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知事記者会見 令和4年6月20日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年6月24日更新

【質問事項】

1 県民世論調査の結果について

【記者】
  福島民報と福島テレビで実施した県民世論調査の結果、物価高騰に対する影響を多くの県民が感じているという実態が明らかになりました。
  これを受けて、先般から知事も話されていますが、物価高に対する県独自の対策や対応について、具体的にどのようなタイミングで考えているか伺います。

【知事】
  最近の消費者物価指数や企業物価指数は、前年同月を上回っています。特に、消費者物価指数における電気代が前年同月比で約21%、生鮮食品が約8%高くなっているなど、県民の皆さんにとって身近な商品やサービスなどの物価高騰が進んでいます。こういった現状を受けての調査結果だと受け止めております。
  今後もこうした物価高騰の傾向が続くことが懸念されます。現在、福島県において必要となる具体的な事業の検討を進めています。今後、県議会とも御相談しながら、必要な予算を確保し、県民生活や事業活動への影響をできる限り緩和していきたいと考えています。
  具体的な内容については、今、正に精査をしているところですので、御理解いただければと思います。

【記者】
  併せて、同じ調査の結果についてお尋ねします。
  東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、「かなり理解が広がっている」、「少しは理解が広がっている」と回答した人が、全体の43.1%、一方で、「あまり広がっていない」、「全く広がっていない」と回答した人が47.3%ということで、「理解が広がっている」と考えている人は前回から5ポイントほど上昇し、「(理解が)広がっていない」と考えている人が5ポイントほど減少している状況ですが、やはりまだ「広がっていない」と感じる人が多いという結果が出ています。
  この数字についての受け止めと、今後、国、県、東京電力がそれぞれの立場でやっていかなければいけないことについて、どのようなことがあると考えているか伺います。

【知事】
  ALPS処理水の取扱いについては、今なお、海洋放出に反対する意見や、新たな風評の発生を懸念する声、陸上保管による復興への影響を危惧する意見など、様々な意見が示されています。
  廃炉と汚染水・処理水対策は、長期間にわたる取組が必要であり、県民や国民の皆さんの理解が極めて重要です。国においては、昨年末に決定した行動計画に基づいて、情報発信の充実強化や、迅速・柔軟な事業執行に全力で取り組むとともに、今後も様々な機会を活用して、関係者を始め、幅広い事業者や県民等に対する丁寧な説明を行うなど、責任を持ってしっかり取り組むべきと考えております。

【記者】
  県として、正に取り組んでいかなければならないことについて、どういったことをお考えでしょうか。

【知事】
  県自身は、この11年の間、風評被害、これを取り除くための様々な努力を続けてまいりました。
  特に農林水産業や観光業、こういったところに顕著な風評が、原発事故直後から一定期間見られておりますし、今なお風評が消えているわけではありません。それは国内のみならず、海外においても同様であります。
  そこで、福島県内の、例えば廃炉の進捗状況や空間放射線量の状況、あるいは県民の皆さんが復興に向けてどう取り組んでいるか、また、農林水産物のモニタリング結果、これは非常に膨大なものがありますが、それらを踏まえ、「安心して食べていただける」ということが明確なエビデンスとして蓄積されております。
  また、観光に来ていただく外国の方も、今は少しコロナの影響がありますが、全体として増えていく傾向にありますので、福島県自身が行う正確な情報発信にこれからも力を入れていきたいと思います。
  特に、一つ象徴的なものは、福島県産の農林水産物に対する輸入規制があります。原発事故直後は、55の国と地域において輸入規制がありましたが、現在14まで減ってきました。これは間違いなく前進ですが、今なお11年経っても14の国と地域が福島県産の農産物に輸入規制をかけているという厳しい現実があります。政府とも連携をしながら、こういった14の国と地域がゼロになるようにしていく、これも県政の重要な役割だと考えております。

【記者】
  土曜日に連合後援会の方から知事選に向けた出馬の要請がありましたが、そういった中、知事の支持率についても我々が今回の調査で確認し、79.5%の方が内堀知事を支持するという回答がありました。
  この結果の受け止めについて伺います。

