重点プロジェクトに係る事業は、481事業で、計3,397億円となります。
 この3月で、東日本大震災と原発事故から10年の節目を迎えます。福島の復興はいまだ途上であり、加えて、一昨年の東日本台風等災害や今般の新型コロナウイルス感染症など多くの困難な課題に直面しています。この難局を乗り越え、福島の新しい未来を創り上げるため、これまで積み重ねてきた取組を土台としながら、全力で挑戦を続けてまいります。

【質問事項】

1  令和3年度当初予算について

【記者】
 今回の予算を名付けるとしたら何になるのかということと、来年度は第2期復興・創生期間のスタートとなりますが、復興政策に関して予算編成で重視されたポイントを教えてください。

【知事】
 令和3年度当初予算は、福島県が直面している3つの重要な課題に対する対応を重視しております。
 一つ目が、新型コロナウイルス感染症への対応、二つ目が、東日本大震災・原子力災害、東日本台風等からの復旧・復興、そして三つ目が、福島ならではの地方創生であります。
 今、御質問いただきました復興の関係で大切なことは、避難地域をどのように復興・再生していくかということに尽きると思います。御承知のとおり、避難地域でありました12自治体において、一定の避難指示解除が行われました。全町、全村で避難指示が解除された自治体もあります。ポイントは、それぞれの自治体によって、復興の状況、進捗の度合いが大きく異なるということです。
 特に、双葉町、大熊町等においては、本当にまだ入口に立つか立たないかという状況にあります。こういった進捗状況がまだまだこれからという自治体に対して、しっかり後押ししていくことが重要だと考えております。一方で、ある程度の住民の方が戻った自治体においても、震災前の状況とはほど遠い状況で、様々な新しい課題が生じているという側面もございます。そういった点を念頭に置き、今回の復興関連事業として、移住・定住を促進する等のきめ細かな対応に力を入れていきたいということで予算を編成しております。
 また、ネーミングのお話を頂きました。福島県の令和3年度当初予算のネーミングは、「新しいふくしま創生予算」となります。今回のネーミングには、大事なキーワードが2つ含まれています。一つが「新しい」、もう一つは「創る、創生」です。
 まず、「新しい」について話したいと思います。今、新型コロナウイルス感染症への対応の中で、「新しい生活様式」あるいは「ニューノーマル」という状況にあります。つまり、私たちの暮らし、働き方、経済、社会全体が大きな新しい波の中にある。恐らくウィズコロナのみならず、ポストコロナにおいても、この新たな状況というのは、一定程度影響を持ってくると思います。したがって、新型感染症を踏まえた新しい地域づくり、あるいは、経済の活性化、社会を構築していくことが求められ、それに伴う地方創生策の進化も求められています。さらに、東日本大震災・原子力災害から丸10年が経過いたします。この10年間を経て、福島県は、今年の4月から第2期復興・創生期間という新しいステージに移行します。第2期復興・創生期間において、これまでの取組、復興の進捗を踏まえて、避難地域の復興の加速化を更に図っていかなければいけない。こういった思いを込めて、この「新しい」というキーワードを提示しております。
 もう一つのキーワードが「創る、創生」であります。この新しいふくしまを創っていくためには、新たなものを創り上げていくことが重要です。何を創るかということですが、「人」をつくる、「強み」をつくる、「繋がり」をつくる、この3つの「創る」を基本としています。
 「人」をつくるということは、福島の未来を担う人材の育成です。子どもを育成するため、ICT環境の整備を行う。グローバルな人材を育成するため、教員あるいは児童生徒の英語力の向上を図っていく。あるいはJFAアカデミーとの連携の中で、サッカーを通じた人材育成を行うなど、「人」をつくる各種事業を今回の当初予算の中に盛り込んであります。
 二つ目は、「強み」をつくる。これは、福島の新しい価値や魅力を創造することであります。例えば、ワーケーションやテレワークの推進に向けて、福島ならではの様々な体験プログラムを多くの方々に示していきたいと思います。また、水素社会のモデルを創るため、県産水素の利活用促進を進めていきます。さらに、ふくしまグリーン復興構想、あるいは観光資源をいかしたルートをお示しする。こういった取組にも力を入れてまいります。
 三つ目は、「繋がり」をつくるであります。福島の強みをいかしたつながりの進化です。この10年間、福島県は、国内外の多くの方からたくさんの応援、エールを頂いてきました。このつながりというのは、非常に強固なものがあります。そのつながりをいかして、避難地域への移住・定住を促進していく。あるいは、浜通りに来訪していただくような消費を喚起する。あるいは、観光コンテンツを活用して交流人口を増やしていく。あるいは、医療機器開発に関するニーズを掘り起こして県内のものづくり企業との連携を図る。こういった「繋がり」をつくる様々な取組も今回の予算の中で盛り込んでおります。
 「人」をつくる、「強み」をつくる、「繋がり」をつくる、こういった様々な創生事業を通じて、「新しいふくしま創生予算」として、県の令和3年度の予算を活用しながら、新型感染症対策あるいは復興・創生をしっかり進めていきたいと考えております。

