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知事記者会見 令和3年4月19日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年4月26日更新

知事定例記者会見

■日時 令和3年4月19日(月曜日)15時00分~15時40分
■会場 応接室

【発表事項】
1 令和3年度第2号補正予算について

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウム水の処分方法について
3 処理水処分により風評被害が生じた場合の賠償について

 

令和3年4月19日 福島県 知事   動画を再生する

 

 

 

【発表事項】

1 令和3年度第2号補正予算について

  令和3年度第2号補正予算の概要を発表いたします。
  今回の補正予算は、2月に発生した福島県沖地震への対応や、国の予算を活用した新型コロナウイルス感染症対策のため、喫緊に措置すべき経費について計上しました。
  その内容といたしましては、福島県沖地震への対応として、被災した住宅の応急修理に対する本県独自の支援、新型コロナウイルス感染症対策として、ワクチン接種促進のための体制強化、感染拡大地域における高齢者施設従事者等へのPCR検査の実施、個人向け緊急小口資金等の特例貸付、ひとり親の子育て世帯に対する生活支援給付金の支給に要する経費を計上いたしました。
  以上により、一般会計における補正予算の総額は47億3千2百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,633億5百万円となります。

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  新型コロナの関係で、先週の対策本部員会議において、金光教授から、県内は第4波の中にあるとの発言がありました。それに対する知事の認識を伺います。
  また、今月は新規感染者数が1月に匹敵するペースで増えており、本日発表分で累計3,000人を超え、クラスターが月別で最多となっています。現在のステージの状況認識についても併せて伺います。
  加えて、感染状況を踏まえたまん延防止等重点措置の適用など、今の段階での検討について伺います。

【知事】
  それでは今、複数の御質問がありましたので、丁寧に御説明させていただきます。
  福島県における指標、ステージの考え方ですが、病床全体の占有率及び直近1週間と先週1週間の新規感染者数の比較については、ステージ3のレベルにあります。一方、残りの四つの指標については、ステージ2のレベルにあります。このような状況を踏まえ、福島県はステージ2相当の状況にあると判断しています。
  その上で、まず福島県内の新規陽性者数は2月に一旦減少しました。しかし、3月以降に再び増加に転じ、4月8日には1日当たりの感染者数で過去最多となる53名を記録し、15日には過去2番目となる47名が確認されました。また、最近の傾向として、10代、20代の感染者の割合が増加しており、感染経路不明者の割合や県外滞在歴がある人の感染も増加をしています。
  先ほども御指摘いただきましたが、クラスターは4月に入って既に12件発生しており、一月当たりで過去最多であった9件を上回るペースとなっています。これまでは医療機関や高齢者施設で多くのクラスターが見られましたが、3月以降は学校や事業所などでも発生しています。また、県外との往来や、飲食店の利用、クラブ、サークル活動などが原因と考えられる感染者、感染経路不明者が依然として多く確認されています。
  先日、いわき市長から病床ひっ迫宣言が出されるなど、県内の医療提供体制に大きな負荷が掛かる深刻な状態が継続しています。これらの状況から、本県は第4波の中にあるものと認識しています。
  このような状況の中、今後の対策としては、現在行っている重点対策をしっかりと継続、徹底していくことが重要です。県民の皆さんには、感染状況や感染リスクが高まる五つの場面を十分意識した慎重な行動をお願いします。特に、いわき市など、感染者の増加が顕著な都市部の皆さんにおいては、これ以上の感染拡大を防ぐためにも、強い危機意識を持って行動していただきたいと思います。
  ゴールデンウィークも近づいています。連休を利用しての旅行や帰省をする方もおられると思いますが、まん延防止等重点措置が適用 地域など、感染拡大地域との往来については控えていただくよう、県民の皆さんに重ねてお願いします。
  最近の感染の特徴として、クラスターの発生が医療機関や高齢者施設のみならず、大学や高校など学校において多く見られることが挙げられます。新年度に入り、対面授業やサークル活動の本格化や、ゼミや学生同士による歓迎会など、飲食の機会が増えていることから、学校においては、改めて感染防止対策が徹底できないサークル活動や大人数の懇親会など、感染リスクの高い活動を控えるよう、学生の皆さんへの注意喚起の徹底をお願いします。
  県民の皆さん、事業者の皆さんには、引き続き、御不便、御苦労をお掛けしますが、県内の感染状況の深刻さを御理解いただき、御協力をお願いします。
  併せて、コロナの変異株についてです。新型コロナウイルスの変異株については、従来株よりも感染しやすい可能性があることなどが国の分析でも示されており、関西、関東などで増加傾向にあり、本県としても強く警戒する必要があります。本日までに、福島県の変異株スクリーニング検査により、新たに5件の変異株が確認されました。詳細は本日、事務方から報告をさせていただきます。
  県としては、引き続き、感染経路や感染源の調査を徹底し、濃厚接触者を迅速に特定するなど、感染拡大の防止に努めていきます。また、基本的な感染防止対策は、通常のコロナウイルスと変わらないことから、県民の皆さんには、日頃の感染防止対策を徹底して、感染を予防する行動をお願いします。