【知事】
  今回の調査結果、真摯に受け止めております。
  先ほどの処理水の問題、あるいは物価高騰の問題も含めて、県民の皆さんが、県政の中で復興や地方創生が一定程度進んでいるという実感をお持ちである一方で、まだまだいろいろな課題があるということを、日々の生活やお仕事の中で実感されていると思います。
  東日本大震災、原子力災害や台風、地震等の自然災害からの復旧・復興、あるいは急激な人口減少への対策としての地方創生の推進、そして、喫緊の課題である新型感染症への対応、物価高への対応、あるいはひょう害への対応、こういった県政の重要課題を知事として、あるいは福島県としてどう解決するのか、このことを県民の皆さんが真剣に御覧になっていると思います。
  そういった思いをしっかり心の中に置きながら、一日一日、真剣に県政に臨んでまいります。

 

2 原子力発電所事故の集団訴訟に係る最高裁判決について

【記者】
  先週の金曜日に最高裁判所で、「原発事故の集団訴訟で、国の責任はない」とする、初めての判断が示されました。
  その一方で、内容を見てみますと、今まで言われていた2002年の長期評価の信頼性であったり、津波の予見可能性であったりということに触れず、事故が回避できたかどうかというところに触れて、国の責任はないという判断をしており、専門家の中からは、争点を逸らした判断だという意見も出ています。
  この判断に対して、福島県の知事として、どのように受け止められたか伺います。

【知事】
  金曜日の判決は、私が上京している時に第一報が入り、その後、テレビの報道、あるいは新聞等の報道において、私自身が丁寧に拝見しているところであります。
  まず、県の基本的なスタンスでありますが、原発事故の集団訴訟における国の責任の在り方について、初めて最高裁判所の判断が示されました。原子力損害賠償については、引き続き、国に対して、中間指針の見直しも含めた賠償の在り方について、速やかに検討するよう求めてまいります。国においては、福島の復興・再生や原発の廃炉等に、最後の最後まで責任を持って対応すべきであること、これを今後とも訴えてまいります。
  特に今回、原告等の皆さん、あるいは専門家の皆さんから、いろいろ悲痛な思いなどが出ております。そういったものも含め、大切なことは、まず中間指針だと考えています。
  この4月に実施した県の原子力損害対策協議会の要望活動、あるいは先般実施した政府への要望活動において、中間指針の見直しも含めた適切な対応を求めてきました。今後、原子力損害賠償紛争審査会において、集団訴訟で確定した判決内容やADRでの和解事例なども踏まえ、指針見直しの在り方が検討されるものと考えています。
  審査会においては、福島県の現状や被害にあわれている方々からの賠償請求内容、原告の皆さんの思いを真摯に受け止め、混乱や不公平を生じさせることがないよう、任命された専門委員による迅速な調査・分析と今後の指針見直しの在り方を含めた議論について、スピード感を持って取り組んでほしいと考えております。

 

3 国内流通菌床栽培ナメコの起源が福島県由来と判明したことについて

【記者】
  先週、福島大学で、ナメコの研究調査が発表されまして、知事は御覧になったか分かりませんが、国内で流通する(ナメコの)99%が喜多方の山都町における野生の菌が起源になっているというニュースがありました。
  福島県はフルーツ王国として売り出してきた中で、こういった野生のナメコですけれども、こういうようなうれしいニュースといいますか、一つの大きなチャンスになるのではないかなというように私自身感じましたが、ニュースを見てどのような考えを持ったか伺います。

【知事】
  先日、ナメコの報道を拝見しまして、最初は福島だけでの報道かと思ったのですが、実は全国でもニュースになっておりまして、私自身、非常にうれしく見ておりました。
  率直に言って、こういったことは私自身知らなかったわけでありますが、喜多方、山都のナメコというものが、日本全体で普及しているナメコの源流になっていることは、福島県民にとってうれしいニュースだと感じているのが率直な思いであります。
  先ほど申し上げたように、原発事故によって、福島県の農林水産業は本当に大きな打撃を受けています。風評であります。事実ではありません。ところが、原発事故のあった福島、そこの農林水産物は安全なのかという懸念が、今でも一定程度、国内あるいは世界に残り続けています。こういう状況の中で、ナメコの現状、(国内栽培ナメコの起源は)喜多方なのだ(ということ)。「ふくしまプライド。」という言葉を使っておりますが、農林水産業に関わる一人一人の農家の皆さんが、本当に誇りを持ち、情熱を持って一生懸命栽培をされているナメコ、林産物、農産物、あるいは水産物、全てがもちろん安全に、そしておいしく、高い品質で食べられるということを、知事としても、今回のニュースを心の中に置きながら、是非、トップセールスを続けていきたいと思います。

