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知事記者会見 平成28年12月26日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月28日更新

知事年末記者会見

■日時 平成28年12月26日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【発表事項】
年末の御挨拶

【質問事項】
1 平成28年の振り返りについて
2 高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉について
3 県立聾学校の校名変更について
4 原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について
5 JR只見線について
6 今年の漢字について
7 海外での輸入規制について
8 避難している生徒へのいじめ及び避難者の福島への帰還について

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【発表事項】

年末の御挨拶

 平成28の年の瀬を迎えました。今年は「復興・創生期間」という新たなステージにおいて、福島県の復興、地方創生を更に前に進めるため、県内各地に何度も足を運び、皆さんの様々な思いを伺いながら、その実現に向け、トップ交渉、トップセールスに取り組み、成果を一つ一つ積み重ねてまいりました。
 そのような中、インフラや復興に向けた拠点施設の整備進展、未来を拓く新しい産業の創出、観光地のにぎわいの回復、さらに、葛尾村、川内村、南相馬市における避難指示の解除など、明るい光が一層の強まりを見せた一年でありました。
 その一方でいまだに8万人を超える皆さんがふるさとを離れ、6度目の年末年始を迎えようとしておられます。引き続き、避難されている皆さん一人一人の思いを念頭に置き、生活の再建や産業の再生など復興への取組を着実に進めるとともに、厳しい人口減少が続く福島県の現状にしっかりと向き合い、地方創生の取組を一層強化するなど、福島県全体の復興・創生に向け挑戦を続けてまいります。
 今後も広く市町村や地域との対話を重ねながら、一人でも多くの皆さんに復興を実感していただけるよう、そして福島県の未来に明るい希望を感じていただけるよう、全力を尽くしてまいります。
 日々、寒さが厳しくなってまいりました。皆さんにはお体を大切にされ、健やかに新年を迎えられますことをお祈り申し上げ、年末の御挨拶といたします。

【質問事項】

1 平成28年の振り返りについて

【記者】
 知事は就任されてからあちらこちらへ歩かれ、お体も大変だと思いますが、その中でこの一年、福島をまわって、苦しい中でも前に進んでいると感じたエピソードはありますでしょうか。

【知事】
 子どもたちや生徒達とのふれあいが私にとって非常に大きな力になっています。二つエピソードを挙げますと、一つは、福島市の中学生が自分達で観光プランを立案して、実際にお客さんを集めたツアーを行うという取組をしました。その報告に来た中学生と話した時に、彼らは福島市の中学生で、改めてこの福島市に自分のふるさとの良さを実感した。そして、それを首都圏や県内外から来られたお客さんに、二泊三日の行程だったと思いますが、その行程の中で自分自身が説明をする取組が非常に楽しかった。こうやって、ふるさとのために自分が力になれることにやりがいを感じたと話していました。
 もう一点は、喜多方で実際に小学生と稲刈りをいたしました。日本の中でも、美味しいお米を作るということで、賞を頂いた喜多方の小学校の子どもたちと一緒に汗をかきながら、お米の収穫をしたのですが、子供たちが農業というものに対して、あるいはふるさとが美味しいお米を作れるのだということに対して、誇り、プライドを感じている姿を見て、「これは知事ももっと頑張らないといけないな」ということを感じた次第です。

【記者】
 そこに未来を感じることはできましたか。

【知事】
 感じました。

【記者】
 知事が御挨拶の中で、この1年の明るい兆しということでいくつか挙げられていましたが、知事の中で、特に福島の復興が前に進んだと感じられたものを一点挙げていただきたい一方で、まだ課題として感じられていることと、来年に向けて何が一番の県の焦点になっているのか教えてください。

【知事】
 とても難しい御質問です。1つ選ぶということは本当に難しいのですが、あえて申しますと、直近の事例なので印象が強いのですが、先般、JR常磐線の一部区間が再開通をいたしました。安倍総理も来られまして、私自身もあの場に出席しておりましたが、新地駅前でイベントをやりました。その時、本当にたくさんの方々が出てこられ、実はだいぶ寒く、寒風が吹く中ではありましたが、その再開通を皆さんが笑顔でものすごく喜んでいる姿を見て、これが復興が前に進む一つのシンボルなのだなということを実感しました。ハードの整備だけではないのですが、いろいろなものが進んで、地域の皆さんが「復興が進んだな」と実感できる、こういったことを積み重ねていかなければならないと感じております。
 一方で、私がかねがね辛い思い、苦しい思いを感じているのは、風評の問題です。どんなに県内の方が、例えば産業であったり、経済であったり、いろいろな場面で努力をして前向きな取組を積み重ねても、誤解や偏見があることによってそれが壊れてしまう。あるいは、福島の原発で何かトラブルがあることによって、積み重ねてきたものが壊れてしまうということが幾度もありました。この風評との戦い、風化も含めてですが、長い戦いになるなと。これをあきらめずに我々もずっと努力を繰り返す中で、何としてもこれを克服していかなければいけないということを改めて感じております。