【記者】
  コロナ対策について伺います。先ほど、いわき市でひっ迫宣言という話がありましたが、これに対する県としての対応はあるでしょうか。また、学校のクラスターが増えているため、これに対する呼び掛けを強めていくということですが、具体策があれば伺います。

【知事】
  まず学校関係ですが、大学、高校、あるいは小学校と、今、非常に幅が広がっており、更に下の園児さんのところでも感染が発生しているので、これまで以上に若い方が感染しやすい状況になっています。これは変異株との関係も含めて、今後きちんと検証していかなければいけないと考えています。
  その上で、大学のクラスターや高校での感染状況等を見ると、様々なクラブ活動等々を行った際に、本来行うべき感染防止対策を丁寧にきめ細かく講じていないと、どうしてもクラスターが大きく拡大する傾向があるという事実があります。
したがって、先週のコロナ本部員会議でも、この点を大学、高校で分けて説明しましたが、大学や高校、あるいは中学校、小学校それぞれの管理の立場にある方が、今のこの感染状況というものを是非真剣に捉えていただき、これまでと同じものを継続し、年度が変わったこともあって、人や生徒も変わっているので、再度、その点を強調していただくよう、私どもから働き掛けを行っているところです。
  加えて、いわき市の関係ですが、最近、非常に感染者が多い状況にあり、いわき市エリアの病床のひっ迫率は他エリアよりも厳しいという現状にあります。もともといわき市は病院の数が厳しいところがあるため、余計に(病床の)ひっ迫度合いが厳しいという現状があります。
  一方で、先般、政府の分科会が入院率という新しい指標を出しました。これまで福島県における病床のひっ迫率は5割前後であることが多く、皆さん心配されていると思いますが、実は入院率を見ていただくと、福島県は基本的に感染された方をほとんど病院に入れています。最近は一部の若い方にホテルに入っていただく場合がありますが、基本的には全員入院させるということでやっているため、入院率が非常に高い、すなわち、安定的に(患者を病院で)受け入れている状況にあります。
  数字を見ていただくと、大都市部で感染が進んでいるところは入院率が非常に低い、一言で言うと、もう既に分数の分子と分母が逆転しているというのが現状です。
  したがって、本県は今でも病床のひっ迫度合いがある程度深刻だというのは事実ですが、県全体の入院率を見ていただくと、きちんと県民の皆さんの命と健康を守るための体制は、現場の医療関係者のお力添えも頂くことで何とか確保されていますので、いわき市で今後、仮に感染がある程度(病床のひっ迫が)継続したとしても、他地域も含めた県全体で対応していきたいと思っています。
  ただ問題は、日々の新規感染者が、例えば30人、40人、50人といったことが連続すれば、県全体であっという間に(病床の)ひっ迫度が高まっていくということになるので、冒頭言ったとおり、重点対策をとにかく徹底していただくということを、関係者に強く訴えていきたいと思います。

2  トリチウム水の処分方法について

【記者】
  先日、梶山大臣への申入れの後のぶら下がりにおいて、知事から、この問題は福島だけの問題ではなく日本全国の問題であるという話がありました。そういった中で大阪府の吉村知事からは、政府から正式に要請があればという前提付きですが、大阪湾での放出についても真摯に検討していきたい、なぜならば、これは日本全国の問題であるからだとの発言がありました。
  こういった考え方について、何か意見があるか伺います。

【知事】
  そうした報道があったことは拝見しており、これまでも幾度か、そういった趣旨の話をされてきたかと思います。
  今回、この処理水の問題について、政府においては、タスクフォース、小委員会、また、経済産業省を含め、政府全体での議論の中で、そういった選択肢も含め、様々な議論を重ねてこられたと思います。
  その上で、現時点において、福島県における海洋放出という案を選択されたと受け止めています。
  それを踏まえて、福島県として、五つの重要な事項、あわせて、東京電力に対する思いというものを、直接、経済産業大臣あるいは関係閣僚等会議で訴えさせていただいたところです。

