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知事記者会見 令和3年5月24日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年5月26日更新

【発表事項】

1 令和3年度第5号補正予算の概要について

  令和3年度第5号補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、4月に発生した凍霜害への対応や、国の予算を活用し、新型コロナウイルス感染症対策を強化するため、喫緊に措置すべき経費について計上いたしました。
その内容といたしましては、凍霜害を受けた農作物への対応に取り組む農業者等の生産力確保や産地の維持・強化に向けた緊急対策、宿泊事業者の感染防止対策等を強化するための緊急支援、これらに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、42億9千3百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,799億7千8百万円となります。

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  非常事態宣言発令直後から、(感染状況の)数字が、以前に比べると大分落ちついてきたように感じますが、これについて、現状の受け止めを伺います。また、非常事態宣言やその対策等々について、月末が今のところの目途とされていますが、この解除についての現段階の考え、若しくは(解除の)基準について伺います。

【知事】
  全県に非常事態宣言を発出して緊急特別対策を実施してから10日が経過しました。感染ステージを判断する五つの指標、七つの区分のうち、昨日時点で、県内全体の病床使用率が60.7%。重症者用病床使用率が51.0%とステージ4の水準を上回っているほか、人口10万人当たりの療養者数もステージ3の水準を超えています。病床使用率と療養者数の指標は改善傾向にありますが、重症者用病床の使用率が初めてステージ4の水準に達しています。本県の医療提供体制は、依然として厳しい状況が続いています。
  また、変異株の影響などもあり、予断を許さない状況もありますので、引き続き、感染拡大の防止対策に取り組んでまいります。特に、現在の緊急特別対策は今月末までを対象としていますが、先ほど申し上げましたように、ある程度、指標は改善傾向にあるものの、病床のひっ迫具合に関わる数値がステージ4、特に重症者が初めてステージ4のレベルを超えたということは重く捉えております。
  他の指標についても、急きょ悪くなる可能性もあると考えています。その意味で、まずは当面、今月末まで、この緊急特別対策というものをしっかり講じていく中で、安定的に病床の受入れ状況をつくり上げていくことが喫緊の課題だと考えています。
  今後どのような状況になったら解除するかという具体的な数値をお示しすることは、まだ難しい状況です。その理由としては、新規感染者数が御指摘のとおり減る傾向にあり、これは本当に県民の皆さんや事業者の皆さんの御協力のおかげで感謝を申し上げたいと思いますが、4月から5月においては、比較的若い方が入院されていた一方で、今月に入ってからは高齢者の割合が増えていす。そうすると、(感染者が)病院におられる期間が、どうしてもある程度長くなる傾向があるため、どのタイミングで退院ができるかが中々明確に分からない部分がありますし、重症の方はより入院期間が長くなるという傾向もあります。こういったものを噛み合わせながら、全体の措置をどのタイミングで解除できるのかということを考えなければいけないと考えておりますが、いずれにしても我々としては、今月末で非常事態宣言から脱却したいという思いがあります。それに向けて、県民の皆さん、事業者の皆さん、また医療機関の皆さんと一緒になって取り組んでいきたいと思います。

【記者】
  そうすると県内の現状はステージ3のままという認識でよろしいですか。

【知事】
  現在、七つの区分の中で、ステージ4が二つ、ステージ3が一つでありますので、これはステージ3が継続した状況にあると考えております。

【記者】
  ワクチンに関して、国が7月末までに高齢者の接種を完了させるようにという方針を打ち出した一方で、県内では、6つの自治体が難しいと回答していると聞いております。これについて、県内の現状への受け止めと県としての対応について伺います。

【知事】
  福島県内59の市町村、それぞれが高齢者に対するワクチン接種に向けて真剣に取り組んでいただいております。特に、50を超える多くの市町村においては、国、政府が掲げている目標の7月末に向けてしっかり対応していきたいということで、ある程度の方向性が見えつつあります。
  ただ、一部の自治体においては7月末というものが明確になっておらず、難しいという意向を聞いております。県では、そのような自治体に対して、何が障害(ネック)になっているかということを聞いており、その中で、例えば医師の確保が難しいとか、あるいは他の要因もあろうかと思いますが、広域自治体として一緒になって、そういったものを取り除く努力をしていきたいと思います。
  特に、医師の確保が専ら問題になる場合が多いのですが、これについては、県立医科大学、県医師会、郡市医師会といった皆さんと連携しながら、課題解決のために、尽力して、できるだけ早く、できれば7月末までにワクチン接種を希望される高齢者の方が接種を終了できるように、全力で取り組んでいきたいと考えています。
  また先週も塙町、西郷村に行き、それぞれの自治体のワクチン接種の状況を伺いましたが、非常に順調でした。地域の医師会、医師の皆さんたちと連携してスムーズに進んでおり、こういった一つ一つの自治体による、その地域の実情を踏まえた、密着した取組というものが非常に重要だということを改めて感じております。