【記者】
 今回の予算の中で、歳入、特に県税収入が落ち込んでいます。新型コロナの影響で、県内の経済の事業者の活動が不調だということが背景にあり、来年度はそのように見込んでいるとのことですが、今後、コロナの影響がどれぐらい長引くかも分からない中、福島県内は復興関係の大型公共事業がどんどん収束していることもあり、落ち込み幅が他県に比べてより顕著なのではないか、影響が大きいのではないかと思います。新年度、または、再来年度以降の収入確保の見通しについてどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 新年度予算においては、感染症による地域経済への影響で、県税等の減収が見込まれます。復興の新たなステージとして、復興・創生の取組を力強く進めることはもとより、感染症への対応や令和元年東日本台風等災害からの復旧、さらに、頻発化する自然災害に備えた防災力の強化など、広範で多額な財政需要が見込まれます。このため、第2期復興・創生期間の財源フレームに基づく復興財源に加え、国の緊急包括支援交付金や地方創生臨時交付金を始めとする感染症対策に取り組むための財源、さらに、安定的な財政運営に必要な一般財源総額をしっかりと確保し、最大限活用したところであります。さらに、国から確保した財源を積み立てた復興関連基金を有効に活用するとともに、感染症の影響を踏まえた事業の見直しや整理合理化を徹底して行うなど、あらゆる方策を講じて財源を確保しているところであります。その上で、なお生じる財源不足については、財政調整基金などの主要基金で対応したところであります。厳しい状況にはありますが、県庁一丸となって知恵と工夫を結集し、実効性のある予算編成を行うことが出来たと考えております。
 また、今後の中長期的な財政運営について、福島県は他県と異なり、復興・創生には長い戦いが必要となります。これにつきましては、まずは、今後5年間の第2期復興・創生期間における財源を、国と折衝しながら確保しております。一方で、今、感染症で落ち込んでいる県内の企業、経済の状況を(踏まえた対策を)今回の当初予算にも盛り込んでおります。今、感染症対策を優先しておりますが、いずれかの時期には、地域経済の維持、再生に力を入れてまいります。そういう中で、県内経済の回復を是非図っていきたいと思います。
 併せて、福島県のみならず、日本全体の自治体も同様に厳しい状況にあります。大切なことは、地方財政対策における地方一般財源総額の確保であります。こういったものを、全国知事会や地方6団体とも連携して国に求めながら、全体の経済の活性化、そして、財政需要への対応、さらに、中期的な財政のバランス、こういったものの両立を図っていきたいと考えております。

【記者】
 「新しい生活様式」で、マスクなしの会話をやめるよう、何度も言っているのに、知事がパーテーションの脇でマスクなしで発言をしているのが気になるので、今後の対応をお願いします。

【知事】
 分かりました。

【記者】
 当初予算の関係で、復興に係る事業費が前年度比で48%減となりました。復興がいまだ途上という話もありましたが、課題が多い中で、大幅な減少になったことへの受け止めと、先ほどのお話にあった復興事業費の中で、新たに避難地域の移住者に対して最大200万円の支給を用意していると思いますが、こちらの政策に期待することを教えてください。