【記者】
  麻生大臣が13日と16日の閣議後の後で、「あの水を飲んでも大丈夫だ」、「何ということはない」という話をされ、そのあと中国から飲んでくださいと言われ、「飲めるんじゃないですか」、「普通の話なんじゃないですか」と返答するなど、私自身はちょっと軽はずみな発言で、逆に福島の苦しみとか、知事が話したような苦渋の決断といったところを、何か理解していない(ように感じる)。
  そういう飲める、飲めないといった問題にしてしまうことによって、逆に福島の人が苦しむのではないかと思いますが、こういった発言について知事はどのようにお考えですか。

【知事】
  まず、今話があったことについては、私自身、直接コメントする立場には無いと思います。
  ただ一方で、政府に対し、トリチウム水が本来どういうものかということを、正確に情報発信してほしいということをお願いしています。
  また、御承知のとおり、福島県内でも不安、懸念があります。全国にも当然ありますし、世界においても国、地域によって様々な受け止め方があります。
  そういう中で、どういった情報発信の在り方が、より正確に相手の心に響くのかということが問われていると思います。
  先週、別の案件になりますが、復興庁のトリチウム水の発信の仕方が議論になりました。こういったことも含め、是非、政府においては、トリチウム水の問題や、今の福島第一原発の廃炉、汚染水、処理水対策がどう進んでいるのか、またその前提として、先ほど御指摘いただいたとおり、福島県民は本当に複雑なつらい思いしている、こういった点も踏まえて、どういった情報発信が最もコミュニケーションとして適切かということについて、意を砕いていただきたいと考えています。

【記者】
  ちなみに、知事御自身は飲めると思いますか。

【知事】
  今、丁寧に説明をさせていただいたところです。

【記者】
  トリチウム処理水について伺います。
  先週、経済産業大臣に申入れをしたと思いますが、知事においても、様々に注文した上での申入れであったと思いますし、昨日の廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会でも、自治体や漁業者から、様々な意見や批判の意見が出ました。申入れの扱いについては、今後、変わっていくものなのでしょうか。それとも県としては、もう意見を出し終えたという認識なのかについて伺います。

【知事】
  今回の経済産業大臣に対する申入れは、先週の火曜日、政府の基本方針の決定を受けて、2日間掛けて精査したものを申し上げました。
  昨日、評議会において、鈴木副知事が先に発言をさせていただきましたが、その後、自治体の首長さんたちは、基本的に県の言うとおりだということを明確に言っていただいた上で、自分たちの所感を話されたと受け止めています。
  したがって、現時点において、ある程度網羅されており、2日間という短い期間でありましたが、県内にある様々な御意見、その御意見の本質というものを入れ込んで、県として発信できたと考えていますが、状況は日々、あるいは毎月、年々変わっていくと思います。
  したがって、私自身は、あれが完成形とか完了形ということではなく、例えば、具体的な風評対策の在り方については、これから政府が数か月間かけて議論されていくと思います。ある程度、今回の基本方針の中に骨格は入っていると思いますが、ただ、それを実際どう肉付けしていくかというのは、正にこれからの議論であると思いますし、また、賠償の在り方について、特に農林水産業者、あるいは観光業者の皆さんは、これまでの10年間の経緯から不安を持っておられます。したがって、今、一定の考え方を示していただいておりますが、それを実際にどうするのかという点については、まだ明確ではありません。
  こういったもの一つ一つが、今後、具体化されて我々に提出されてきます。それが十分であればいいのですが、足りないところとか、我々自身の思いを追加するということは当然あると思いますので、今後も状況に応じて、県として、その時点時点で意見を申し上げていくというのが、私の基本スタンスです。

【記者】
  先ほどの質問(に対する答弁)で、五つの重要事項と東京電力の思いとおっしゃいましたが、これは「思い」(という表現)なのでしょうか。

【知事】
  「思い」という言い方は、適切ではなかったかもしれません。
  「東京電力の管理体制についての思い」とはどういうことかというと、御承知のとおり、福島県沖地震によって生じた(東京電力の)様々な問題がありました。
  それに加え、柏崎刈羽原発における核物質防護の不備は極めて深刻な問題であると思います。このようなことに対してしっかりと対応し、東京電力自身が、処理水対策の実施者としてきちんとできる形にしていくことが重要です。そのような意見として、先ほど申し上げたつもりです。

