ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 「チャレンジ県ふくしま! ~ 福島県知事 内堀雅雄のページ ~」 > 定例記者会見 > 令和元年度(平成31年度) > 知事記者会見 令和2年3月23日(月)

知事記者会見 令和2年3月23日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年3月27日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年3月23日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について

知事定例記者会見   動画を再生する

 

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 コロナウイルスの蔓延を受けて、国際オリンピック委員会が東京オリンピックの延期について検討を始めると発表しました。先ほど安倍総理大臣が、参議院予算委員会で、国際オリンピック委員会の決定次第では延期について容認する考えを示されました。開催地の知事としてどのように考えますか。

【知事】
 国際オリンピック委員会(IOC)が、東京オリンピックの延期を含めて検討すると発表しました。また、本日、安倍総理大臣が参議院予算委員会で、東京五輪の延期も容認する考えを示したことは、報道で拝見しております。
 現時点で具体的な情報を頂いているわけではありません。国内外の状況は日々変化しています。県として、このような変化を注視し、国や組織委員会と連携しながら対応してまいります。

【記者】
 直近では、26日に県内で聖火リレーがスタートします。また、7月にオリンピックが行われるかどうか分からないという現下の情勢で、(聖火リレーが)始まることについてどのように考えますか。

【知事】
 現時点で、「復興の火」や聖火リレーについてどうなるのか分からない状況にあります。そのような状況の中で、県としては、組織委員会あるいは国と連携しながら、その時点の状況において最善の対応をしていくことに尽きると思います。

【記者】
 県としては、オリンピックの機会を通じて、いい意味でも悪い意味でも被災地の今の姿を世界に発信しようと考えてこられました。これについてはどのように考えますか。

【知事】
 福島県は、2011年の東日本大震災、原発事故以降、国内外の皆さんから温かい御支援を頂いてきました。また、昨年の台風第19号、大雨災害以降も応援を頂いています。今回の東京オリンピック・パラリンピックの機会を通じて、様々な場面で、国内外の皆さんに感謝の思い、そして復興の途上にありながらも更に努力を続け、未来に向け、復興に向けて歩んでいく、頑張っていく、そのような思いを、私自身が発信していきたいと考えております。今、国内外の状況は、日々変わっておりますが、新型コロナウイルス感染症との戦いも含め、この逆境を乗り越えていこうという思いを、これからも発信し続けていきたいと考えております。

【記者】
 先週閉会した2月定例県議会で、新型コロナウイルスに関する緊急対策として、休業や失業した人などに対し、無利子で最大20万円を貸し付ける制度資金をおよそ3億円、社会福祉施設や保育園にマスクや消毒液を配布するなどの対策費をおよそ1億円、総額にして4億6,100万円を計上されました。新型コロナウイルスの緊急対策は現在、どの程度進んでいると考えますか。

【知事】
 先週、補正予算が成立しました。現在、出来るだけ速やかに対応できるよう、関係の方々と丁寧に協議を続けております。補正予算がしっかりと執行され、その成果が各地域、関係機関で現れるように努力を続けてまいります。

【記者】
 明日、「復興の火」の展示が福島県内で始まります。仙台市の様子を見ますと、かなりの人出があったようですが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、どのような感染症対策を講じる予定でしょうか。

【知事】
 宮城県において、「復興の火」を展示した際、多くの観客が集まられたという状況は承知しております。福島県においても、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、マスクの着用や消毒液の使用、体調不良の方への呼び掛けはもとより、過度な密集状態をつくらないよう、観客の列を前後1メートル以上空けて整理誘導するなど、当日の運営方法について、現在、検討を進めているところです。引き続き、組織委員会を始め関係機関と緊密に連携し、様々な状況を想定しながら準備を進めてまいります。

【記者】
 オリンピック本体の開催について、海外の競技団体などから、延期したほうが良いのではないかという声があります。知事もスポーツ観戦がお好きだと思いますが、スポーツファンとして見た場合、今の状況でオリンピックを開催することについてどのように考えますか。

【知事】
 今、国内外でオリンピック・パラリンピックの在り方についての様々な御意見が出ています。その中で大切なことは、政府、組織委員会あるいは47都道府県等も含め、関係の皆さんが緊密に連携し、対応していくことであると思います。昨日のIOC、今日の安倍総理の発言など、日々刻々と状況が変わってまいります。そのような状況変化の中で、状況をしっかりと見ながら、県として対応していかなければならないと改めて感じております。

【記者】
 「復興の火」について、宮城の場合、1メートル以上間隔を空けて並ばせるという事前の想定でしたが、人が多過ぎて、1メートルどころではなく、明らかに密集して集まっているという状況でした。「今後、そのような状況があれば中止することも検討せざるを得ない」といった組織委員会のコメントも一部報道にありましたが、明日から始まる福島駅前の展示では、中止する場合を想定したオペレーションを組んでおられるのでしょうか。