【知事】
 今回、復興・創生に関連する予算額は、令和2年度に比べますと一定の減少がございます。これは正に、これまでの9年、10年という中で復興事業がしっかり進んできた成果だと考えております。
 一方で、令和3年度以降の5年間、第2期復興・創生期間の中期的な財政フレームの枠組みを確保させていただいております。また、今回、特に復興関連の予算につきましては、昨年の春ぐらいから、政府と様々な形で折衝を重ね、福島県の要望に対応していただいた予算を組むことが出来たと評価しております。復興について大切なことは、その時点時点の状況において、どういった形が良いかということを、関係の皆さんでつくり上げていくことだと思いますので、令和3年度において、復興に必要な予算額はしっかり計上できていると考えております。
 その上で、一つ核となりますのが、移住・定住関係の予算です。避難地域の復興を加速化していくために重要な側面が二つあり、一つは、もともと住んでおられた町民、村民の皆さんが、安心して古里に帰ることが出来る、あるいは、帰った後も笑顔で生活できる生活環境をつくり上げることが第一であります。これまでの10年間でも行ってきましたし、これからも行っていきます。
 併せて、新しい二つ目の柱が、この移住・定住であります。今、地元の住民の皆さんが、ある程度戻って、古里の再生に頑張っていただいています。加えて、福島県に来て、自分自身が復興の担い手として頑張りたいといった、特に若者たちが増えており、浜通りに移住・定住をしていただく方々が増えているというデータもございます。こういう中で、第2期復興・創生期間においては、県外から入って来られる方を増やしていって、地元で頑張っている方々と一緒に連携して、新しい復興の道のりをつくっていくことも重要な側面だと考えています。
 政府も同じ思いですので、国、県、地方自治体が一体となった移住・定住の促進、一方で、古里に安心して帰れる、あるいは生活できる環境づくりにも力を入れていく中で、避難地域の復興・再生を加速させていきたいと考えています。

【記者】
 予算の関係で、財源が非常に不足し、対応する課題が非常に多いという中で、今年に関しては、起債額が膨らむのもやむを得ないのかなと思いますが、一方で、制度の趣旨からすると、人口が減少する将来には(起債)残高が減っていないと、道理に合わない部分があり、中長期的な見通しが非常に重要だと思っています。この点について、去年も事務方に尋ねているのですが、中長期的な見通しをシミュレーションしていないという回答があり、将来にわたって県民に負担をお願いする以上、いつまでにどれだけ返すあてがあるのか、最低限示して欲しいと感じております。知事の考えをお聞かせください。

【知事】
 福島県は、2011年に東日本大震災、原発事故に見舞われました。その際、私は副知事でしたが、頭の中にあったのは、これから多額の財政需要が生まれる、そして、それをきちんと対応していかない限り、福島の復興は果たせない。一方で、財政の健全性を損なうことがあってはならない。この財政健全性の維持と、復興に向かって多額の財政需要に対応するための歳入、財源の確保をどう両立していくかということを、この10年間、副知事としても、知事としても、非常に意を砕いてきたところでございます。
 福島県は、相当の財政需要に対応しておりますが、全国的に見ますと、財政健全性は比較的保たれている広域自治体だと考えております。一方で、ただ今、御指摘いただきました中期的な見通しについても重要な視点かと思います。
 感染症による地域経済の影響によって、県税等の減収が見込まれます。一方で、復興・創生を着実に進める取組も必要であり、感染症への対応、台風災害からの復旧、防災力の強化など、広範かつ膨大な財政需要が見込まれる厳しい状況の中で、中期的な見通しに立った財政運営は重要だと考えております。
 このため、地方財政対策による一般財源総額を始め、感染症対策や防災力の強化にしっかり取り組むために必要となる財源、さらに、第2期復興・創生期間における財源など、中長期的な財源の確保を国に求め、確保に努めてきたところであります。中期的な見通しにつきましては、今後の感染症の状況や必要となる財政需要、国の対応や財政措置、財源措置など、財政を見通す上で重要となる要素に不透明な部分が多いものの、健全な財政運営を行うために中期的な見通しは重要であることから、来年度策定予定の次期総合計画と連動しながら策定していく考えであります。

2  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 新年度予算として、正にコロナの対応が多く盛り込まれていると思いますが、現在の感染状況について伺います。県の緊急対策の効果が出ているとも感じていますが、知事は、現在の県内のステージなどの状況について、どのように判断されているのか教えてください。

【知事】
 1月13日から2月7日まで、県民の皆さん、事業者の皆さんに大変な御負担あるいは制約、制限をお願いしているところであります。こういった対応にしっかりと真剣に対応していただいていることに対して、感謝を申し上げたいと思います。
 県民の皆さん、事業者の皆さんの取組の成果もあって、今、新規感染者数については、一定の改善傾向が見られます。(新規感染者数が)3日連続で一桁であり、今日の新規感染者数は2名ということであります。
 一方で、12月の感染者数は455名でした。1月を振り返りますと、779名と過去最高であり、12月も大幅に増えましたが、それを優に超える感染者数ということになっております。こういう状況を考えますと、やはり、今なお入院のひっ迫度合いは、非常に厳しいものがございます。後ほど、具体的な数字もお示ししますが、ステージ4レベルの50%以上のひっ迫率ではなくなりましたが、今なお、ステージ3の中では相当高いレベルのひっ迫度合いになっております。高齢の方や既往症を持っておられる方が入院されている場合は、退院までの期間が一定の期間続きます。そういう中で、感染者数が減少してもそのまま退院につながっていく訳ではないことから、病床ひっ迫度合いが目に見えて改善しないというのが、今の現状かと思います。現時点においては、やはりステージ3相当が継続しているというのが私どもの考え方であります。