【記者】
  風評対策について、政府と東京電力が全力を挙げて風評が発生しないようにすることは大前提ですが、県の取組というのも大事になってくると思います。
  先日、知事は組織の在り方についても議論を加速したいと発言しましたが、具体的にどのように体制強化を図っていくのでしょうか。また、3月に風評・風化対策の戦略をまとめて、短期・中期の対応が示されていますが、今後の取組の方針と併せて伺います。

【知事】
  福島県は、私自身、副知事としても、知事としても、この10年間風評と戦い続けています。
  この風評の問題というものは、御承知のとおり特効薬はなく、マニュアルもありません。前例もないため、どうしたら風評を取り除けるのかということに大変苦心しています。
  具体的な話として、例えば食品の基準値については、日本は100ベクレルですが、世界の標準は1,000ベクレルまたは1,250ベクレルで、これが通常です。(日本は)10倍以上の基準にしています。しかも、その100ベクレルを超えるものが数年間出ていない状況が継続しています。これだけのエビデンスがあっても、福島県産の食品に対する風評は10年経っても存在しています。
  最近は、以前に比べると間違いなく風評は少し弱まってきたという思いがあります。今回、この新たな問題が生じることによって、更に風評が上乗せされるのではないかという御心配を、漁業者の皆さんや農林水産業、あるいは観光業に関わる皆さんが持っています。
  したがって、これについては、先般、県として風評・風化戦略を見直したところであり、これを軸に進めてまいります。
  それに加え、大切なことは組織体制です。今回の処分方針の決定から、実際に海洋放出が開始されるまでの期間を含め、中長期を見据えた対策の強化が必要だと考えています。
  そのため、風評・風化対策に係る庁内の司令塔機能や国との折衝機能の更なる充実・強化を図るため、現在、担当部局に組織体制を強化するよう指示しており、今後、速やかに方向性を示してまいります。

【記者】
  ALPS処理水の関係について、今般、各紙で報道されましたが、6年前の地下水バイパス、サブドレン事業の時に、県は当事者ではありませんが、国と東京電力と県漁連の間で、「関係者の理解なしには処分しない」という約束があります。
  これは極めて重い決断の中で交わされた回答ですが、現状としては、漁業者が反対している中での処分方針はそれに相反するものになっています。十分な議論がなされないまま決定されている状況について、県として憂慮する部分があるか伺います。

【知事】
  先週、基本方針を決定する前の段階で、総理大臣、経済産業大臣が全漁連、あるいは県漁連の会長と意見交換を行いました。それを経て、先週(火曜日)、基本方針が決定されました。
  皆さん御承知のとおり、漁連の皆さんは反対という立場を明確にされています。したがって、今、御指摘いただいたような過去の経緯からすると、「お互いの合意が明確に得られた状況の中の決定ではない」と受け止めています。
  私自身、政府に対して申し上げているのは、今回の海洋放出で一番、直接的に影響を受けられるのは漁連の皆さんなので、今後、漁連の皆さんと丁寧に意思疎通を重ね、御理解を頂くことが極めて重要であるということです。また、東京電力も同じプロセスがありますので、東京電力に対しても同じ趣旨のことをお話しているところです。

【記者】
  風評について伺います。知事も「情報発信」と「風評対策」について、何度も様々な方へ発言されていましたが、この二つについては一体のものではないかと考えています。そうは言っても、例えば、東京電力の発言については信用できないという方が一定数いるなど、そもそも信頼ということは定量化できないものと考えています。
  知事も東京電力の社長に対し、信頼回復を強く求めるということをおっしゃっていましたが、この信頼回復ということについて、知事の中ではどういった物差しで考えているか伺います。

【知事】
  今の話も本質的な部分だと思います。
  まず、東京電力の信頼性で言うと、一番大切なことは、柏崎刈羽(原発)の核防護措置です。これについては、(今、東京電力は)原発の運営をしてはいけないという状態になっており、原子力規制委員会からレッドカードが突きつけられた状態になっています。これは通常の電力事業者としてはあり得ない状態です。これまでの10年間の廃炉措置の中でも、様々なトラブル等があり、こういったものは信頼を損ねるものだと思いますが、今回の柏崎刈羽の問題は、これまでのものとは質が異なると思います。
  今回の核防護措置については、規制委員会から突然の飛び込みの調査を受けて、結果、レッドカードを突きつけられるような状態になっています。これはもう信頼性を損なっているとしか言いようのない状態ですので、まずはここを通常に戻すことから始まるのではないかという思いを持って、経済産業大臣に対しても、東京電力社長に対しても、強く言っているところです。