【知事】
 先行している宮城県での事例はしっかりと念頭に置いた上で、現場での対応を進めていかなければならないと考えております。新型コロナウイルス感染症対策を行うことは、極めて重要なミッションだと思います。先ほど申し上げたような対応策を行いつつ、一方で人が多く集まった場合、中止の議論も含め、組織委員会、県、福島市やいわき市と緊密に相談をしながら、臨機応変の対応が重要だと考えております。

【記者】
 現場にいる方が中止の判断をすると言っても中々難しいと思うので、あらかじめ県が窓口となって組織委員会と調整し、こういう状況になったら中止とするというルールをつくっておかないと、何となくそのまま最後まで進んでしまうことが考えられると思います。あらかじめ中止の場合を想定して調整するということでよろしいでしょうか。

【知事】
 多数の方々が集まられた宮城県のような状況を踏まえ、どう対応すべきかを、正に昨日も今日も議論を詰めております。問題意識は同じだと思います。

【記者】
 新型コロナウイルスの呼び方について、アメリカのトランプ大統領は、「中国ウイルス」と呼んだり、あるいは自民党の国会議員の中には、「武漢ウイルス」と呼ぶ方もいます。福島県は、原発事故を経験して、他と比べても風評被害の恐ろしさについては理解していると思いますが、このウイルスの呼称についてどのように考えますか。

【知事】
 新型コロナウイルス感染症について、中国やアメリカなどで、様々な意見があることは報道等で拝見しております。その上で、原発事故を経験し、今なお風評を受けている福島県の立場で申し上げると、やはり、様々な誤解や偏見を及ぼすような対応は、出来る限り控えていくことが重要かと思います。今回の新型コロナウイルス感染症についても、様々な誤解や偏見がある。そういった症状になられた方、なっていない方も含め、御苦労されているという状況があります。我々自身も当事者ですが、このような風評の問題をどうしたら正していくことが出来るのか。大切なことは、正確な情報を発信すること、冷静に議論をすることかと思います。
 「正しく恐れる」という言葉は、原発事故においても取り上げられましたが、新型コロナウイルス感染症についても「正しく恐れる」、「冷静に行動する」、「落ちついて対応する」、このようなことが、風評払拭にとって一つの足がかりになるかと思います。

【記者】
 オリンピックの延期の方針について、既に県内ではホテルの予約が入っていたり、需要を見込んだ企画商品を展開しているケースが見られます。そのような中で、今後の影響を知事はどのように見ているのか。一方で、コロナウイルスにより、県内経済がかなり影響を受けており、更に影響を受ける可能性があると思いますが、知事の受け止めについて教えてください。

【知事】
 オリンピックについての方向性がまだ確定しているわけではないので、それについてお答えする段階にはないと思います。今、新型コロナウイルス感染症の大きな影響もあり、県内の観光業、飲食業、あるいはサプライチェーンの関係で製造業にも大きな影響が生じています。この状況については、日々、政府に対して、全国知事会を通じて、「県内の産業の問題が生じているので、何とか対応策を考えて欲しい」ということを、発信しているところです。
 第2弾の緊急対応策が打ち出されていますが、報道等を拝見すると、今後、第3弾以降の対応もあろうかと思います。県内の企業経済情勢を政府にしっかりと伝えながら、この難局に国を挙げて乗り切っていくことが何よりも重要だと考えております。

【記者】
 今回の(オリンピックの)方針を受け、需要を見込んでいる方など、県内でも不安に思っている方もおられると思います。まだ見込みですが、知事の考えとしては、五輪の影響による県内経済への影響が出ないようにする形で、今後進めていくという理解でよろしいでしょうか。

【知事】
 まだ方向性は出ておりませんが、どのような対応になっても、東京オリンピック・パラリンピック、新型コロナウイルス感染症については、様々な状況変動が今後出てくる可能性があると思います。福島県のみならず、日本経済全体にとっても極めて深刻な状況で、それを乗り越えるために、国を挙げて、あるいは都道府県、市町村を挙げて、日本国としてどのように取り組んでいくか、そのような最重要課題だと考えております。オールジャパンで取り組み、この難局を乗り越えるという思いで福島県も臨んでいきたいと思います。

【記者】
 五輪の聖火リレースタートまであと3日となりました。このリレーのスタートに関しては、今のところ組織委員会等から変更の示唆などの提案は、現状では届いていないという理解でよろしいでしょうか。