【記者】
 先日、福島テレビと福島民報社が共同で県民世論調査を実施しました。その中で、県に対して一番求めることとして、「外出自粛と時短営業の継続」がおよそ4割となり、最も多い回答となりました。緊急対策は今月7日までと示されていますが、今後の方針について、県としては、どのように考えているのか教えてください。

【知事】
 県の緊急対策期間については、今月の7日までとしております。8日以降の対応につきましては、県内の感染者数の推移や医療提供体制のひっ迫度合い、さらに、政府の動向等を踏まえ、今週中に本部員会議を開催し、対応を決定してまいります。直近の感染状況を判断する指標について見ますと、病床の占有率はステージ4の目安である50%を下回っておりますが、依然として高い水準にあります。ステージ3は25%以上50%未満であり、現時点の数値は42.6%ですので、ステージ3の中でも高い水準にあるという現実があります。
 また、重症者用の病床占有率もステージ3の目安となっておりますが、25%前後の水準で推移していることから、こうした指標がどの程度改善するかが重要となります。緊急対策期間の終了後、短期間で医療提供体制が再びひっ迫する状況にならないような水準まで下げることが出来るか、ここ数日の状況を注視していく必要があると考えております。

【記者】
 新年度予算に組み込まれているワクチン接種についてお尋ねします。こちらも世論調査の結果で、6割が「(接種を)希望する」という回答をしている一方で、1割は「希望しない」、さらに、2割以上の方も「状況を踏まえて判断したい」という回答でした。集団免疫という観点もあるかと思いますが、この結果について、知事の受け止めを教えてください。

【知事】
 現在、国、地方自治体で総力を挙げてワクチン接種が円滑に進むように取り組んでいるところであります。こういう中で、調査結果を拝見しております。
 今、世界においても、このワクチンの接種が具体的に進んでおりますが、やはりワクチンに対する様々なお考えや、あるいは、一部で心配、不安もあろうかと思います。国内では、間もなく、あるいはこれから承認ということですので、国においては、是非、専門的な知見から、それぞれのワクチンがどういった効果があるのか。そして、どういった副反応の可能性があるのか。こういったものを正確に情報発信していただいて、国民や県民の皆さんが安心してワクチンを接種できるよう、情報提供をお願いしたいと思います。
 また、国から一定の情報提供がありますので、それを受けて、現在、我々自身も具体的な制度設計を進めているところです。一部の市ではかなり先行しておりますし、町村においてはこれからというところもあります。広域自治体として、今回の予算にも組み込んでおりますが、相談体制、支援体制をしっかり構築しながら、県民の皆さんが安心して円滑にワクチンを接種できるようしっかり取り組んでまいります。

【記者】
 ステージ2まで(感染状況が)引き下がるまでは、政府として、時短要請や外出自粛要請を求めるという案が出ているといった報道がありました。福島県はステージ3相当が続いているということですが、知事の受け止めを教えてください。

【知事】
 これまで11都道府県で緊急事態宣言が発令され、それを解除するかどうか、現実的には、栃木県を除いて継続という方向だと拝見しておりますが、今なお厳しい状況が続いています。
 国の緊急事態宣言の発令をどうするかという判断、あるいは、福島県自身もステージ3相当の中で、現時点での緊急対策をどうするかを判断するに当たって大切なことは、解除した後、安定的に事態が推移するという状況かどうかが重要だと思います。
 仮に解除して、またすぐに元に戻ってしまうことがないよう、かなり安定的な状況にならないといけないということになります。先ほど申し上げましたが、今、本県の数値を見ますと、例えば、ステージ3相当となった時に話をしたのは、人口10万人当たりの療養者数や、あるいは、直近1週間と先週1週間の感染者の比較、こういったものがステージ3でした。これらについては、現在、改善されております。一番の本質は、病床のひっ迫度合いだと思っておりますが、これが中々大きく改善しないという現実があります。したがって、指標の全体を見ながら、ある程度安定的に推移する段階がどの時点なのかを判断することが、非常に重要だと思っておりますので、県内の状況あるいは近県の状況等をギリギリまで見極めながら、県としての対応を考えていきたいと思います。

【記者】
 先ほどの質問に重なりますが、政府の緊急事態宣言が延長する方針となりました。首都圏との交流も多い福島県ですが、この政府の判断についての知事の受け止めを聞かせてください。