【河北新報】
  知事の中では、そこが出発点になっているとの認識でよろしいでしょうか。そうであれば、そこから積み重ねないと、漁業者の皆さんが「東京電力を信用していいのか、政府を信用していいのか」というところが、プラスにならないと思います。そのところまでが物差しとして、例えば、「そういう風評対策や住民、情報発信についてはしっかりやってくれた、ここは信用できる。だから、風評対策、もし万が一の賠償があったとしても、受入れられる」というような機運が醸成されるという、その物差しというのは定量化できなくて難しいところだと思います。
  柏崎刈羽原発については、きちんと行うという計画を出して、チェックを受けてという規制委員会の中での手続がありますが、(風評対策・情報発信については)そういうことが無いため、その点について、どう考えているか伺います。

【記者】
  今おっしゃったとおり、放出する処理水についての信頼醸成というものは、率直に言って、定量化であるとか、具体的な条件を示すということは難しいと思います。
  ただ一方で、先ほど言ったような大前提の話、規制委員会から取り除かれている本来の資格を元に戻すということは大事です。加えて、東京電力自身が行っている廃炉対策、こういったことをきちっと行うこと、また、彼ら自身が自分たちなりにこの廃炉の在り方、処理水の在り方というものを丁寧に分かりやすく情報発信をしていくこと、こういったことを日々積み重ねていく中で、愚直に信頼回復に努めていくということから始まると思います。
  残念ながら定量化は難しいですが、ただこういった点について、県民はこれまでも長く東京電力と対峙しているので、通じる部分もあるかと思います。そのため、彼ら自身の日々の努力というものが問われており、それを真剣に、立地自治体の方のみならず、県民が見ているということ、また県が見ているということを、東京電力に訴えていきたいと思います

【記者】
  県漁連と国、東京電力との約束の件で、そもそも、東電と国はその約束を果たす、遵守するという発言があったと思いますが、その理解を得られたという判断を誰がどのように行うのか。誰がどのように判断するのかについては、まだ明確な答えがないように思いますが、この点について知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】
  今回の案件については、昨日の評議会でも議論になっており、県漁連の野﨑会長が非常に複雑な表情で、この約束がどういう状況にあるかということを、御自分の言葉で率直に話しておられます。このような状態をより良くしていくために、今後、政府は例えば福島県の漁連であれば、方部ごとに、漁業者の皆さんに直接届くように説明責任を果たすということを言っておられるようです。
  まず大切なことは、関係する皆さんと向き合って対話を重ねていくことだと思います。その上で、今はまだ明確に理解は得られていない状況ですが、この状況を打開するために、政府あるいは東京電力がこれからの一日一日、どういう取組を重ねていくのか、県としてはしっかり確認したいと思っており、また、経済産業大臣とも話をしましたが、大臣自身が、そういう点をしっかり一生懸命やっていくということを明言されていました。

【記者】
  処理水に関する海外への情報発信について、福島の思いも含めた科学的な情報発信が必要だと思いますが、海外の情報を見ると、汚染水と処理水という言葉が混在しており、それが風評につながりかねない状況になっています。
政府における海外への情報発信は果たして十分なのか、また、これからどのような情報発信を求めていきたいかについて伺います。

【知事】
  今、海外の国や地域の反応は、相当大きく分かれている、分断していると思います。そうした意味でも、各国や各地域の御理解を頂くのは、まだまだこれからというのが率直な思いです。
  特に今回のこの処理水の議論を汚染水という定義で報道している国や地域は、この海洋放出に対して非常にネガティブな立場だと感じています。ただ、その報道を拝見している限りでは、事実の認識に対して、非常に大きな差があるなと感じています。今、私どもが考えているこの状況と、そういった国や地域の前提には、非常に大きな差があるという思いを持っています。
  汚染水を海に放出することはあり得ません。また、そもそも、ネガティブな立場の国や地域は、福島県のこの10年間の復興の歩みも、恐らく御存じないのではないかと思います。
  今、15の国や地域が福島県産の食品に対して輸入規制をかけています。今回、ネガティブな反応をされているところと、規制をかけている国や地域は、一部、重なっていると私自身考えています。
  この10年間の歩みの中で、福島第一原子力発電所の廃炉そのものは、着実に前進しています。そして、農産物あるいは観光も含めて、皆さんが心配されているようなことは、全くない状況になっています。しかし、安全面について、世界の中ではしっかり届いていないということを感じています。
  この1、2週間のそういった世界各国の報道等を見ていますと、我々はまだそういう座標、立ち位置にいるということを、非常に感じて、大変心が痛んでおります。これは、恐らく私だけではなく、県民の皆さんや関係されている皆さんもすごく傷ついていると思います。
  今、申し上げたいことは、事実を知ってほしいということです。まず、事実、エビデンスを見ていただいて、それが違うというのであれば、また次の議論があると思いますが、今は、恐らく事実そのものが受入れられないまま、こういった議論が始まってしまっています。そうすると、今回の風評の問題を解決することが非常に難しくなってしまうということを憂慮しています。
  そういった意味でも、世界各国に対する問題については、県としてもできるだけ対応していきます。例えば、県のホームページでは、英語での情報発信や私自身の言葉も英語で発信しています。また、県の『復興のあゆみ』は全て英語に変えたり、中国語に変えたりなどしていますが、やはり県の力だけではなかなかできないところもあり、是非政府において、総力を挙げて取り組んでいただきたい。その一つの大事な要素として、海外への懸命な情報発信と、発信のみならず、本当にそれを理解していただいて、うなずいていただくところまで持っていっていただきたいというのが、福島県知事としての率直な願いです。