【記者】
  ワクチン接種についてですが、今日から東京と大阪で大規模接種が始まりました。宮城県なども都道府県独自の大規模接種会場を設けるところも出ていますが、大規模接種について、県としての考えを伺います。
 
【知事】
  高齢者等の接種については、市町村が主体となって接種が進められており、個別接種、集団接種、あるいはその両者を組み合わせた接種が計画されています。
  福島県は県土が広く、特に高齢者の皆さんにとっては、移動手段が限られているという状況にありますので、市町村の取組をしっかり後押ししていくことが最優先だと考えています。
  一方で、今後の市町村における高齢者接種や、その後の一般の方々への接種の進捗状況を見極めながら、必要に応じて大規模接種会場の設置についても検討してまいります。

2 降霜による農作物被害について

【記者】
  霜による被害について、今回の補正予算で5億円ほどを計上されていますが、この補正に関して、知事の思いを伺います。
       
【知事】
  4月の凍霜害ですが、中通り地方の桃や梨等の果樹を始め、いわき地方を除く全県において被害が発生しました。被害面積が1,470ヘクタール。被害額が27.7億円に上り、記録の残る昭和55年以降で2番目となる甚大な被害となりました。
  震災と原発事故、さらに一昨年の台風災害、昨年の桃せん孔細菌病など、毎年のように大きな被害が生じている中で、農業者の皆さんの心が折れることなく、希望を持って営農を継続していただけるよう、関係団体等からの要請も踏まえ、金融も含めた必要な財政支援について検討を重ねてきました。
  今回の専決処分においては、被害を受けた果樹について高品質な生産を行うために必要な資材等の購入や、追加となる果樹の枝せん除にかかる管理作業経費、さらには防霜ファンを導入するための福島県独自の上乗せ支援を講じていくこととしました。また、この専決予算とは別に、農家経営安定資金も融通することといたします。
  引き続き、市町村、JA等と連携をしながら、技術支援や今般の支援策を推進していくほか、収入保険への加入を促進し、被害を受けた地域農業の維持と農業者の皆さんの経営の安定化をしっかりと支えてまいります。

3 東京電力福島第二原子力発電所の廃炉について

【記者】
  原発関係で、東京電力福島第二原子力発電所の廃炉が説明等を含め着々と進んできています。今の状況についての知事の考えを伺います。
  また、他県の話にはなりますが、(原子力発電所)再稼働の動きもあるところで、原発事故があった福島県の知事としての受け止めについて、併せて伺います。

【知事】
  まず、福島第二原発の廃炉について、幾つかの課題はありますが、全体としては、今後の方向性というものが見えてきたということは非常に重要な前進だと考えております。
  福島県の場合は、第二原発、第一原発合わせて10基の原発があります。そのうち特に第一原発の1号機から4号機は、事故に関わる基ということもありまして、今後の道筋が非常に難しい、「困難炉」であります。また第二原発の方は、通常運転をしている原発でありますので、「健常な原発」ということになります。
  ただ、この廃炉の行程というものは、事故原発はもとより、健常な原発においても、今後の方向性が制度的あるいは財政的に必ずしも明確ではないという部分があります。なおかつ、第二原発の廃炉も第一原発と同時に作業を進めていかなければなりませんので、これもやはり30年、40年というスパンが予定をされているところであります。
  したがって、当事者である東京電力と政府、あるいは関係機関の皆さんが力を合わせて、安全かつ安定的に、廃炉作業を進めていただきたいと考えております。
  また、日本国内のそれぞれの原発の在り方、あるいは今後の原子力政策の在り方について、現在、国内においても、様々な議論、個別の地域での議論というものが進んでいるかと思います。そこで一番大切なことは、福島県において2011年に苛酷な原発事故があった、こういった苛酷な原発事故を二度と日本で起こしてはいけない、あるいは世界で起こしてはいけないということを念頭に置いていただいて、安全・安心を最優先にして、地域住民の皆さんと共に検討を進めていくことが何よりも重要だと考えております。
  私自身、あるいは県としても、今、福島が2011年の原発事故以降、どんな苦しい思い、大変な思いをしているかということ、そして、そこからの復興に向けて、どういった努力を傾注しているかということを、様々な場面で情報発信していきたいと思います。