2 高速増殖炉もんじゅの廃炉について

【記者】
 他県の話ですが、もんじゅの廃炉が決まり、日本の原子力政策ではかなり大きなウェイトを占める話だと思います。原発事故があった福島県の知事として、核燃料サイクルが中々うまくいかないというところをどのように受け止めてらっしゃいますか。

【知事】
 日本の原子力政策、特に核燃料サイクル政策にとって、もんじゅの在り方は非常に重要な課題であったと思います。そういう中、今般、もんじゅを廃止するということは、国の方針として、重い決断をされたものと受け止めております。福島県としては、こういった原子力政策については、何よりも住民の安全・安心を確保すること、そして、2011年の福島原発事故の反省を踏まえて、真摯に検討を進めていくべきであると考えております。

3 県立聾学校の校名変更について

【記者】
 22日に本会議で採決されました聾学校の校名変更の件でお伺いします。同窓会や一部保護者の方が強く校名変更に反対をされていて、事前に県教委から十分な説明がなされなかったということも相まって、議案の可決後も非常に強く反発しているのが現状だと思います。知事部局ではない県教委の事案であり、また議会で審議を経たものではありますが、校名変更に至るまでの過程について妥当であったか、知事としてどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 12月県議会において、聾学校を含む県立特別支援学校の校名変更の条例改正案について可決されました。今回、様々な御意見があり、審議の中でもいろいろなやり取りがありました。大切なことは、引き続き、教育委員会において、関係者の方々に対して丁寧に説明を行っていくことだと考えております。

【記者】
 県立学校とはいえ、同窓会や保護者の方が、自分たちや子どもたちが通う学校で、自分たちが聾学校の主役というか、自分たちの学校だという意識が非常に強い中で、事前の説明がもう少し十分になされるべきだったのではないでしょうか。今回、改正前の事前説明が十分であったか、知事としてどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 今回の校名変更は、特別支援学校の今後の在り方について一つの重要な要素を含んでおります。こういった案件について丁寧な説明を行うこと、また御理解を一つ一つ頂いていくことが重要であると考えております。

4 原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について

【記者】
 先週、政府で復興加速化に向けた基本指針が閣議決定されました。それに基づいて帰還困難区域の特定復興拠点の除染に309億円の政府予算が計上され、事実上の除染に対する国費投入ということで、いろいろ意見が出ているのはご存じかと思います。私自身、復興庁や財務省の説明をいろいろ聞いていても、「政策が変わったので」というところが中々すとんと腹に落ちないのです。汚染者負担の原則からすると、中々納得しがたい点があるのは事実かと思いますが、その点について知事としてはどのようにお考えになられているのかをお聞かせください。

【知事】
 福島第一原発の廃炉、そして原発事故に伴う賠償や除染は、福島の復興・創生にとって極めて重要なものです。こういったものに対応することは、国や東京電力の責任においてしっかり進められるべきであるというのが私どもの基本的な考え方です。今回、指針に示された帰還困難区域における復興拠点の整備に当たっては、それに伴っての除染やインフラ整備が確実に行われるよう、国は責任を持って前に進めていただきたいと考えております。

5 JR只見線について

【記者】
 只見線に関して、今日も只見線の復興推進会議が予定されていると思いますが、一方で、国会で鉄道軌道整備法の改正が、たぶん来年の国会になるのか、その後になるのか、調整が続いている状態ですが、これから只見線を鉄路にするという方向が、もしかしたら今日固まるのかもしれませんが、法改正が遅れているこの現状について知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 これまで只見線の今後の在り方について、関係の皆さんと本当に真剣に協議を重ねてまいりました。今日は第6回の検討会が開催されますが、ここで、これまでの結果を踏まえて検討会としての復旧方針を取りまとめてまいりたいと考えております。そしてその際に重要なことが、今、議員立法による鉄軌法改正の議論が国会で進んではいるものの、まだ十分でないという状態にあることです。この国費の在り方は正に只見線の今後の在り方において非常に重要な要素となりますので、福島県としては今日の方針取りまとめを受けた上で、国としての対応を是非前に進めてほしいということを改めて申し上げていくことになろうかと思います。