3 処理水処分により風評被害が生じた場合の賠償について

【記者】
  賠償の在り方について、実際にはまだ明確ではなく、これについては、国も、今後、特別賠償チームを立ち上げる予定等はありますが、東京電力でも実際に損害が生じてから丁寧に話を伺うとしか発言していません。漁業者の中には、放出方針を決定すると同時に本来、そういった賠償のスキームも提示すべきではないかという意見もありますが、知事として、(基本方針)決定と同時に(賠償スキームを)提出、提示すべきだったかどうか、もしくは、いつまでにそうした賠償のスキームを提示してほしいとの考えなのか伺います。

【知事】
  基本は、事業者、被害を受ける側のスタンスにどれだけ立つかということが、まず先にあると思います。
  そして、(原点に立ち返って)考えると、本来、賠償が発生しないように、風評対策を徹底することが最優先だと思います。賠償があるから「損害を与えてもよい」という前提でスタートするのは逆だと思います。被害者の皆さんからすると、今、彼らが求めているマーケットで、自分たちが水揚げしたものが適正な価格で取引されるのがベストだと考えていると思います。仮に、この処理水の問題が動いたとしても、そもそも風評が生じないようにすることが一番だと思います。
  政府自身も東京電力も、風評が生じないように本気でやることは間違いありません。官房長官も経済産業大臣も各大臣も覚悟を持って言われていますので、そこに期待をしています。
  そうは言っても、風評が完全に払拭できずに損害が生じた場合には、「次は賠償」という段階になります。したがって、今回、賠償スキームが議論されているわけです。
  ただし、今回これまでと明らかに異なるところは、「地域を限定しない」「産業を限定しない」ということが明確に言われています。さらに、被害を受けた側に寄り沿った立場で賠償するということを、これまでの賠償のスキームとは別の言い方でされています。また、政府においても新たな賠償チームができるので、今回は間違いなく政府の基本方針の決定を受けて、より本気で取り組もうとしている点は見られます。
  ただ、先ほど言われたとおり、先週の火曜日に(処分方針と賠償スキームを)フルセットで出せることがベストだと思いますが、風評対策を行うことで、どれくらいまで賠償が減らせるのかというところが決まらないと、次の賠償のステージに進まないという、その時間的な関係もあるのかもしれません。これは私の推測であり、これが事実だとは言いませんが、(処分方針と賠償スキームを)一度全て出すということは、矛盾している部分もあります。
  先ほど言ったとおり、風評対策を行い、風評をゼロにすることがベストですので、最初から賠償ありきとするのも違和感があります。
  したがって、中々一度に出すということが難しい側面があったかもしれませんが、原点に戻って、大事なことは事業者の皆さんの気持ちです。
  特に、漁業者の皆さんがこれから1年後、2年後も3年後も4年後も、希望をもって操業に本格的に取り組むためにも、万全な風評対策プラス万が一の時の賠償、このスキーム全体がより明確に示されることが、希望を持てる漁業につながると思います。こういった点を、県として幾度も、また今後、具体的な中身が見えてくる都度、訴えていきたいと思います。

 (終了)

【問合せ先】
○発表事項
1 令和3年度第2号補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

3 処理水処分により風評被害が生じた場合の賠償について
→避難地域復興局原子力損害対策課  電話024-521-7103