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知事記者会見 平成29年10月16日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月18日更新

知事定例記者会見

■日時 平成29年10月16日(月)10:00~10:20
■会場 応接室

【発表事項】
室屋義秀さんに対する福島県県民栄誉賞授与について

【質問事項】
1 室屋義秀さんに対する福島県県民栄誉賞授与について
2 18歳選挙権について

3 原発避難訴訟(福島地裁)の判決について

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【発表事項】

室屋義秀さんに対する福島県県民栄誉賞授与について

 このたび、福島を拠点に世界で活躍されている、エアレースパイロットの室屋義秀さんに対し、福島県県民栄誉賞を授与することを発表いたします。
 県民栄誉賞については、広く県民に敬愛され、明るい希望と活力を与えることに顕著な功績があった方について、その栄誉をたたえ、顕彰することとしております。室屋さんは、2009年にレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップに正式参戦し、2016年にはシーズン第3戦において、アジア人として初めて優勝されました。そして、このたび、2017年シーズンにおいて、計4回の優勝を含め、見事、年間総合優勝を果たされました。
 また、2016年からは、ふくしまスポーツアンバサダー第1号として、本県のスポーツ振興と地域活性化の一翼を担っていただいております。
 以上の功績から、県民栄誉賞を授与することといたしました。

【質問事項】

1 室屋義秀さんに対する福島県県民栄誉賞授与について

【記者】
 今の県民栄誉賞の授与について、知事のお気持ちをお伺いします。

【知事】
 三つお話ししたいと思います。
 まず一点目は、今回の室屋選手の年間総合優勝は、福島の復興のシンボルであるということです。これを二つの側面でお話しします。
 一つ目は、福島の挑戦、「ふくしまチャレンジ」のシンボルです。室屋さんは、震災前から福島市に拠点を置いてエアレースに参戦されていました。その間、多くの困難、課題があり、特に震災と原発事故後は、非常に御苦労がありましたが、その中で挑戦を続けることで、今回のすばらしい結果を出されました。これは正に「ふくしまチャレンジ」のシンボルであり、我々が復興を進めていく上で非常に希望を与えてくれるものです。
 二つ目は、「ふくしまプライド」のシンボルです。挑戦を継続し、一つ一つ結果を積み重ねることで、福島の誇り、「ふくしまプライド」をつかみ取ることができる、その証が室屋さんのアジア人初として、今シーズンで4回優勝しての年間総合優勝ということになります。この快挙は「ふくしまプライド」そのものであり、福島県民の誇りだと思います。
 このように、今回の室屋選手の年間総合優勝は、「ふくしまチャレンジ」そして「ふくしまプライド」、この二つの面において福島復興のシンボルであり、県民の皆さんにすばらしい勇気と元気を与えていただけるものと考えております。
 次に、二点目ですが、関係の皆さんへの感謝の思いをお話ししたいと思います。もちろん、室屋選手個人のこれまでの御努力もありますが、実際に室屋さんがパフォーマンスを発揮する上で、支えているチーム室屋のメンバーがおられます。機材を綿密に調整し、様々な部品を県内の企業も参加してつくり上げていく、このチーム室屋の皆さんのこれまでの御努力があってこその年間総合優勝だと思います。また、ふくしま飛行協会の斎藤理事長を始め、地域の皆さんが継続的に室屋選手を応援してくれました。チーム室屋や地域の皆さん、関係の皆さんのバックアップがあってこその成果だと思います。関係の皆さんに対して、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
 そして三点目は、室屋選手本人からのコメントを御紹介させていただきたいと思います。
 実は、室屋さんには、この県民栄誉賞の話は総合優勝を達成されてから、受賞の意思確認をしております。その中で、御本人から、次のコメントを頂きました。「年間総合優勝は、ラッキーもあったが、それだけではなく、20年間、福島県のスカイパークで県の空を独り占めにして、訓練してこられた成果だと思っている。県民が自分を後押ししてくれたおかげだと思う。県民栄誉賞は県民を代表してお受けしたい。」このような喜びのコメントを頂きました。

【記者】
 世界的に活躍された室屋選手は福島復興のシンボルになると知事もおっしゃいましたが、今後、県として、福島のPRなど、どのような活動で室屋選手との連携をお考えでしょうか。

