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知事記者会見 令和2年12月21日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年12月23日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年12月21日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウム水の処分方法について

令和2年12月21日 福島県 知事   動画を再生する

 

【質問事項】

1  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 福島市を中心にコロナの感染者が急増しています。昨日、医療体制がひっ迫しているという(福島市長の)会見もありました。知事として、福島市に特化した休業要請や飲食店の時短営業等を求める考えがあるのか教えてください。

【知事】
 福島市において、特に12月に入ってから急激に感染が拡大しています。昨日公表された福島市の西部病院のクラスターは、非常に重い問題だと受け止めております。
 福島市の西部病院で発生したクラスターは、32名の新規感染者が確認されており、これまでで最大規模となっております。医療機関でこれだけ大規模なクラスターが発生したことについて強い危機感を持っています。今回の西部病院のクラスターについて、これ以上の感染拡大を防ぐためにも、まずは関係の皆さんに一刻も早くPCR検査を受けていただき、感染者を特定していくことが極めて重要です。
 県としては、福島市との連携を円滑に行うため、保健師を含む県対策本部職員をリエゾンとして派遣するとともに、疫学調査の支援をするため、保健師の派遣を行っております。本日は6名、明日は7名の保健師を派遣する予定です。また、DMATによる支援として11名、県立医科大学感染制御支援チーム及び県内民間病院から、医師や看護師等5名の派遣が行われております。
 さらに、福島市に対し、市内で発生している院内感染の評価・分析と対策への指導や、全体の発生状況の分析と対策への助言を受けるため、厚生労働省クラスター班による専門家の招へいを行っているところです。まずはこのクラスターを早急に収束させるため、福島市や関係機関と連携し、全力で取り組んでまいります。
 また、今月に入り、福島市内で、お酒の提供を行う飲食店や医療機関等において、クラスターが連続して発生しています。福島市においては、クラスターが発生した地域の飲食店等を対象にPCR検査を実施しており、対象となる飲食店の皆さんには、これ以上の感染拡大を防ぐためにも検査への積極的な協力をお願いいたします。
 県では、福島市に保健師等を派遣し、引き続き入院調整や疫学調査の支援をしてまいります。併せて、「感染防止対策取組ステッカー」を配付している飲食店等に対する現地調査を市と共同で実施するなど、福島市や関係機関と緊密に連携しながら、感染拡大防止に取り組んでいるところです。県としては、福島市で行っている飲食店へのPCR検査や個別のクラスター対策の状況を注視するとともに、宿泊療養施設の段階的な活用などを行いながら、引き続き、感染防止対策に取り組んでまいります。

【記者】
 現段階では、休業要請や時短営業を求める考えはないということですか。

【知事】
 現段階で直ちに要請することは考えておりません。
 しかし、現在の福島市は非常に急激に感染が拡大しています。今、問題になっているのは西部病院のクラスターですが、飲食店などにおける今後のクラスターの状況も見ながら、福島市と連携し、対応を検討してまいります。
 大切なことは基本を徹底することです。例えば、事業者の皆さんにおいては、業種ごとのガイドラインがあり、ガイドラインに沿って適切な感染防止対策を講じていただくことが基本です。また、お店に行かれる県民の皆さん、市民の皆さんも、今、急激な感染拡大がすぐ身の回りにあることを意識していただき、感染防止対策と「新しい生活様式」を徹底していただくことで、クラスターの発生を抑えることが出来ると思います。今の厳しい状況を、県民の皆さん一人一人が頭に置いていただくことが重要だと思います。
 昨日、福島市の木幡市長の会見で、「市民の中でも、今の感染状況の深刻さに対する意識の度合いが人によって異なる」といったお話がありました。こういった意識の度合いを一人一人が高め、それを県民全体に波及させることで、この急激な感染拡大を何としても防止していきたいと考えております。

【記者】
 時短要請については、現段階では直ちに考えていないということですが、飲食店などでは、この状況では営業を続けられないとして、既に自主的に休んでいるお店もあります。春の時は休めば補償がありましたが、今は補償がない状態で、やむを得ず閉めるというお店が複数あります。この状況について知事はどのように考えていますか。

【知事】
 春の段階では、国全体に緊急事態宣言が出された中で休業要請を行い、それに対する一定の協力金制度が構築されておりました。現在は、第1波の状況とは異なり、第3波の状況の中、どういった対応を行っていくべきか模索しているところです。御指摘のあった点は、御意見として真摯に受け止め、福島市と県で密接に連携しながら考えていきたいと思います。

【記者】
 感染状況のステージの6つの指標の中で、(福島県の)現状でステージ3相当のものがあると思います。昨日の木幡市長の会見では、「福島市単独で見るとステージ4のような厳しい状況である」とのことでした。現状の各数値について御説明いただきたいのと、現状では(福島県は)ステージ2だと思いますが、国はステージの引き上げは各自治体の判断としていることから、福島県として、どのような状況になれば(引き上げの)判断を行うのかといった基本的な考え方について伺います。

