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知事記者会見 令和3年8月11日(水)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年8月12日更新

知事定例記者会見

■日時 令和3年8月11日(水曜日)13時00分~13時30分
■会場 応接室

【発表事項】
1 令和3年度8月補正予算の概要について

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 東京オリンピック・パラリンピックについて

令和3年8月11日 福島県 知事     動画を再生する

 

 

【発表事項】

1 令和3年度8月補正予算の概要について

【知事】
  令和3年度8月補正予算の概要を発表いたします。
  今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策として喫緊に措置すべき経費について、計上しました。
  その内容といたしましては、まん延防止等重点措置区域における飲食店や大規模施設等への協力金、県独自対策による県内全域の接待を伴う飲食店及び酒類を提供する飲食店への協力金、売上げが著しく減少した事業者への一時金に要する経費を計上いたしました。
  以上により、一般会計における補正予算の総額は133億9千4百万円、本年度予算の累計額は1兆3,181億3千3百万円となります。

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  午前中に行われた県新型コロナウイルス感染症医療調整本部会議の中で、病床の増床と宿泊療養施設の増室が決定されたかと思いますが、国では、軽症者は基本的に自宅療養という方針も出ており、かつ(県内の)通常医療にも影響が出ているという報告もある中で、こういった増床・増室に踏み切った現状や、県としての考え方について伺います。

【知事】
  まず、福島県においては、昨年から、政府の方向性とは若干異なる形でありますが、原則入院していただくということで対応してきました。現在は、感染が急拡大しておりますので、従来と全く同じということは中々難しいのですが、それでも特に健康に影響が出そうな方、そういった方々については、入院していただくことを最優先にしたい、これを是非、継続していきたいと考えております。
  そのような中で、いわき市を中心とした感染拡大によって、県全体の病床使用率は80%を超えるなど、(県内の医療は)非常にひっ迫しています。地域の医療提供体制は、危機的な状況にあります。そのため、特に若年層、20代から30代で無症状、軽症の方を中心に宿泊療養施設に直接入所していただいているほか、自宅で感染管理ができる方は自宅療養をしていただいているところであります。
  また、感染者急増等の緊急的な対応として、入院が必要な方が確実に入院できるよう病床確保計画の目標病床数、これは550床でありますが、これを踏まえながら医療機関との調整を進めてきました。その結果、本日までに、これまでの即応病床数である496床から101床増となる597床を確保し、その全てを即応病床とするなど、入院体制の強化を図ったところであります。
  また、277室を確保している宿泊療養施設、ホテルについても、今週中を目途に60室の上積みをして337室を確保できるよう調整を進めています。引き続き、適切な療養環境を確保できるよう、医療提供体制の強化を図ってまいります。
  ただ、先ほど御指摘がありましたとおり、予定していた手術の延期など、既に通常医療に相当の支障が生じている中での病床確保となっています。救急医療や通常医療が極めて厳しい状況にあることを改めて県民の皆さんには御理解を頂いた上で、感染拡大の防止に皆さんの御協力を是非ともお願いしたいと考えています。

【記者】
  感染者が急増することで、どうしても自宅療養を選択せざるを得ない方もいると思いますし、現に増えているのが現状だと思います。このあたりの対応の強化についての考えを伺います。

【知事】
  県内の新規感染者数が大幅に増加しているために、病床や宿泊施設の状況を勘案しながら、重症化リスクの高い方などの入院治療を優先するとともに、感染対策の観点を踏まえ、宿泊療養や自宅療養も含めて対応を進めています。
  具体的には、20代、30代の軽症者及び症状が改善傾向にある方、40代までの基礎疾患の無い無症状の方には、自宅療養も選択肢に入れながら療養先を調整しているところであります。この自宅療養に当たっては、保健所からパルスオキシメーターの貸出しを行って、毎日の定期的な健康観察を行うとともに、地域の医師会などの協力を得ながら、症状出現時や症状悪化時の受診体制を確保するなど、対応に努めています。
  また、安心して療養できるよう食事支援も行っています。特に、いわき市においては、新規感染者の増加に伴って自宅療養者が急増している状況にあります。(県といたしましては、)保健所に対して、県や近隣町村から保健師の応援や、医師及び看護師の派遣を行い、自宅療養者の健康観察や症状悪化時の対応が適切に行えるよう支援してまいります。自宅療養者に対しては、電話等による診療や薬の処方が受けられる自宅療養者診療支援事業や、同居家族の方に宿泊施設で滞在していただく同居家族感染防止対策事業など、こういった事業も活用しながら対応を進めてまいります。