【知事】
 震災後、室屋選手は自分のユニフォームに「FUKUSHIMA」という文字を刻んで空を飛んでいます。室屋さんは、福島が風評を受けて苦しんでいることに対して、風評払拭の後押しをしたいということで、この文字をつけています。室屋さんが世界で活躍される中で、福島の地が震災や原発事故を乗り越えて前に進んでいることをしっかりと発信していただいていると評価しております。
 今後、室屋選手には、この県民栄誉賞を県民からのお祝いの思いとして受け取っていただき、また、来シーズンに向けて、活躍されると思います。いろいろな場面で室屋選手のお力をお借りしながら、県の風評払拭や復興の後押しをしていただきたいと考えております。また、室屋さんのこうした頑張りをお手本にして、我々なりに一つ一つの「ふくしまチャレンジ」、「ふくしまプライド」をつくり上げていかなければいけないと改めて考えております。

【記者】
 知事から「ふくしまプライド」や「ふくしまチャレンジ」であるというお話がありました。「ふくしまプライド」や「ふくしまチャレンジ」について、改めて御説明いただけないでしょうか。

【知事】
 まず、チャレンジの大切さについてです。福島県は2011年の3月以降、東日本大震災と原発事故、さらには風評という複合災害に悩まされています。この複合災害は、過去、日本の歴史の中で例がありません。世界の中でも中々例がない。そのような逆境に置かれている中で、それをどのように乗り越えるかを、今、問われています。あまりにも逆境が重すぎて、「もうだめだ、この現状は変えられない」と言ってそのままにしてしまうのか、「いや、この状況にしておくわけにはいかない」、「何とかチャレンジを続けて現状をよりよい方向に変えていきたい」、そのような思いを持てるかが、今、福島県の復興・創生にとって極めて重要だと考えています。仮にチャレンジがうまくいかないことがあっても、とにかく継続していけば必ず未来は前向きに拓けることをずっと訴えてまいりました。
 本日の室屋選手の年間総合優勝について、我々はさらっとお話ししていますが、実は、決して道のりは順調ではありませんでした。今シーズン、8大会に参加しておられますが、その中では予選落ちしている時もありますし、13位と順位が振るわない時もありました。また、今回も、昨日の予選では11位で、「どうなるんだろう」というのが、その段階での思いでした。しかし、そこで挑戦を続けたことで奇跡を起こした。それは正に「ふくしまチャレンジ」の一つのシンボルだと考えています。
 そして、「ふくしまプライド」ですが、これには二つ大切な意味が込められています。
 一つは、福島県が震災や原発事故前、もともと持っていた誇り、プライドを取り戻すということです。例えば、おいしくて品質の高い農産物をつくっていて、全国から福島の桃はおいしい、福島の米はおいしいと言われ、愛されていました。ところが、原発事故後は、中々その状況に簡単に戻れない、失ってしまったプライド、誇りをどのように取り戻すのかが一つ目の「ふくしまプライド」です。
 そしてもう一つは、福島が今後、本当の意味で復興していくためには、新しいプライドをつくることも重要だと考えています。それは震災前に無かった、例えば、ロボットなどの新産業の分野でチャレンジを続けることで、福島県はロボット産業の聖地だ、あるいは、再生可能エネルギーで100パーセントを目指すという新しい取組をしている、という新しい誇りをつくり上げることも重要だと思います。
 その典型が日本酒だと思います。福島のお酒は5年連続金賞受賞数日本一ですが、これは、平成24年度からの5年間で達成したものです。震災と原発事故後の5年間の中で、「風評を払拭したい」、「逆境を乗り越えたい」という酒蔵さんたちの強い気持ちが結集していく中で、新しいプライドをつくり上げるプロセスを示してくれています。
 したがって、チャレンジを続けることで、壊れてしまったプライドを紡ぎ直して、また新しいプライドを作り直すことが可能であることを、今回、室屋さんが指し示してくれたと私は受け止めております。

2 18歳選挙権について

【記者】
 衆議院議員総選挙に関連して、18歳選挙権についてお伺いします。昨年の参議院議員通常選挙で国政選挙として初めて選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、実施されてから1年余りが経過しました。参議院議員通常選挙の際には、与野党も若者向けの政策を主張していましたし、NPO団体なども主権者教育など、私たちの目に見えるような形で力を入れていたと思いますが、今回の衆議院議員総選挙ではそのような動きが少し弱いと感じております。選挙に行っても何も変わらないではなく、一回一回が大事な選挙であり、権利だと思います。そこで、18歳、19歳含めた若者に向けて、知事から、どのように投票して欲しいかについて、お伺いできればと思います。