【知事】
 今、全国的に、緊急事態制限の対象地域も含めて、全体としては改善傾向が見られていると思います。ただ、やはり各県における入院の体制の状況は、相変わらずひっ迫した状況が続いており、入院調整中あるいは自宅療養中の方が極めて多いという現実がございます。そういう中で、今回の緊急事態宣言を延長していくという判断は、妥当であると考えております。
 今の段階で、しっかりと感染拡大を抑え込むことは、オールジャパンで取り組むべき重要な内容であり、入院体制が不安定な段階で解除することについては、難しい部分があるという専門家の御意見、あるいは、政府としての判断が今回の方向性につながっているかと思います。こういったものを我々もしっかりと受け止めながら、福島県としての緊急対策を今後どうしていくのか、真摯に協議を重ねていきたいと思います。

3  東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について

【記者】
 福島第一原発の廃炉について、国や東電からこれまで、30年から40年で廃炉が完了するという目標が示されていて、一方で、取材をしますと、技術者からは、その時間で廃炉を終えるのは難しいのではないかという意見を聞いております。また、昨年12月にも、本来であれば今年始めるはずだった2号機のデブリの試験的取り出しが断念されたことがありました。
 現時点で、知事は、この30年、40年で廃炉を終えるということが出来ると考えるのか、どのように見ているかについて教えてください。

【知事】
 福島第一原発の事故は、過酷な事故であります。世界の原発事故の基準でも、最も高いレベルの過酷な事故でありました。現在においても、震災・原発事故から約10年が経とうとしていますがデブリの状況等も含めて全貌がまだ明らかになっておりません。ひとたび原発が事故を起こすとこれだけ困難な状況となります。結果として、避難地域12市町村の住民の皆さんにとっては、古里を離れて避難生活を余儀なくさせられる状況が長く続いており、また、古里に戻っても元通りの生活に戻れる訳では決してありません。さらに、全県的な風評の問題等もあり、原発事故を起こしてしまうと、これだけの大きなマイナスの影響があるということを、福島県民自身が最も感じているところであります。
 そういう中で、今後、福島が本当の意味で復興・再生を果たしていくために重要なのが、この廃炉を安全かつ着実に行っていただくことであります。今、国、東京電力においては、鋭意努力を続けていただいていると思います。ただ、御指摘がありましたとおり、ロードマップやスケジュールがそれぞれありますが、全てがその通りに行っている訳ではありませんし、順調に、むしろ早まっているものもあります。
 このロードマップでは、30年から40年のスパンでの廃炉とされておりますが、全体としてのスケジュールをしっかり実現できるよう、努力を重ねていただきたいと思います。
 一方で、過酷な事故であるがゆえに、様々な新たな状況が起きてくると思います。その際に、安全・安心を最優先にしていただくこと。今、双葉町、大熊町、その周りの双葉郡の皆さんも古里に戻って新たな生活をスタートされています。これから戻ろうという方もおられますので、安全・安心を最優先にということを、国、東京電力には機会があるたびに申し上げていきたいと思います。

【記者】
 知事もこれまでロードマップを決定する関係閣僚会議に出席されていて、ロードマップの改訂前には、県として要望という形で政府に出していたと思いますが、その中で、この30年、40年で何としても(廃炉を)出来るようにして欲しいですとか、あるいは、今おっしゃったような安全を最優先にするならば多少の遅れはやむを得ないなどの意見を表明されたことはありますか。

【知事】
 ただ今申し上げたとおりの思いを、これまでも、またこれからも国に対して訴えていきたいと思います。

【記者】
 現時点で、30年、40年での廃炉は可能かという部分についてはどう考えますか。

【知事】
 繰り返しますが、ただ今申し上げたとおりです。

【記者】
 個人的には、知事御自身がこの実現可能性というところに言及された方が良いと思います。知事が先ほどおっしゃった帰還の問題を考えていく時に、福島第一原発の廃炉がいつ終わるのかということは、これから帰ろうとしている、あるいは、住むことが大丈夫なのかと不安になっておられる方々が、今後の見通しを持つ上で大変重要なポイントだと思います。知事が、「(実現)できそう」、あるいは、「場合によっては遅らせてもいい」などの判断を示された方が良いと思います。どのようにお考えですか。

【知事】
 そういった視点も含めて、先ほど丁寧にお答えしております。

 (終了)

【問合せ先】                                                                    

○発表事項

令和3年度当初予算について
→ 総務部財政課 電話024-521-7027

○質問事項
1 令和3年度当初予算について
→ 総務部財政課 電話024-521-7027

2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

3 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252