【記者】
  お盆が始まり、県外から県に帰省している方も多数おられて、新型コロナウイルスの感染者の中にも、帰省中の感染者というのが複数名確認されています。広島県などでは、独自に県がPCR検査を実施して、県外から来る方に無料で検査を行っていますが、知事の中に、県でもそういうものを実施する考えがあるか伺います。

【知事】
  まず、各県において、それぞれの御対応があろうかと思います。
  今、正に新型コロナウイルス感染症が全国各地で急拡大をしています。47都道府県がありますが、1週間当たりの新規感染者数、これがステージ4になっている都道府県が30あります。また、ステージ3になっている都道府県は10あります。したがって、47都道府県の中の40県が、ステージ3以上という状況にあります。
  特に、福島県は、まん延防止措置の適用対象県であります。いわき市には、まん延防止が直接かかっていますし、それ以外の58の市町村は、お酒を提供される飲食店等の時短要請と、住民の皆さんに対する外出自粛要請をかけている。こういう非常事態宣言を出さなければいけないような非常に厳しい状況なものですから、県民の皆さんには、帰省、旅行等については原則中止、延期をお願いしております。そういう状況の中で、我々としては、こういったことを各市町村長さんたちと連携して、丁寧に訴えて、一定の効果は出ていると思います。
  ただ、それぞれの御家庭の事情等において、(自宅、実家へ)戻られる方も一部おられるかと思います。その際は、今我々の周りにあるのがL452R、デルタ株であるということを、是非、御家族あるいは仲間で認識していただきたいと思います。
  以前のアルファ株、従来株であれば、同じ行動様式をとっていても感染しなかったかもしれませんが、御承知のとおりL452Rは非常に感染力が強く、若い方もかかりやすいウイルスであります。そういったことを考慮した上で、相当感染対策をしっかり行わないと、どうしても感染してしまうリスクが高まるということも、併せて発信していきたいと思います。

【記者】
  今のところ、独自にPCR検査を行う考えはないということでよろしいでしょうか。

【知事】
  PCR検査については、例えば、福島県は東京、神奈川、千葉、埼玉を足した面積より広いわけでありますが、率直に言って、中々実効性は難しいと考えております。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、福島市で、今までいわゆる高齢の方から順番にワクチン接種を行う流れでしたが、20代から(接種する、接種順番を)逆にするっていうのは一つの考え方だと思いますが、受け止めを伺います。

【知事】
  まず、福島県内の市町村においては、既に医療従事者、高齢者は、ほぼ終わっており、今後、64歳以下の接種については、基本的に上の世代から順次、ワクチン接種を進めていくという方向だと聞いております。
  一方で、今回、福島市においては、また別のやり方を選択されるという報道も拝見しております。
  政府においては、現在、先ほど言った医療従事者、高齢者、あるいは基礎疾患等を持っている方については優先順位を明確にしておりますが、それ以外の64歳以下の方に対しては、各自治体の判断に委ねております。福島市が、御自身の判断で対応されているものと受け止めています。

【記者】
  県全体で、というわけではなく、それは自治体ごとの判断でということでしょうか。

【知事】
  はい。そうです。

2 東京オリンピック・パラリンピックについて

【記者】
  東京五輪が閉幕しました。招致当時に比べて、開催費用もコロナの影響があって何倍にも膨らんだ結果となりましたが、この東京五輪が、福島を始め東日本大震災の被災地にとって残したものとは何かということについて、今の考えを伺います。