【知事】
 どのタイミングでステージ2から3に移るのかという御質問ですが、分科会の提言では、ステージ3は「感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階」とされております。
 ステージ3への移行に当たっては、病床のひっ迫具合など6種類の指標を踏まえ、総合的に判断することとされております。福島県は、現在、ステージ3の判断指標の一つである「病床の占有率」が、目安とされる「25%」を超えております。一方、「新規感染者数」の目安は「1週間で人口10万人に対し15人」とされていることに対し、現在6.55人であるなど、他の指標においてステージ3の状況には至っていないと判断しております。
 しかしながら、現在、特に福島市を含む県北地域を中心に、医療提供体制の負荷が急激に増大していることは間違いありません。私たち一人一人が強い危機感を持って感染対策に当たっていかなければならないと考えております。

【記者】
 6つの指標のうち「病床占有率」は超えているものの、他の指標は超えてないという御説明ですが、直近1週間の比較で感染者が増えているかといった指標もあったかと思います。それも超えていないということですか。

【知事】
 指標を具体的に申し上げます。まず、病床のひっ迫具合のうち、病床全体の占有率は直近で33.7%であり、25%を超えております。ただ今御指摘いただきました直近1週間と先週1週間の比較については、プラス40%ですので、いわゆるステージ3の指標を超えていることになります。
 それに対し、病床のひっ迫具合でも重症者用の病床については、現在10.0%で、20%を下回っております。また、療養者数については、人口10万人当たりの全療養者数が9.21人で、15人を下回っています。また、PCR検査の陽性率は2.9%で、これも基準の10%に対して下回っております。新規報告者数は(人口10万人当たり)6.55人で、15人を下回っています。感染経路不明割合は21.5%で、50%を下回っています。これが今の客観的な状況です。

【記者】
 病床のひっ迫率は3割を超えていますが、以前(の会見で)、直ちに影響がある状況ではないといったコメントを頂いたと思います。その認識は現状も変わってないということですか。

【知事】
 先週、この場でお話しした状況に比べると、明らかに病床の占有率は悪化しています。そのため、福島市や県北地域だけでなく、例えば、郡山市やいわき市、会津方部にも、今後、広域調整をしていかなければならないという意味で、病床の占有率は悪化しており、重く受け止めております。
 先週から、療養者用のホテルを積極的に活用していくこととしました。例えば、20代、30代で症状がない方に、医師の判断を経た上で、ホテルで療養していただく。こういったやり方は、既に他県では本格的に進んでおりますが、福島県においても、先週から段階的に始めたところです。 
 今、医療現場が非常に御苦労されています。福島市を中心に、いわゆる二次救急の体制も含めて非常に御苦労されている現実があります。その負担を極力抑えていけるよう、ホテルの活用を行っていきたいと思います。併せて、県内の他のエリアも、同じ県の中でお互いにサポートし、補完し合う立場でもありますので、他の地域の病院の力をお借りしながら、現在の状況を全体としてなだらかにしていきたいと思います。  
 根本的には、日々の感染者数を減らしていくことが何よりも重要です。特に、クラスターが発生すると影響が大きく、今回、西部病院で32名(のクラスターが)発生したことによって、入院調整が非常に難しい状況となっています。
 今は、「ウィズコロナ」であり、いつでもどこでも誰でも感染するという現実があります。
 感染をゼロにすることは難しいですが、感染した場合でも、周りの方に広げないことが重要だと思います。改めて県民の皆さんにお願いしたいことは、自分で少し体調が悪いなと思う場合は、学校や会社には行かずに自宅で休む、また、なるべく早くかかりつけ医や、受診・相談センターに電話相談していただくこと。本県においては、PCR検査を非常に幅広く行っており、濃厚接触者だけでなく、接触者に対する検査も行うなど、疑いのある方に対しても積極的に行っています。
 現在、PCR検査は1日2,200件が可能な体制となっております。これまでの最高検査数が900件余であり、十分に対応可能です。出来る限りクラスターを出さないことが、現在の医療の厳しい状況をより悪化させないことにつながると思います。報道機関の皆さんのお力もお借りしながら、県民の皆さんに伝えることが出来ればと考えております。

【記者】
 現在確保されている病床は469床ですが、今後増床する可能性やその見通しがあるのか。また、どういった状況になれば増床が必要と判断するのかといった知事の考えを伺います。

【知事】
 病床確保の計画は既に立てております。病床(計画の考え方)はステージではなく、フェーズという言い方になりますが、それぞれに応じて具体的に必要な病床数を確保するといった計画となっております。現在はフェーズ3の状態にあります。したがって、それに必要な病床数をしっかり確保していくことになりますが、(現在必要な病床数は)469床の内数であり、対応可能な状態であります。
 一方、最近の福島市における急激な感染拡大や療養者用のホテルの占有状況を見極めながら、今後、状況が悪化する場合は、更なる確保もあり得ると思います。現時点においては、469床と160室を確保しており、フェーズ3、フェーズ4の段階でも対応できると思いますが、現実的な対応を着実に行い、県民の皆さんが安心して入院・療養できる体制を整えてまいります。