【知事】
 「復興の火」についても、聖火リレーについても、何も届いていません。

【記者】
 仮に五輪本体の開催が延期された場合、聖火リレーが予定どおり実施されると、リレーと大会自体との連続性に影響が出てくるのではないかと思いますが、知事はどのように考えますか。

【知事】
 現時点において、まだ何か確定しているわけではないので、仮定の質問について答えるのは控えさせていただきたいと思います。ただ、総理自身が、「完全な形での五輪・パラリンピック」と常に口にされています。福島県民としては、やはりベストの形で臨みたい。その思いはそれぞれ一人一人の気持ちの中にあると思います。今は与えられた条件の中で最善を尽くす、その思いで臨んでおります。

【記者】
 新型コロナウイルスにより、五輪の予選大会などにも影響が出ています。選手自身が十分に練習出来ない環境に置かれていることで、競技団体などからは、「延期や中止の判断については、アスリートファーストで考えるべきだ」という声も出ていますが、知事もアスリートファーストで判断されるべきと考えますか。

【知事】
 アスリートの皆さんが、この難局を前にして、非常に困惑されている状況を報道等で拝見しております。現在、IOCあるいは政府自身が、アスリートファーストの観点も含めて、様々な協議を続けておられるかと思います。いずれにしても、東京オリンピック・パラリンピックは、日本のみならず世界にとって重要な行事です。出来る限りベストに近い形で開催が出来る、そして多くの方々が笑顔で応援が出来る、そのような状況が一番望ましいと思います。県としては、今後、どのような状況で結論が出されるのかを見守り、その上でしっかり対応していく。このことに尽きると思います。

【記者】
 関係機関と連携して状況を注視するのはよく分かりますが、知事として、五輪本体について、今の状況を鑑みて延期すべきなのか、それとも予定どおり開催すべきなのか、東京都知事は「延期はあり得ない」とずっと言っていますが、福島県知事も開催地の重要な知事なので、知事の考えをお聞かせください。

【知事】
 現時点で何か方向性が定まっているわけではありません。やはりこれまでに例のない状況の中で、当事者であるIOCあるいは東京都、日本国政府、組織委員会、それぞれが今、模索している最中かと思います。我々自身も聖火リレーのグランドスタートや、野球・ソフトボールの一部競技の開催ということで、関わりを持っております。今は、この状況(難局)が日々変わっていきますので、そのような中でどのような判断がなされるのかを注視していくことが大切だと考えております。

【記者】
 聖火リレーのグランドスタートに福島県が選ばれたのは、復興五輪というテーマを体現するためだと思いますが、仮に、今週、聖火リレーがスタートし、途中で打ち切りになって、その後延期されて再開となると、福島からスタートしたという意味が薄れてしまうのではないかと心配されます。それならば完全な形で福島から聖火リレーをスタートするという考えがあっても良いのではないかと思いますが、知事はどのように考えますか。

【知事】
 今、IOCが正に判断するために様々な議論を重ねられている。また総理も参議院予算委員会で初めて延期という言葉を口にされました。そのような状況の中で、今のようなお話があることについては理解できます。一方で、現時点で何かが固まっているわけではないので、現在は、冷静に落ちついて対応することが重要だと思います。県としては、しっかり今後の状況を見極めながら、その条件の中でベストを尽くす、これに尽きると思います。

【記者】
 現状では致し方ないことですが、このような状況下でコロナの対策に注目が集まって、このような状況の中で聖火リレーがスタートしようとしています。福島は最初に予定されていることもあって、それ(コロナの対策)に注目が集まってしまい、大切な「復興五輪」という理念の発信に影響してしないか心配しております。改めて、かなり制約がある状況ですが、知事の中で、このような発信をしたいなどの考えはありますか。

【記者】
 復興五輪について、いろいろな受け止め方があると思います。私たち自身は、復興というものは、逆境を乗り越えて努力を続けるということであると思っております。特に福島県の場合は、地震、津波、原発事故、風評さらに台風第19号と大雨災害、そして新型コロナウイルス感染症という様々な複合災害をどう乗り越えていくかということに我々が向き合って、日々、復興途上で頑張っている姿を発信していこうと考えております。
 一方で、復興が完了しているわけではなく、今なお様々な課題を抱えているという状況についても、聖火リレーなどで多くの方々にお会いする際に直接伝えたいと思っております。
 ただ、現在はそれ以前の状況であり、日々変わっている状況を注視しながら、その制約条件の中で、出来る限り発信する努力を続けていきたいと考えています。

(終了)

【問合せ先】                                

1 新型コロナウイルス感染症について
→保健福祉部地域医療課 電話024-521-7238
(東京オリンピック・パラリンピックへの影響に関すること)
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
 (県内経済への影響に関すること)
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270