【知事】
  今回、東京オリンピックが閉幕したわけでありますが、今の御質問の中で復興五輪について、どういった捉え方をしているか、この点に絞ってお話をしたいと思います。
  今回の東京オリンピックは、光と影が混ざり合った復興五輪だと考えています。
  まず、明るい光について三つお話ししたいと思います。
  1点目は、聖火リレーのグランドスタートです。今年の3月、福島の復興のシンボルであるJヴィレッジから聖火リレーがグランドスタートしました。浜通り、中通り、会津地方を聖火が無事に巡ることができました。そして、その聖火が東京都庁に着き、福島産のひまわりに迎えられました。さらに、その聖火が聖火台に点火され、浪江産の水素を燃料とし、この大会期間中、輝きを放ち続けました。これが一つの「光」だと思います。
  2つ目は、ソフトボールと野球競技の開催です。先月、福島の県営あづま球場において、ソフトボール6試合、野球1試合の計7試合を円滑に開催することができました。各国のチームの皆さんは、すばらしい戦いぶりでありました。福島の地で、東京オリンピックのこういった競技がしっかり開催できたことが、世界に発信されたと思います。特に、福島の地で勝利したソフトジャパン、侍ジャパンは、その後もしっかりと勝ち抜いて、結果、それぞれ金メダルを手にされました。福島での復興五輪が、この両チームの金メダルに貢献できたのではないかという誇りを持っているところであります。
  3点目が、福島の農産物の活用です。東京オリンピックの選手村では、福島を始めとした被災地におけるGAPを取得した食材が活用され、選手の皆さんに提供されました。そして、野球・ソフトボール競技で福島に来られた選手・監督の皆さんが、例えば、桃を食べて「福島の桃はデリシャス」、「食べ過ぎてしまった」あるいは「こんなおいしいものは食べたことがない」、このように率直にSNSや取材で発信していただいたことが、世界への大きな発信になったと考えています。
  こうした3点が、復興五輪としての一つの形につながっていると思います。
  一方で残念なことは、深刻な影もあったということであります。この影についても3点お話ししたいと思います。
  1点目は、昨年、この東京大会全体が1年延期となりました。これは福島での聖火リレー(が開始する)直前でした。
  そして2点目は、無観客での競技開催であります。今年の3月20日、(組織委員会において、)海外からの観戦客、お客様を迎え入れないということが決定されました。復興五輪の重要な部分は、世界各国から集まった観客の皆さん、あるいは報道陣の皆さんが、この福島の地に来て、見て、感じていただくことです。「震災と原発事故から10年たった福島が、このように復興を進めている。一方で、まだ原子力災害もあって難しい課題を抱えている。」ということを実感していただく好機でありましたが、その一番根幹の部分が失われてしまったのが、3月20日でありました。また、7月10日、福島県内の感染状況等を勘案し、苦渋の判断でありましたが、組織委員会に対して無観客(開催)を要請し、了承されました。これによって、県営あづま球場での野球・ソフトボールの試合は、無観客開催ということになりました。これも残念な影の一つです。
  そして3点目が、風評被害であります。今回、一部の方々から、福島の農産物に対する誤解、偏見に基づく風評がありました。震災と原発事故から10年5か月が経過しています。しかし、今なお根強く、こうした風評が続いているのだということを、改めて私たちは思い知らされて、特に農業者の皆さん、あるいは県民の皆さんが傷ついた、これは事実であります。
  以上、それぞれの光と影をお話ししましたが、やはり全体として、今回の東京オリンピックは、聖火リレーのグランドスタート、あるいは野球・ソフトボール競技の福島での円滑な開催、そして、福島の農産物の活用など、明るい光があり、これは復興五輪の骨格をしっかり実現することができたと考えています。
  一方で、東京大会の1年延期、あるいは無観客での競技開催、風評被害など、深刻な影もありました。そして、私たちが思い描いていた復興五輪とは異なる形になってしまった、これも事実であります。このように、今回の東京オリンピックは光と影、その両方が混ざり合った復興五輪であったと考えております。
  その上で、最後に私自身、今回の大会を拝見していて、感動的なシーンが多かったのですが、印象に残った言葉があります。それは、東京オリンピックソフトボール競技での金メダリスト、上野由岐子さんの言葉です。「諦めなければ夢は叶う。」この上野選手の言葉は、福島への応援のエールでもありますし、あるいは復興五輪のレガシーにもなると思います。
  福島は、まだ復興が完了しておりません。復興の途上であります。だからこそ我々は、これからまた5年、10年、20年と復興に向けて努力を重ねていかなければいけないのですが、その際、こういった上野選手のすばらしいメッセージや、選手の皆さんたちの頑張り、そして、今後開催されるパラリンピックにおける各パラリンピアンたちの躍動する姿を見ながら、「自分たちも負けないで頑張ろう。諦めないで、思いや夢を実現しよう。」そういう思いを持ち続けることで、必ず福島の復興を形にすることができると考えております。

【記者】
  今の質問の答えでちょっと確認ですが、風評被害があったという話がありましたが、具体的にどういう被害があったのか伺います。

【知事】
  この会見の場でもお話ししておりますが、韓国関係の報道で、福島の農産物に対する風評、あるいは福島のトルコギキョウ、ナルコランが含まれるオリンピックビクトリーブーケに対する風評のことを指しております。