【記者】
 先ほど二次救急医療機関の話がありましたが、福島市内では赤十字病院と西部病院が休止しています。(病院は)コロナ以外の一般の病気の対応や外来(診療)等もあると思いますが、それらへの影響など、県として懸念していることがあれば教えてください。

【知事】
 昨日の福島市及び福島市医師会の会見において、「特に福島市内の医療体制は、福島赤十字病院での新規感染者の発生以降厳しい状況にある」との説明がありました。今回の西部病院のクラスターの発生を受け、県としても極めて厳しい状況であると同様の認識を持っています。
 救急医療については、二次救急医療機関である福島西部病院と福島赤十字病院が現時点において対応できない状況にあることから、福島県立医科大学の支援を受けて対応しているところです。福島市エリアの住民の皆さんが安心できるよう、福島市、県立医科大学、福島市医師会と連携しながら、救急医療体制をしっかり確保していきたいと考えております。そのためにも、日々発生する感染者数を抑えなければ、新型感染症の対応に追われることになることから、繰り返しになりますが、「新しい生活様式」や事業者におけるガイドラインの徹底について幾度もお願いをしていこうと考えております。

【記者】
 昨日の福島市の会見の中で、年末年始は医療提供体制が停止してしまうといった話がありましたが、県としてどのように対応していくのかについて教えてください。

【知事】
 年末年始は帰省される方もおられ、人の往来が激しくなる時期であります。
 一方で、年末年始は医療体制が手薄になる時期でもあります。今、政府においても、「年末年始を静かに過ごしていただきたい」と発信されています。昨日、全国知事会のウェブ会議を行いましたが、知事会でも、各都道府県の皆さんに対して、「年末年始は静かに過ごしましょう」というメッセージを改めて出しました。例えば、初詣などの行事に対し、出来るだけスケジュールを分散し、密にならない状況で行っていただくことや、帰省についても御家族で丁寧に話し合っていただいて、十分な感染防止対策を取ることが第一で、(対策を)取ることが出来ない場合は、帰省を控えることも含めて慎重に判断していただきたいと考えております。
 先ほどお話したように、福島県全体ではステージ2の状態にあります。そもそもステージ2はステージ1より悪化している状態です。さらに、ステージ3の指標を一部超えている部分もあります。福島市においては、間違いなくステージ3以上の厳しい状況にあることから、同じ県内で、身近に非常に大変な地域があることを頭に置いていただき、年末年始を静かに健やかに過ごしていただくよう、改めてお願いしたいと考えております。

【記者】
 年末年始は静かに過ごしてもらいたいというお話がありましたが、以前のように移動の自粛要請などを知事から呼び掛ける考えはありますか。また、どういった指標があれば呼び掛けを行うのか教えてください。

【知事】                                                      
 昨日の全国知事会のメッセージは非常に重要な内容を含んでおり、福島県のスタンスは同じであります。政府とも連動しています。年末年始については、それぞれの個人、各家庭において慎重に状況を勘案し、静かに過ごしていただきたい。仮に帰省される場合には、例えば、2週間くらい前からしっかり体調管理をし、体調が悪くない場合は感染防止対策をしっかり講じた上で福島に帰ってきていただく。福島に帰られた場合においても、状況に応じて家の中でもマスクを着用するなど、感染防止に気を付けていただくことが何よりも重要だと思います。体調が悪いのに帰省することがあってはならないと思います。体調に少しでも異常がある場合には(帰省を)止めていただきたいという思いがあります。
 この年末年始のシーズンは、それぞれの御家庭の事情もあり、これまでの間、様々な状況の中で御苦労をされております。一律に自粛して欲しいということは申し上げませんが、政府、知事会のメッセージと同様に、極めて厳しい状況にあることを頭に置いていただいて、「新しい生活様式」の徹底や、家庭の中でも外と同様に気を使っていただくことが必要な、特別な年末年始であることを改めて訴えていきたいと思います。

2  トリチウム水の処分方法について

【記者】
 政府が処理水の処分方法について検討しており、早ければ年内に(決定)という話もありましたが、足踏みの状態が続いています。これから復興を進めるに当たり、方針決定の時期が後ろ倒しになることについて、知事はどのように思われていますか。

【知事】
 前提として、一時期、方針が決定されるといった報道がありましたが、私どもはそういった話を伺っておりません。
 処理水の取扱いについては、福島県内外で開催された関係者の意見を伺う場、あるいは書面による意見募集において、海洋放出に反対される御意見や、タンク保管の継続を求める御意見、風評に対する懸念などの御意見が出されております。
 一方で、福島第一原発の立地町からは、保管継続による復興や住民帰還への影響を危惧する意見が出されているところです。この処理水の問題は、福島県民はもとより、国民の理解が十分に深まるよう、国及び東京電力において正確な情報発信に取り組む必要があります。
 最も重要なことは、風評対策です。処理水の取扱いによって、福島県の農林水産業や観光業に影響を与えることがないよう、万全な対策を講じる必要があります。国においては、こうした様々な意見を踏まえながら、慎重に対応方針を検討していただきたい。これが福島県としての基本的なスタンスです。

 (終了)

【問合せ先】                                                                    
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252