【知事】
 今回の衆議院の解散、総選挙は急であったこともあり、周知徹底や教育が途上の部分があると思います。いずれにしても、22日が選挙投票日になります。特に18歳、19歳の若い皆さんには投票所に足を運んで欲しい、その強いメッセージを届けたいと思います。衆議院議員総選挙は、国政に自分自身が直接関わることができる貴重な機会です。今の国政だけではありません。今回投票することが自分自身の未来にとっても非常に重要な意義がある、この点を是非、頭に置いて、各候補者の政策や訴えを自分なりに受け止めて、自分が持つ投票権という大事な権利を行使することが、今の自分だけではなく、将来の自分や自分の子どもたちにもつながっていく、そういう思いを持って期日前投票または投票日当日に投票所へ足を運ぶ行為に結びつけていただきたいと考えております。

【記者】
 弊社の18歳選挙アンケートで、18歳、19歳の8割が「投票する」、あるいは「投票したいと思っている」と答えています。この8割という数字に対する率直な受け止めと、陣営側から見て、若年層の投票率を上げるための考えがあればお聞かせください。

【知事】
 今回の調査結果を見まして、非常に多くの方が「投票所に足を運びたい」、「足を運ぼうと思っている」と考えておられることを心強く思いました。
 一方で、「行っても変わらない」、「意味がない」という考え方を持っておられる若者もいるという点も感じております。一回の投票で全てが劇的に変わるわけではないかもしれませんが、一人一人が自分の大切な一票の権利を行使することは、極めて重要です。そして、政治に対する信頼は、政治家自身の責任も勿論ありますが、有権者が投票という行為を通じて信頼を取り戻すことも必ずできると私は考えています。是非、若者の皆さんを始め、全世代の有権者の皆さんが一人でも多く足を運んでいただいて、選挙権を行使していく中で、国民と政治家との関係で、その信頼感を取り戻していくことができる、そのような思いも持って権利を行使していただければと考えております。

3 原発避難訴訟(福島地裁)の判決について

【記者】
 先週10日に、福島地裁でいわゆる生業訴訟の判決がありました。その判決の内容も報道等で御承知だと思いますが、知事の御見解をお伺いします。

【知事】
 今回の訴訟の結果や判決の中身は拝見しております。司法の判断について、福島県として直接コメントすることは差し控えさせていただきます。いずれにしても、国・東京電力は今後、廃炉の取組を進めていただくことになりますが、あらゆるリスクを想定して、福島県民の安全・安心を最優先にして、確実に進めていただきたいと考えております。
 また、原子力損害賠償については、被害者の皆さんそれぞれの立場に立った賠償を迅速に的確に行っていただきたいと考えています。

【記者】
 震災から6年半経った今も、同様の裁判が全国でまだ30件ぐらい行われています。被災者の皆さんが、今も事故の責任を問う裁判を続けていることに関して、知事の受け止めをお伺いします。

【知事】
 震災から6年半が経過し、7年目に入りました。復興は一定程度進んでいますが、今なお5万人を超える方々が避難生活を続けておられます。併せて、多くの県民の皆さんが今もなお、様々な不安や御苦労を抱えながら、生活再建や事業再建に向けて、懸命に取り組んでおられます。
 東京電力と国においては、原子力発電所事故の原因者としての自覚を持って、県民の様々な悩み、苦しみ、不安といった思いを真摯に受け止め、福島の復興再生に対して責任をもって対応を進めていただきたいと考えております。

(終了)

【問合せ先】
1 室屋義秀さんに対する福島県県民栄誉賞授与について
⇒(県民栄誉賞に関すること)
 総務部秘書課 電話024-521-7009
⇒(室屋義秀さんの年間総合優勝に関すること)
 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7742
⇒(農林水産物に関すること)
 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7356
⇒(5年連続金賞受賞数日本一の日本酒に関すること)
 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7296

2 18歳選挙権について
⇒ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304

3 原発避難訴訟(福島地裁)の判決について
⇒ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054
⇒ 避難地域復興局原子力損害対策課 電話024-521-8216