【記者】
  韓国は、今のところまだ輸入規制を敷いています。そういう国が来た場合に、本国で食べていないものを、仮にこちら(日本)で食べなかった時に風評と言えるのかということについて、個人的に少し疑問があります。もちろん向こう(自国)では、きちんと輸入していて、こちらに来て食べないとか、そういうことであれば分かりますが、どちらも同じ基準ではないかという気もします。考えを伺います。

【知事】
  それについては、御意見としてまず受け止めさせていただきます。
  その上で、福島県と日本国政府ですが、2011年の段階で54の国・地域が福島県産の農産物、あるいは日本の農産物に対して輸入規制をかけていました。
  その後、10年間、我々が地道な取組を続ける中で、40の国と地域がその輸入規制を解除し、そういった国々においては、本県産の農産物を非常に喜んで輸入をしていただいて、多くの方に笑顔で食べていただいております。また、国際的な基準に勘案しても、科学的なデータ、エビデンスから見て、本県産の農産物が現在、いわゆる原発事故の影響を受けていないということは明確かと思います。
  したがって、それぞれの受け止め方は、それぞれの御自由だと思います。ただ一方で、我々としては、それは誤解、偏見であるので、是非、正確な情報を知っていただきたいということを、愚直に真っすぐ訴え続けることが、福島の復興にとっても極めて重要だと考えています。

【記者】
  関連して、今回アメリカのソフトボールチーム等が来て、「桃はデリシャス」だと言ったと、これは良い発信だということですが、一方でアメリカは未だに(県産農産物の)輸入規制を敷いているわけです。桃には、(輸入規制を)敷いていないと思いますけれども、それ以外のもので(輸入規制を)敷いているわけで、そういうものを払拭する、いいタイミングになったかどうかの総括を伺います。

【知事】
  14の国と地域が、今なお輸入規制を残しておられます。ただ、実はこの14の国と地域、中身を見ていきますと、率直に言って相当の差があります。
  菅総理大臣を始め、外務大臣、農林水産大臣が、世界各国のこういった輸入規制が残っておられるところと会談をされる際など、様々な機会において、本県に対する輸入規制を解除してもらえないかということを、しっかり訴えていただいていると聞いております。
  大事なことは、科学的なエビデンスに基づく客観的な評価、これを是非、共有していただくことであり、これまでも40か国が行ってきましたし、これからも可能だと思います。
  世界の方の中には、ローマ字のFUKUSHIMAの地、福島県全体が、まだ避難区域で住めないのではないかと誤解されている方もおられます。
  そういったものが、今回のオリンピック競技を開催したことによって、ある程度は状況が変わってきたと思いますし、また特に福島の食について、(米国の)ケン・エリクセン監督、オーストラリアの監督、あるいはドミニカ共和国の皆さんの発信も含めて、徐々に変わってくる部分もあると思いますので、我々自身、風評払拭の特効薬があるわけではないのですが、粘り強く事実を訴えて、この状況を変えていきたいと思います。

【記者】
  東京五輪について、思い描いていた復興五輪とは異なる形になったのは事実だろうという話がありました。以前の会見で、知事が不完全燃焼だった部分があると、その失われた部分をこれから時間をかけて取り戻したいという発言もありました。
  それを踏まえて、県として五輪開催が実施された事実を一過性のものにせずに、復興の糧に、どういった形でいかしていくか、考えがあれば伺います。