 

4 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  新型コロナウイルスについてお伺いいたします。
  知事も下げ止まり傾向について懸念をされていましたが、ここに来て、やはり若干増えつつあるような数字も出てきています。
  県内の現在の感染状況について、どう見ているかということと、改めて呼び掛けていきたいことを伺います。
 
【知事】
  今お話がありましたとおり、感染の指標というものは、全体としてある程度落ち着いております。
  特に、病床の使用率が2週間前は19.5%、その後17.5%から一気に下がって、10%を切り、最新値で8.9%、また重症患者がいない、そして、人口10万人当たりの療養者数が73名から55名のレベルまで相当程度下がっている、これはプラスの部分だと思います。
  ただ一方で、今御指摘があったとおり、10万人当たりの1週間の新規陽性者数が、少し増えている傾向にあります。
  こちらのグラフ、順調に下がってきたものが少し上がっています。これについて具体的な数字を申し上げますと、4日連続で前週の同じ曜日を上回っています。今日皆様にお示しする(新規陽性者数の)数字は86名、先週が71名でしたので、15名増えて、これで3日連続が4日連続になったということであります。ある程度下がってはいるものの、下げ止まり、若干増えているということであります。
  今まで重点対策を様々講じてきましたが、それが先週から解除になって、基本対策に移行しました。今、全国的にも感染者数が減っているということで、県民の皆さん、あるいは全国の皆さんも、経済活動、社会活動が前向きな意味で活発になっていると思います。
  ただ、やはりそういった人的な交流が増えますと、感染する数が増えてくることはあり得ると思います。
  そこでお願いしたいのは、基本対策の徹底であります。基本的にはマスクを上手に、場面に応じて使い分けていただいて、特に人と接する距離が近いときは、しっかりマスクをしていただく、そして換気を行っていただく、また、特に会食を行う際には、認定店を使っていただくなど一定の配慮をしていただく、こういった基本対策を継続していただくことが重要です。
  また、特に皆さんにお願いしたいのは、自分自身あるいはお子さん等に一定の症状、風邪のような症状が見られた場合には、学校に行ったり、出勤することを止めて、できるだけ早く医療機関に相談し、対応していただく、これがやはり1番ポイントかと思います。
  こういったことを粘り強く県民の皆さんや感染対策を講じていただいている事業者の皆さんに伝え続けながら、感染の抑制と社会活動、経済活動をまた再生していく、この両立に努めていきたいと考えています。

5 自主避難者に対する提訴について

【記者】
  原発事故からの自主避難をされている10世帯に対して、明日から始まる県議会で、県から、国家公務員住宅に住み続けている人に対して、明け渡しと賃料の支払いを求めて提訴するという議案が出されています。
  一方で、支援者の方々は、「県は、もう少しきちんと実態把握をしてほしい」とか、「もう少し対話をしてほしい」と訴えていますが、こうした裁判に出てしまうようなことになると、その可能性も閉ざされてしまうように感じます。もう対話の可能性というのは、県としては無いと考えているのか伺います。
 
【知事】
  まず、今の御質問と関係の皆さんのお気持ち、御意見は、真摯に受け止めさせていただきます。
  その上で、県の基本的なスタンスを改めてお話ししますが、未退去となっておられる方々については、戸別訪問や現地での相談会などを通して、生活や住居、健康の状況といったお一人お一人の個別課題を把握して、特に新たな住まいを確保するなど、一日も早く生活再建が図られるように支援に取り組むこと、これが正に県の基本スタンスであります。
  また今回、議会に提出している内容につきましては、個別の具体的な内容を含みますので、担当課のほうに御確認をしていただければと思います。

 

(終了)

 

 

【問合せ先】

○質問事項
1 県民世論調査の結果について
→総務部政策調査課 電話024-521-7184
(物価高騰対策に関すること)
→企画調整部 復興・総合計画課 電話024-521-7922
(ALPS処理水の取扱いについて)
→危機管理部原子力安全対策課 電話 024-521-7252
(風評・風化対策について)
→企画調整部風評・風化戦略室 電話 024-521-1129

2 原子力発電所事故の集団訴訟に係る最高裁判決について
→避難地域復興局原子力損害対策課 電話024-521-7103

3 国内流通菌床栽培ナメコの起源が福島県由来と判明したことについて
→農林水産部森林計画課 電話024-521-7426

4 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

5 自主避難者に対する提訴について
→避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629