4 東京オリンピック・パラリンピックについて

【記者】
  東京五輪の開催にまであと2か月と迫りましたが、東京五輪の観客数について、観客を一定数入れて開催すべきとの意見が政府内や関係者内で強まっています。福島県は(ソフトボールと野球の)全ての競技の初戦が行われるわけですが、そのような意見・方向性について、知事の受け止めを伺います。
  また、組織委員会や政府に観客の有無について求めたいことや、お考えがあれば併せて伺います。
 
【知事】
  東京オリンピック・パラリンピックが日々刻々と近づいてきています。ただ一方で、今、全国において、新型コロナウイルス感染症、特に変異種が猛威を振るっているということもあり、緊急事態宣言が出されている県が10都道府県、また、まん延防止等重点措置が8県ということで、我々も含め、まだまだ厳しい状況にあります。そのような中で、東京オリンピック・パラリンピックにとって一番重要な命題は、復興五輪ももちろん重要ではあるのですが、やはり安全・安心な大会の開催ということだと思います。そのために、政府自身を始め、組織委員会、東京都、IOCと連携して取り組んでいただいていると思いますが、実際に個々の競技・会場において、どういった安全対策を講じていくことが大切なのか、また、観客をどういう形で入れていくのか、あるいは、そうしない(=観客を入れない)のか、そういった議論を深めていくことが重要だと思います。
  今、全国の感染状況、福島県の感染状況もそうですが、一日一日と変わっていきます。こういった状況を踏まえながら、一方で、準備のための時間はどんどん限られていきますので、やはり一定の方向性というものを組織委員会には出していただきたいと思っております。我々も、様々なバリエーションを想定しながら、福島県なりの準備はしておりますが、やはり、大きな方針が決まらないと対応ができないので、組織委員会においては、一定の期限において、方向性というものを出していただきたいと思います。そしてその(五輪開催の)大前提は、安全・安心な大会、これを国民は望んでいると思いますので、是非、議論を深めていただきたいと思います。
  また、東京オリンピック・パラリンピック以前の問題として、新型コロナウイルス感染症がまん延しているという状況を国全体において沈静化させていくことが、国民の総意だと思いますので、それについて皆さんで力を合わせていくこと、これもまた重要だと考えています。

5 環境省主催「福島、その先の環境へ。」対話フォーラムについて

【記者】
  昨日、都内で開かれた環境省の対話集会について伺います。国民に理解を広げる初の対話の場というところだったかと思うのですが、オンラインでの開催であったり、質問も3問とか、かなり少数で、一番最初の理解醸成の場になるはずであったのが、かなり不十分だったのではと思います。まだ処分先も受入れも白紙という状況で、(今回のフォーラムを)知事がどのように捉えたのかについて伺います。

【知事】
  小泉環境大臣が、「抜本的に強化をする」と表明をされていた「除去土壌等の県外最終処分」に向けた、全国民的な理解醸成活動の第一歩だと受け止めています。
  今回はオンラインでの開催となり、670名以上の参加、また、視聴されている方も含めると1,000名程度の参加だったと伺っています。
  参加者との対話という点では、今、御指摘があったとおり、課題もあったかと思います。今後、国自身、改善方法を検討すると言っておりますので、引き続き、工夫を重ねながら、取り組んでいくことが重要だと思います。
  小泉大臣を初め、複数のパネリストの発言や、オンラインで参加された方の御意見の中で、「これは福島だけの問題ではなく、日本全体の問題だ」という御発言がありました。やはり大事なことは、この中間貯蔵施設、すなわち汚染土壌の処分の問題というものは、オールジャパンの課題として国民の皆さんに知っていただくことが重要です。
  今後、全国各地で同様のフォーラムの開催が予定されています。議論を通じて、国民的な理解が深まるよう、国にはしっかり取り組んでいただきたいと考えております。

 (終了)

【問合せ先】

○発表事項
1 令和3年度第5号補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 降霜による農作物被害について
→農林水産部農業振興課 電話 024-521-7339
農林水産部農業経済課 電話 024-521-7349

3  東京電力福島第二原子力発電所の廃炉について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
(他県における原子力発電所の再稼働について)
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116

4 東京オリンピック・パラリンピックについて
→オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671

5 環境省主催「福島、その先の環境へ。」対話フォーラムについて
→生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043