6 今年の漢字について

【記者】
 知事もいろいろと県内を回って、復興を実感されてこられたということで、今年の漢字が発表されましたが、知事にとって今年の漢字はどのようなものになるでしょうか。

【知事】
 「創」、この字が今年の漢字です。御承知のとおり、「復興・創生期間」が正にスタートした年という意味で、復興・創生の「創」が今年の漢字になります。改めて、なぜこの漢字を選んだかということですが、先ほどもお話しましたが、この1年、県民の皆さんが産業や経済、文化、スポーツ、いろいろな場面で新しい動きを創って福島県を元気にしていただいた、それに対する感謝のメッセージを込めております。
 また、県としては、新産業の創出、新しい産業を創り上げたいということで、例えば、再生可能エネルギーやロボット、あるいは航空宇宙関連産業など、これまでの福島には無かった新しい産業を創り出すうねりをスタートさせたところです。未来を拓く新たな拠点として、まず環境創造センター、そして医療機器開発支援センター、国際医療科学センターというように、福島の新しい未来を拓く拠点が創り上げられた。こういったものが重なった大事な1年だったと思います。来年も「新生ふくしまの創造」、新しい福島を県民の皆さんと共に創り上げる、その創生・加速の動きを前に進めていくためにも、私自身が先頭に立って頑張っていかなければいけないということを年の瀬に感じております。

7 海外での輸入規制について

【記者】
 台湾において、今、与野党の対立が激化していて、福島県産を含む日本の食品の輸入規制緩和の見通しが不透明になっているのが現状ですが、海外で輸入規制緩和の動きがすっきりと進んでいかない現状をどのように受け止めていますか。

【知事】
 私も報道で台湾国内における動きを実感しているところです。一方、この1年間で、風評や様々な規制強化の動きがある程度緩和されてきたという事実もあります。例えば、タイにおいては、桃の輸入では日本の中でも福島の桃が圧倒的に量が多く、福島産の桃が9割ぐらい占めています。しかも、非常に高い桃なのですが、それを実際に喜んで多くの皆さんに購入していただいています。また、ベトナムやマレーシア、ヨーロッパにおいても一部規制緩和の動きが進んできています。ただ、今回の台湾の例もそうですが、科学的な知見ではない見方によって、日本製のものが理由なく規制されるということは、風評の一つの現れだと受け止めています。こういったことは、技術的、科学的な知見を冷静に情報提供して、「事実はこうであり、安全・安心は当然、おいしいものが福島からも日本からも輸出できる」ということを実直に伝え続けることが重要だと考えています。福島県ももちろん頑張りますが、これは日本全体の動きでもありますので、是非政府としても来年においても、こういった取組を加速していただくことを期待しています。

8 避難している生徒へのいじめ及び避難者の福島への帰還について

【記者】
 今回、政府の閣議決定を受けまして、いじめの問題が取り上げられました。それについて知事はどのようにお考えなのかということと、全国に避難している子どもたちや避難者がこれからどんどん福島にまた戻ってくると思います。そういった方々をどのように受け入れていくべきか、この2点をお伺いします。

【知事】
 今年、幾度か子どものいじめのニュースが報道されました。そういったものを見るたびに、本当に切ない思いになりましたし、重く受け止めています。今、文部科学省、各自治体の教育委員会も含めて、こういったことが起きないようにしっかり対応するということで取組を続けていただいていると考えています。風評の問題や、いろいろな誤解を解いていく努力を我々自身が進めていきたいと思います。その上で放射能や放射線に対する正しい知識を福島県内はもとより、できるだけ全国の一人でも多くの方に持っていただくことが重要だと思いますので、そういった場面を増やしていただけるような取組を政府に対して求めていきたいと考えています。
 また、今後、全国に避難されている一部の方が福島県内に戻られると思いますが、笑顔で「お帰りなさい。これまで大変だったね。これからまた一緒に頑張ろう」、そういうメッセージを皆さんに是非届けていきたいと思います。

(終了)

【問合せ先】
1 平成28年の振り返りについて
→ 総務部政策調査課 電話024-521-7018

2 高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉について
→ 企画調整課エネルギー課 電話024-521-7116

3 県立聾学校の校名変更について
→ 教育庁特別支援教育課 電話024-521-7778

4 原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について
→ 企画調整部企画調整課 電話024-521-7129

5 JR只見線について
→ 生活環境部生活交通課 電話024-521-7157

6 今年の漢字について
→ 総務部政策調査課 電話024-521-7018

7 海外での輸入規制について
→ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-8041
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026

8 避難している生徒へのいじめ及び避難者の福島への帰還について
→ 避難地域復興局避難者支援課 電話024-521-8046
→ 教育庁義務教育課 電話024-521-7774

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