【知事】
  今回の復興五輪は、光と影が混ざり合った復興五輪です。
  その中で、特に我々が為し得なかったと思っているのが、海外からの誘客、海外からのお客様、あるいは海外からの報道陣の皆さんに数多く福島の地に来ていただいて、見て、食べて、感じていただくこと。そしてケン・エリクセン監督のように、自分たち自身の率直な思いを発信していただくことが、ローマ字のFUKUSHIMAにとって、非常に重要な復興五輪としての意義だったと思います。ただ、それがほぼ全体として失われてしまったという事実がありますので、ここは正に不完全燃焼です。
  したがって今後、新型コロナウイルス感染症、こういった状況が落ちついて、またインバウンド等を再開できる状況になりましたら、第2期復興・創生期間の中で、海外からのお客さんを福島の地に呼び込むということを重要な柱にしております。今回、復興五輪で不完全燃焼だった部分も含めて、加速化させて、海外からのお客さんを様々な形で誘客していきたいと思います。
  またその際に、一般的な観光のお客さんも、もちろん大事ですが、やはり媒体、マスメディアの方々、様々な専門家の皆さん、あるいは可能であれば若い世代の教育旅行、こういったものも含めて、海外から来ていただくということが、今回、果たし得なかった不完全燃焼の復興五輪を本来の形に持っていくために非常に重要だと思います。
  その際に大事なことは、県産の農産物、福島の食を笑顔で楽しんでいただくことだと思います。安全を知っていただくことは当然ですが、実際に食べて、パッと笑顔になっていただくこと、これは劇的に違うと思います。
  今回、例えば、アメリカのソフトボールのチームの皆さんは、生食の桃をカットして食べていただいているのですが、これが仮に、福島の桃パフェとか、こういったものを食べられると、おそらく選手の皆さんの、またちょっと違ったすてきな笑顔が見られたかもしれません。
  したがって、多くの方々に来て、見て、食べて、感じていただく、あるいは、お酒を楽しんでいただく、こういったことが復興五輪にとって今後、重要だと考えています。
  加えてもう1点、県営あづま球場は、福島にとっての正にオリンピックレガシーだと考えています。この県営あづま球場は、オリンピック球場であります。しかも、福島は福の島、福島の福を持って横浜スタジアムに行き、侍ジャパンもソフトジャパンも金メダルを獲得されました。この験のいいオリンピックレガシーである県営あづま球場を今後、様々な場面で活用させていただく、あるいは県内の方々に、お子さんたちから年配の方々まで、野球・ソフトボール等で実際に活用していただいて、私は今、このオリンピック球場でプレーしているんだ、あるいは応援しているんだなという思いを共有していただくことも、今回、無観客で果たせなかった復興五輪の思いを果たしていくための、大事なステップになるかと考えています。

【記者】
  東京オリンピック・パラリンピックについて、先ほど食材とビクトリーブーケについて、その「影」の中の一つとして、風評だったという発言がありましたが、ただ、そういった報道等が出た際の、少なくとも国内の受け止めというのは、そういう不合理なことを言っているのはおかしいのではないか、という声のほうが大多数だったように感じます。そのことについては、むしろ「光」ではないかと思いますが、それについて、「影」と言い切る理由について伺います。

【知事】
  「影」と言い切るというのは、私自身の表現が十分ではなかったかもしれません。
  今お話しされたことは、私自身も感じています。実際の報道があった際、様々な反響を拝読していますと、非常に考え方、誤解・偏見に対するお叱りというような声が多いなということを感じており、今お話があったとおり、その角度から見ると、国内の方々が「福島産の農産物、私は食べるよ」というメッセージも結構ありました。そういう様子を見て、ありがたいなと思ったことは事実です。
  ただ、先ほどは、光と影について大きな事例を三つずつということで、わかりやすく言ったものですから、ちょっとそのような見え方をしたかもしれませんが、一つ一つの事象には全部表裏がありますので、そういった意味では、限られた時間の中では、十分説明し切れなかったかもしれません。

【記者】
  今の点で、二つに大別すると光と影に入ったかもしれないが、それは影なりに光もあったという受け止めをしているということでよろしいか伺います。

【知事】
  おっしゃるとおりです。
  例えば、聖火リレーのグランドスタート(について)、先ほど光と言いましたが、御承知のとおり、グランドスタートは無観客でした。我々が望んでいた聖火リレーのグランドスタートはJヴィレッジですから、たくさんの観客の方に入っていただいて行いたかったのです。ところが、実際は、関係者だけという、人数的に見ると寂しいスタートでありました。
  また、福島県では3日間、公道での聖火リレーを行っていますが、皆さんにできるだけ(現地で)見ないでほしい、テレビ等で見てくださいということをお願いしていました。
  したがって、先ほど私が光といった部分についても、そういった影の部分もありますし、新型コロナウイルス感染症の影響の中で、この五輪というものは非常に光と影が混ざり合っており、それぞれの中にも光のウエイト、影のウエイトがありますので、すごく複雑な、コンプレックスな混ざり合い方だったなということを、今のお話を聞きながら、改めて感じていました。

(終了)


【問合せ先】

○発表事項
1 令和3年度8月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 東京オリンピック・パラリンピックについて
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671
(風評・風化対策について)
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1129
(輸入規制について)
→農林水産部農産物流通課 電話024-521-8041